バイオ産業技術戦略
I.バイオテクノロジー産業【注1】における産業競争力と技術の現状
1.バイオテクノロジー産業の現状と特徴
(1)バイオテクノロジー産業の現状、産業市場
バイオテクノロジー産業は1次産業である農林水産業など、2次産業である化学、医薬品、分析機器など、3次産業である環境浄化、医療サービス、検査サービスなど、既存の産業分類上幅広い産業分野に広がっている。従って既存産業分類のどこに属するかによって事業特性が大きく異なる。1998年の日本のバイオテクノロジー産業の市場規模は1兆1800億円である。そのうちバイオ商品市場(遺伝子操作技術、細胞融合技術、細胞培養技術を用いた製品)は9,450億円で、内訳は医薬品39.1%、化学27.4%、農林水産19.8%、診断薬8.7%、食品4.6%である。一方、バイオ関連市場(酵素などを利用した製品や研究支援機器、サービスなど)は2,350億円である。
財団法人バイオインダストリ−協会が行ったアンケ−ト調査によると、日本のバイオテクノロジー産業企業数は約300社でそのうちの20〜30%が中小企業であり、前述のバイオテクノロジ−産業の定義に係わる従業員数の合計は約3万人(製造業全体の0.06%)である。
(2)製品ライフサイクルと開発リードタイムの逆転
経済団体連合会の「産業技術力強化のための実態調査」報告書によればバイオ関連産業である医薬品の製品ライフサイクルは、この10年間で15.8年から9.0年になっており、全事業分野平均(11.1年から8.1年)を上回る勢いで短縮化している。一方、開発リードタイムは3.3年伸びて13.2年となっており、この結果、製品ライフサイクルより長くなっている。新規製品の開発スピードが市場での生死を決する様相を呈しており、イノベーションの加速化が不可欠である。こうした背景もあり、バイオテクノロジー産業の強い欧米では産学連携やベンチャー企業と大企業との提携が盛んであり、外部の優れた研究成果を積極的に活用することで競争力を高めている。
(3)バイオテクノロジー産業特有の課題
バイオテクノロジーは、生物機能を産業的に利用するという新しい技術であるが故に、技術についての科学的な説明、人類にもたらすメリット、人体への安全性や作物生産を始めとした生態系への影響といったことを国民が正確に理解するという社会的な理解と支持が形成されることが産業の成長の前提となっている。
また、食品、医療、環境などのように、安全評価や許認可などの行政の施策(制度)が大きな役割を果たす場合が多い。
2.バイオテクノロジーの特徴
(1)遺伝子の有限性
バイオテクノロジーは、生物機能を産業や生活に利用するものであり、その根幹を成すものが遺伝子である。遺伝子は数が有限であり、かつ、特許化が可能なことから、特にヒト、主要農産物、有用微生物の遺伝子を特許で押さえることは、バイオテクノロジーに関する研究開発及び産業化の両面で競争力に大きく影響を与えている。世界中で遺伝子の陣取り合戦が展開されている所以である。
(2)基礎研究と応用研究の接近
今日のバイオテクノロジーは、組換えDNA技術、細胞工学等を基盤として発展しつつあるが、未だ開発途上にある技術領域であり、一定の目的を持って初めから設計できるといった方法が確立した状況にない特徴を有している。このため、基礎研究と応用研究が接近しており、産学連携システムのあり方が競争力に直接影響を与える重要な要因の一つとなっている。
(3)新技術に対する社会の理解
生物を取り扱う技術であるということから、細胞の取得方法や生態系への影響、クローン動物の作成など、研究開発の段階から倫理や社会的理解と支持を重視して取り組んでいかなければならないという性格を有している。
3.バイオテクノロジーを巡る国際比較
(1)日本に対する評価
米国の報告書の中で我が国のバイオテクノロジー産業に対する評価は、80年代始めに「最も手強い競争相手」として捉えられていた。この報告書の中で、我が国は伝統的な味噌や醤油の製造から連綿と続いてきた発酵工業などの技術基盤が強固であり、近い将来必ず台頭するであろうと予測し、米国がバイオテクノロジーの開発競争において優位を保つためには、これに対抗して実用分野への研究投資を充実、応用分野の技術者の育成等を強力に推し進める必要があると指摘している。その後、90年代に入り、我が国に対する評価は「生命科学分野において何ら脅威ではない、プレーヤーですらない」と一変した。
(2)特許、知的基盤等の比較
国際競争力低下の最も重要な要因は、基礎的シーズの欠如である。バイオテクノロジーに関する特許の動向を見ると、いわゆる基本特許は欧米の大学や企業が取得しており、応用分野の技術についても我が国の特許は少ない。日本における出願人の国籍別特許取得(1995年)を見ても、全技術分野では87%が日本であるのに対し、バイオ分野では日本からの出願は36%に留まっており、それを超える42%が米国からの出願である。研究成果を産業化する上で迅速かつ適切に特許化しておくことが不可欠であり、そのためには研究者の意識も重要であるがそれを支える優れた弁理士の存在は不可欠である。弁理士の数(1997年)は米国19,404人に対し日本は4,030人で、バイオテクノロジーを専門に担当している日本の弁理士の数は極めて限られているのが実状である。特許審査官の数(1998年)も米国約3,000人に対し日本は1,264人であり、バイオテクノロジー分野の審査官は極めて少ない。また、
DNAの配列決定量の国別比率は米国が60%、EU 30%、日本10%である。バイオテクノロジーは基礎的研究と産業化が近接しているため、フロントランナーであることが重要であり、新たなシーズを出し続けなければならない。
また、生物機能を人工的に利用するバイオテクノロジーでは生物遺伝資源の保有量も競争力を左右する。生物遺伝資源の確保状況の1つの指標である代表的な微生物保存機関の保存株数は米国50%、EU
45%、日本 5%である。バイオテクノロジーの発達に伴い、cDNAライブラリー、細胞なども含めた生物遺伝資源確保の必要性は益々高まっている。このための人員・組織体制も我が国は小規模(例えば、米国のATCCは約200人、日本の生物資源機関は10数人)、かつ、分散しており、バイオテクノロジーの進歩発達に対応した、大規模生物資源センターの早急かつ、持続的な整備が必要である。
(3)人材の比較
米国と日本の大学における生物学の学位取得者(1996年)を比較すると、学士では米国62,081人に対して日本では30分の1の1,875人、博士では米国5,723人に対して30分の1の192人と著しく少ない。米国の大学の一部では一般教養として全学で生命科学分野の科目を必修としている。
また、日本のライフサイエンス研究者数(1998年)は総数129,452人、企業25,936人、研究機関14,668人、大学が88,848人(67%)であり、バイオテクノロジーの研究人材は極めて限られているのが実状である。一方、米国のライフサイエンス研究者数は1995年に総数305,300人である。日本の研究者はさほど少なくないように見えるが、日米で研究者の定義が異なるためである。博士号を有しない民営研究所の研究者、博士課程の学生、及び医局員が日本の研究者には含まれるが、米国の研究者には含まれない。
(4)研究開発費の比較
米国では、「小さな政府」を標榜する中にあっても、「情報技術」に次ぐ戦略分野としてバイオテクノロジーを含む生命科学に重点的に取り組んでいる。1998年における生命科学分野研究への政府の投資(推定)は米国では約2兆円(約18,000
M$)に対して日本では4分の1の約5,000億円、政府負担率も米国の50%に対して日本は35%と少ない。一方、大学での政府負担研究費のライフサイエンス比率は米国が58%に対し日本は40%台である。
(5)強み、弱み分析
日本が強いとされるバイオ関連技術は発酵技術、バイオリアクター、酵素工学などである。クローン家畜、バイオセンサーはほぼ互角かやや劣るとされている。一方、遺伝子治療、遺伝子組換え農産物、バイオ農薬、遺伝子探索技術、遺伝子診断などの先端技術分野の競争力は極めて低い。ちなみに、1980年以降のバイオ関連のノーベル賞受賞者数は、日本が1名、米国は26名である。
(6)その他
上記の他に競争力不足の重要な要因としては、政府の戦略的産業としての位置づけと企業のビジョン先行型の取り組みの欠如、ベンチャー創出環境の未整備などが考えられる。
II.今後の展望
1.技術革新の展望
(1)ゲノム情報「利用」の時代へ
産学官の世界の研究者の精力的な取り組みにより、今後、生命現象に関する知識が飛躍的に蓄積されていくであろう。2003年までに全塩基配列が決定されるであろうヒトゲノムはもとより、様々な生物について遺伝子レベルでの理解が進展し、ゲノム情報の本格的な利用が可能な時代へと突入していくと考えられる。
2010年の産業活動は、ゲノム情報を活用することにより大きく変化しているだろう。多くの製品やサービスは、例えば各人の体質に応じた医療や食品など、個々人の遺伝子情報に基づいたものへと変化するであろう。その結果、個々の市場規模は必ずしも大きくないものの、新しい製品やサービスの市場が続々と生成発展する展開を遂げるであろう。これに伴って、流通は、多品種のものを少量にかつ迅速に提供するシステムへの変革を迫られるであろう。また、生産は、資源やエネルギーの消費を抑制しつつ、少量のものを効率よく生産することが求められるであろう。研究開発についても、ゲノム情報データベースが構築されるなどして、大幅な効率の向上が見込まれる。また、これまで利用方法が判明せず、顧みられなかった生物遺伝情報の新たな利用方法が発見され、それが研究展開の新たな地平を切り開くことも期待される。
様々な生物のゲノム情報の蓄積は、人類の活動とそれを取り巻く環境の営みに対する理解と対応にも変革をもたらすと考えられる。汚染された環境の浄化も、多くのエネルギーを消費して行われるのではなく、生態系が持つ治癒力を効率的に引き出すことにより、環境への負荷の少ない方法へと変化するであろう。また、ダイオキシンなどの人体への影響はゲノム情報に基づき、そのリスクをより定量的に評価することが可能となるであろうし、農薬は生物農薬へと変化するなど、環境ホルモンや化学物質などに関する安全情報は、各種生物ゲノム情報を活用して再構築され、それに基づいた対策が採られるようになると考えられる。
(2)人々の多様な幸せを実現する産業へ
携帯電話などに象徴されるように、消費者のニーズはより個人を尊重したものへと変化してきている。その流れは、医療や食品などの分野へのニーズにも押し寄せてきており、産業分野によって捉えられ方は異なるものの、2010年には、個々人のニーズを満たすことが技術革新の鍵を握るであろう。そして、そのニーズは物的な価値から質的な価値へと変化し多様化してきている。言うなれば「人々の多様な幸せへの願い」を実現することが21世紀の産業の中心になると考えられる。そうした流れの中で、遺伝子レベルでの情報に基づいて、製品やサービスを提供できるバイオテクノロジーは、個々人のニーズを満たす極めて有力な手段であると考えられる。
他方、自然環境を犠牲にすることで築いてきた今日の我々の生活は、もはや自然環境との共生なくしては成長があり得ない局面に入ってきており、人類の生活とその環境の安全に対する国民の関心は益々高まってきている。所詮、人類も自然の一部であり、例えば、汚染物質の除去について、自然の治癒力を増大させ、利用することが可能となるなど生態系との調和を保った社会・産業への変革の切り札が、生物機能を利用するバイオテクノロジーと考えられる。
つまり、バイオテクノロジーを「幸せを実現する技術(ハピネス・テクノロジー)」と捉えることが、将来を展望する上で重要な切り口となるであろう。高齢化社会を迎えるに当たり、「美味しいものを食べて日々健康に暮らしたい」「健康に長寿を全うしたい」、「安心して安らぎのある社会にしたい」「美しい山河と共存したい」というのは誰もが願う幸せであろう。こうした幸せへの願いが、バイオテクノロジーによる技術革新を牽引し、新しい市場と雇用を創造するであろう。
(3)大競争時代への戦略的取り組み
このようにバイオテクノロジーは人類にとって画期的な技術であり、21世紀に本格的な産業化が期待されるものであるが、我が国の産業がその一角を占めることが約束されているものではない。むしろ、国を挙げた戦略的な取り組みなくしては、我が国経済・産業の持続的な発展は望めないだろう。米国のヒトゲノム解析計画に代表されるように、諸外国は戦略的な取り組みを既に展開してきており、更にその産業化の歩を速めてきている。ヒトゲノム計画は2005年に全ゲノムの塩基配列の解析を終了する予定であったが、終了時期を2003年に前倒しした。更に、米国のベンチャー企業は2001年までに完了すると宣言している。また、欧米の化学メ−カ−は積極的なM&Aによりバイオテクノロジー産業への変革を急速に遂げつつあり、最近でもRhone-PoulencとHoechstが合併しライフサイエンス企業Aventis(1999年12月)が発足する。環境面では、DuPontは2010年には全エネルギーの10%を再生可能資源から供給(1998年では0%)し、2010年の全売り上げの25%を化石資源型以外の分野で達成する(1998年では5%以下)と発表している。このような諸外国の政府や企業のスピーディーな動きに呼応して、我が国においても戦略的な取り組みをこの時期に一気呵成に展開していかなければならない。
(4)研究・技術動向
90年代のヒトゲノム解析、EST解析、cDNA解析による膨大なゲノム配列情報の蓄積を基に、今後は生物機能の解明に世界の研究者の焦点が移って行くであろう。生物機能の解明は産業利用に直結するため、遺伝子機能を解析するファンクショナル(機能)ゲノミックスや遺伝子機能を担うタンパク質の研究(プロテオーム解析等)が加速的に進展するであろう。また、バイオインフォマティクスは生物学と情報科学の融合分野であり、その研究は緒についたばかりであるが、膨大なゲノム情報から有用な情報を抽出するために必須の研究分野であるため急速に進歩を遂げつつある。
以上は細胞より小さいスケールの分子を扱う技術であったが、昨年末のヒト胚性幹細胞(ES細胞)の発見に見られるように、細胞・組織レベルの技術も飛躍的な進歩を遂げつつあり、今まさに、基礎研究から応用へと開花するところである。移植のための臓器や細胞治療、実験動物代替材料、動物工場などへの応用に向けて革新的な発展を遂げるであろう。
また、各種分析機器の発達はバイオテクノロジーに画期的なブレイクスルーをもたらしてきた。90年代にゲノム配列解析が進展したのはDNAシーケンサーの能力が飛躍的に向上したからであり、それと同様なことがタンパク質の微量解析において予想されている。
以上のことから、今後期待されるバイオテクノロジーは、テーラーメイド医療【注2】、ゲノム情報を活用した画期的新薬の開発等の医療関連分野などを支える医療分野、機能性を有した食品や作物生産の増加などの食品・農水産業分野、バイオプロセスやバイオレメディエーション、CO2固定、新素材などの環境・工業プロセス・製品分野、そして、これらの研究開発や産業化を支える電子機器、情報解析、精密計測分野の技術であり、これら4つの分野が、2010年のバイオテクノロジー産業の主たる構成要素となるであろう。
2.社会的な理解と支持の獲得
バイオテクノロジーの研究開発及びその産業化にあたっては、社会的な理解と支持を得ることが不可欠である。その際、最も重要な視点は、国民に「安心」を与える(「納得」してもらう)ということである。これまでは、科学的な「安全」の証明に主眼がおかれてきたが、遺伝子組換え作物(食品)の場合にも見られるように、国民が実際に購買し、消費するというところまでアクセプタンスを高めるためには、それだけでは十分ではない。このことは、国民の購買・消費行為においては、科学的証明による「安全」も、その行為を起こす前提でしかなく、「安心」や「納得」、「信用」という価値認識がその行為を起こす大きな要素となっていることを示している。それは、国民に対し「安全」を示すこと以上に、いかに国民に「安心」を与える(「納得」してもらう・「信用」を得る)ことが重要かということである。
このような点を踏まえ、これからの本格的なゲノム情報利用の進展を前提として、倫理面や個人の遺伝子情報の取り扱いを含め、社会的な理解と支持を得るための時代を先取りした環境整備が求められるであろう。
III.総合的戦略
1.目標
バイオテクノロジー産業の創造に向けた目標は、「バイオテクノロジー産業の創造に向けた基本方針(平成11年1月29日関係閣僚申合せ)」に述べられているとおり、2010年にバイオテクノロジー関連市場の市場規模が25兆円程度、バイオテクノロジー関連の新規事業者の創業数が1千社程度まで増大することを展望しつつ、我が国の産業構造の転換と雇用創出のためにバイオテクノロジー産業が自立的に発展するための基盤を整備することである。
2.総合的戦略
【基本的認識】
今後2〜3年のうちに生物機能への理解は急速に深まり、ゲノム情報の本格的な利用が可能な時代に突入していくと考えられる。それにより、2010年には、産業の有り様、人類の活動とそれを取り巻く環境への理解と対応は大きく変化するであろう。そこで、戦略を策定するにあたり、以下の点を踏まえることが必要である。
- バイオテクノロジーは、未解明・未発見の分野が多く残されており、かつ基礎的研究と産業化が近接しているので、基礎的研究が重要である。
- バイオテクノロジー産業においては、製品やサービスが上市するまでのリードタイムが長いので、研究開発及び産業化のプロセスを効率化するシステムを構築することが重要である。
- バイオテクノロジー産業の出口は、「人々の多様な幸せへの願い」に応えることにある。
また、バイオテクノロジーの研究開発及びその産業化のいずれにおいても、倫理面でのルール作りや社会的理解の増進などが重要であり、そのためには国民に安心を与えることがポイントであり、そのためのメカニズムを構築することが重要である。
このような認識の下に将来展望を踏まえ、前述の目標を達成するために、以下の戦略1〜4を展開する。
戦略1. 研究開発及び産業化のプロセスを効率化するための基盤整備(イノベーション加速化戦略)
バイオテクノロジー分野は、研究開発、産業化の両面で世界的に天下分け目の大決戦が繰り広げられており、まさに「スピードとアイデアが命」といった状況である。バイオテクノロジーは基礎的研究と産業化が近接しているものの、上市までの孵卵期間が長いため、イノベーションを加速化するための戦略が不可欠である。このため、基礎的な研究の質と量を強化し、広大な知の泉を形成し、そこから次々に新しい製品やサービスが市場に投入される仕組みを構築しなければならない。
(1)基礎的な研究の充実
米国のバイオテクノロジー産業の隆盛は、長年の基礎研究の積み重ねの結果である。世界に先駆けた全く新しい基礎的なシーズを生み出すことが、産業化の推進のためにも不可欠であることから、基礎的研究を格段に充実させることが必要である。
ゲノム解析については、体制も整備されてきており、今後2〜3年のうちに加速的に進展するものと考えられるが、バイオサイエンス、バイオテクノロジー分野は未だ開発途上にあり、引き続き生命の謎に果敢に挑戦していかなければならない。
ゲノム情報が蓄積されてきていることから、今後は遺伝子機能解析、タンパク質構造解析、プロテオーム解析、細胞工学など生物機能の本格的な解析を重点的に進めることが重要である。
(2)人材育成
我が国のバイオサイエンス、バイオテクノロジー分野における人材の層の薄さは深刻であり、大学や大学院で生物系の教育を受けた人材を拡充することが必要である。特に、バイオインフォマティクスや生物統計学など新たな分野や融合領域の研究人材を強化するため、
- 学部や大学院の構成の再編や
- バイオサイエンス、バイオテクノロジー分野の研究員の増員、
- ポストドクターの活躍の場を拡大する
などの措置を講じることが必要である。更に、急速な技術革新に対応するため、
- 専攻にとらわれず幅広い学問領域を修得することが可能な柔軟で多様性のある教育システムを構築すること
が必要である。
また、イノベーションを加速化するためには、優れた技術者の存在が重要であり、技術者の不足が研究活動を組織的でないものにしているのが現状である。このため、
- 技術者を適切に評価し、処遇するための仕組みを整備する
とともに、
(3)ベンチャー企業への支援策の多様化と拡大
バイオベンチャーは、大学等の最先端の研究を事業化する橋渡し役を果たし、高いリスクをとる事業化推進のプロモーターとして再認識する必要がある。
欧米では、大企業が研究開発のスピードを向上させるためベンチャー企業に資金を提供し、ベンチャー企業はその資金を活用して研究開発を行い、その成果を資金提供した企業に還元するといったシステムが構築されている。我が国では1999年10月より産業活力再生特別措置法が施行されたところであるが、さらにベンチャー企業をイノベーションの開拓者と位置づけて、創業活動を支援するための環境を多面的かつ早急に整備することが必要である。例えば、資金面からは
- バイオ分野への投資を専門としたベンチャーファンドの育成や
- バイオ専門のアナリストの育成、
- 年金基金等の機関投資家からの資金流入の拡大、
- エンジェル税制の抜本的拡充による個人投資家の投資の促進
人材面では
- 企業経営の専門的人材の育成、特に、ダブルメジャーを持つ人材の育成
組織の面では
- 大企業とベンチャー企業の橋渡しをするメカニズムの整備
- 大学・企業間の知的ネットワーク構築による恒常的な事業化支援体制の整備 技術面では
- 人的資源も含んだ大学からの支援
などである。また、
- 国の研究機関や大学等が積極的にベンチャー企業の製品等を購入することによるベンチャー企業の初期市場を形成するといった方策
も実施することが必要である。更に、
- 国が出資して設立したベンチャーについても、株式の売却、公開の弾力的運用、収益の再投資等、更なる成長が可能な方策
を講じる必要がある。
(4)知的財産権の確保
バイオテクノロジーは基礎的研究と産業化が近接していることに加え、遺伝子特許に代表されるように特許による技術の独占が容易であることから、研究開発及び産業化の両面で競争力を確保していくためには、大学、国研等が中心となって創造性、汎用性の高い基礎的発明を確実に特許化し、これらの特許を更なる応用研究や事業化に役立てるためのライセンスアウトの枠組みを確立していくことが重要な課題である。
そのための環境整備として、
- バイオ分野における審査官を増員し迅速かつ的確な権利設定を行う体制を整備する他、
- 急速な技術革新に伴って生じる新分野、融合分野に即応した判断基準の提示やその国際的な調和を図る
ことにより、独創性のある発明に対して迅速かつ有効な保護が行われることが重要である。また、出願サイドに立てば、
- インセンティブの付与によるバイオ分野の弁理士の育成を図るとともに、
- 研究者に対しては価値ある発見(ブレークスルー)を発明として認識し、それを明細書で具現化する能力(知的財産インキュベーション能力)を修得させるなど、研究者の意識改革を進めること
が必要である。
(5)生物遺伝資源や研究情報の公共財としての整備
生物遺伝資源の確保は古くて新しい課題として、その重要性が益々高まっている。バイオテクノロジーの進展に対応し、
- ゲノム塩基配列情報や完全長cDNAライブラリー、SNP情報などを含めた新しい概念を基に、生物遺伝資源や研究情報を公共財として整備
することが必要である。その際、生物多様性条約の発効以降、生物遺伝資源を囲い込む傾向にある
が重要である。
(6)新規利用分野に対応した安全性及び生態系への影響評価基準の策定
バイオテクノロジーの新分野への利用を拡大するためには、人体への安全性、作物生産を始めとした生態系への影響などが確認されることが必要である。新技術の産業化や新規分野への利用拡大を円滑に進めるためには、
- 時代を先取りした安全性及び生態系への影響評価の基準を整備すること
が重要である。
戦略2. 「人々の多様な幸せへの願い」を実現する産業分野への重点化戦略(ニーズ指向型産業化戦略)
バイオテクノロジーは本格的な産業化に向けた新しい局面を迎えている。これまでは夢であった「人々の多様な幸せへの願い」をようやく実現するレベルに達しつつある。国民の支持こそが長期的発展の基盤であり、ニーズを的確に捉えた産業化への重点的な取り組みが必要である。
(1)医療及び製薬等医療関連分野の戦略
バイオテクノロジーの産業化は、まず医療及び製薬等医療関連分野においてゲノム創薬として開花しつつあり、今後は更に、個人ゲノム情報に基づき適切な患者に適切な治療を施す「テーラーメイド医療」、個人の体質をゲノム情報レベルで把握し未然に発病を防ぐ「予防医療」へと移行すると考えられる。このため、
- SNPなどの遺伝情報を民間企業が創薬研究や予防医療の研究に利用できるよう公共財として早急に整備すること
が必要である。 医薬品については、
- ゲノム情報やプロテオーム情報を新規の創薬標的分子の同定に活用
- 患者個人の遺伝子情報を基に薬剤の応答性や副作用発現リスクを予測し、病態に的確に反応する新規作用を有する独創的医薬品の開発
が重要である。 医療分野については、
- 遺伝子治療技術の研究開発、
- 組織工学等を利用した再生医療等の開発、それらの品質確保及び安全性評価の方法についての研究、
- 遺伝子組換え技術やクローン技術等を駆使した動物・植物を用いた有用物質(ワクチン等)の製造技術の開発
などの新たな分野を推進し、産業化につなげることが重要である。
また、併せて、ゲノム創薬によって創製された候補化合物を適切な臨床試験で評価するために、
- 国際基準に対応できる臨床試験のスムーズな実施のための体制を早急に整備すること
が必要である。
(2)食品・農水産業分野の戦略
バイオテクノロジーの進展により、日々の食生活を通じて健康を増進できる機能性を有する食品への期待が急速に高まっている。機能性食品の分野での日本の競争優位を確固としたものにするためには、
·新しい機能性食品の開発に関する研究を積極的に進めると共に、
- 個人の体質に合わせた栄養バランス食品、アレルゲンフリー食品等の機能性食品のメニュー開発
へと展開していかなければならない。また、それを支える技術として
- 食品の機能性を評価する手法や健康状態を非侵襲的(血液採取などを伴わない)にモニターするバイオマーカーの開発
を並行して行い、
- 食品の機能性評価の研究、健康評価の研究を充実させ、科学的基準を作成すると共に、
- 機能性食品の市場拡大のため規制緩和を進める 必要がある。
他方、農業分野では日本が世界の研究をリードしている
- イネゲノム研究を加速的に進める とともに、その成果を他の作物にも利用して、
- 農業限界環境克服作物、機能性を高めた作物、超多収作物、複合病虫害抵抗性作物、アレルゲンフリー作物の開発など
に取り組んでいくことが必要である。また、未開拓・未解明の部分が多い
も日本が率先して取り組むべき課題である。
(3)環境・工業プロセス・製品分野の戦略(グリーンバイオ革命の推進)
欧米に比較して日本の強みである酵素工学や発酵技術とゲノミックスとを組み合わせることにより、省エネルギーで環境にやさしい画期的なグリーンバイオプロセスやグリーンバイオプロダクトの開発が可能となりつつある。
- 微生物等のゲノム解析で得られた大量の遺伝子情報を利用し、目的とする物質の生産に適するように初めから遺伝子を組み合わせて微生物等にシステム化する技術(ミニマム・ゲノムファクトリーやファクトリー・オン・チップ)
などの工業プロセスの革新や付加価値の高い新製品の開発に重点的に取り組んでいかなければならない。
さらに、環境計測・環境浄化・環境保全や廃棄物処理といった環境対策技術においてバイオテクノロジーが果たすべき役割は大きい。環境対策技術は一般的に高コスト、エネルギーの更なる消費といった課題を生じやすいが、バイオテクノロジーは生態系が持つ機能を効率的に引き出すことを可能とするものであり、環境と産業・社会の調和を一層高めるものである。このため、
- 生物機能を利用した環境モニタリングや
- ライフサイクルアセスメントの基準作成、
- 微生物、植物を利用した環境汚染物質除去技術(バイオレメディエーション)、
- 有用物質を生産すると同時にCO2を固定する微生物や植物の開発
に取り組んでいくことが必要である。他方、
- 有機系廃棄物処理、特に、食品廃棄物処理や都市排水処理
におけるバイオテクノロジーの役割は大きい。既に一部実用化が進んでいるものの、更なる技術の向上が求められる。
(4)電子機器・情報解析・精密計測技術の活用戦略
バイオテクノロジーの発展の背景には測定機器や解析機器、情報処理技術の高度化がある。(1)から(3)の分野の成長の鍵を握る分野として電子情報分野の重要性は、今後とも変わることはない。例えば、DNAチップはDNAが高密度なら遺伝子機能発現に、低密度なら各種検査用に用いることができ、医薬品・医療、食品・農業、環境の全ての分野に応用できる。エレクトロニクス技術やメカトロニクス技術、情報処理技術は日本のポテンシャルの高い分野であり、バイオテクノロジーへの応用を拡大することが日本の競争力強化の観点から極めて効果的である。したがって、
- DNAチップとその解読装置の開発など新しい機器や情報処理技術の開発
が必要である。さらに、このような機器開発などを、機能解析などの研究費の中で行うことが可能な規模で研究開発投資を行うことが必要である。また、
- タンパク質情報等生物関連情報のデ−タベ−ス化とその活用技術の開発
を行うことが必要である。
戦略3.バイオテクノロジー産業の発展がもたらす利益を国民・社会が享受できる環境を整備すること
バイオテクノロジーは21世紀において「人々の多様な幸せへの願い」を実現する技術であると考えられる。しかしながら、昨今の遺伝子組換え食品に対する消費者意識に見られたように、安全性の確保に注力するだけではバイオテクノロジー産業の発展がもたらす利益を国民・社会が享受することは難しい。バイオテクノロジーという新しい技術を利用し、国民の幸せと社会の一層の発展が可能となるよう環境を整備しなければならない。
(1)安全性の確保と国民の理解の増進
バイオテクノロジーの「安全」性をより確実なものとするため、
- 人体への安全性に関する徹底した研究
- 長期的な影響も視野に入れた生態系への影響に関する研究の充実
- 食品の安全性モニタリング組織の整備
が必要である。それはまた、「安心」を中長期的に担保するための社会的システムとしても重要である。国民が安心感を高め、「バイオテクノロジーがもたらす利益」を正確に理解するためには
- 透明性を確保した科学的・客観的な情報の提供とともに
それが一方的な情報の提供となるのではなく、
していかなければならない。
(2)生命倫理に関するルールの確立
バイオテクノロジーの進展に伴い、ヒトクローン個体やヒト胚細胞等の取り扱いについては、倫理面から国内的にも国際的にも大きな課題となってきている。特に、ヒト細胞・組織を用いた研究、医療分野での利用、実用化が急速に進展してきていることから、これらの取り扱いや産業上の利用などについて、国民意識を的確に捉えたルールを確立しなければならない。
(3)プライバシーの保護に関するルールの確立
バイオテクノロジーの発展により、個人の遺伝子情報を取得・蓄積することが容易になってきており、今後、医療分野に限らず研究開発や産業活動の中で個人の遺伝子情報を取得する機会が拡大すると考えられる。このため、遺伝子情報を含む個人情報の取り扱いについて、プライバシー保護の立場から、時代を先取りしてルールを整備する必要がある。
(4)国民・社会が求めるメリットを提供することを重視した取り組み
国民や社会の理解と支持の増進を前提とした上で、バイオテクノロジーを体化した製品やサービスが、国民の利用に供されることが重要である。例えば、従来の食品と機能性を高めた食品、物理的な環境浄化と微生物や植物を用いた環境浄化など、実際に試すなどして比較考量の上で利用できる機会が提供されることが重要である。このように、国民や社会が期待するメリットを積極的に提供する仕組みや方法を検討することが必要である。
戦略4. 国全体としてバイオテクノロジーの産業化を推進する体制の構築
バイオテクノロジーは、幅広い産業に応用されることが期待されており、21世紀の産業の基盤となる技術である。欧米においては戦略的位置づけを明確化しており、国を挙げた取り組みが行われており、企業においても新しい市場の獲得に向けて激烈な競争が展開されている。今こそ、国を挙げた体制を整備し、バイオテクノロジーの産業化をめざした取り組みを質、量ともに強化しなければならない。
(1)国全体としてバイオテクノロジーの産業化を推進する体制の構築
バイオテクノロジーは幅広い産業への利用が期待されているとおり、政府においては省庁を、産業界においては業際を、学界においては学際を超えた領域である。したがって、政府、産業界、学界が一体となって、国を挙げたバイオテクノロジーの産業化のための司令塔的役割を果たす枠組みを構築することが必要である。このため、長期的な展望に立った戦略を専門的知識を総動員して継続的に検討し、着実に実行に移していく体制を整える。
(2)バイオ関連政府予算の拡充
我が国のバイオテクノロジー分野の研究開発を抜本的に強化するため、政府の研究開発投資を飛躍的に拡充し、予算を継続的に確保する必要がある。特に、独創的シーズの創出が重要であることから、基礎的な研究に対する投資を積極的に行うことが必要である。その際、
- 研究費は組織に一律配分するのではなく、明確かつ野心的な目標に向けた研究開発テーマ、独創的手法等を提案している人に着目して競争的かつ重点的に研究開発資金を配分すること
が重要である。また、併せて、多様なアイデアを活かし、投資対効果を高めるために、
- 若い優秀な研究者が良好な研究環境を得られる仕組みを作る
と共に、
- こうした研究者が流動性を高めて産学官を自由に移動できる仕組みを構築する ことが不可欠である。
(3)産学官の連携の推進
産学官の密接な協力とそれぞれの役割分担の明確化を踏まえ、学においては世界のトップをめざす独創的な研究、国立試験研究機関においては基礎的研究のみならず、遺伝子資源収集保存、安全性追求など産と学が取り組みにくい課題への積極的な取り組みが求められる。
このため、
- 国のプロジェクト研究については、テーマの企画段階から産業界で今何を研究することが求められているかという意見を反映させる仕組みを構築する
ことが必要である。また、実施段階において国の研究成果を迅速に移転するとの観点から、
- プロジェクトに関する情報提供、公募による課題選定等民間が積極的に参加できる仕組みを導入する
と共に、
- 民間が共同研究者として当初から参画する産学官共同プロジェクト研究の比重を高める
ことが必要である。 さらに、国立試験研究機関、大学についても、社会的要請への対応、国民へのアカウンタビリティに心がけるとともに、
- 企業にとって魅力のあるテーマに民間から研究費の提供を受け、研究するような透明なシステムの構築
- 企業との連携について、大学等がより主体的・組織的に対応していくような、リエゾン機能を重視した体制作り
が必要である。
(4)地域における主体的取り組み
欧米にはサイエンスパークなどのバイオ企業集積地域が数多くある。背景には州政府、郡政府自身がバイオ企業誘致に熱心であり、大学との連携の元にきめ細かいバイオ企業支援を行っていることがある。日本でも、千葉県の「かずさDNA研究所」を中心とした「かずさアカデミアパーク」の例があるが、概して自治体の対応は後れている。欧米の自治体のバイオ企業支援の特徴は、充実したソフト面の支援である。地域内の大学のバイオ研究者や経済開発公社等が密接な連携を取り、バイオビジネス創業活動支援体制を構築している。我が国の自治体も、大学、ベンチャー財団、バイオ関連公設研究所などの支援ツールを自らオーガナイズし、「バイオ企業総合支援体制」を構築しバイオ集積地域作りに主体的に取り組むことが求められる。
| 【注1】 |
本戦略で述べる「バイオテクノロジー」は、分子生物学、遺伝学、微生物学、生物情報科学(バイオインフォマティクス)などバイオサイエンスを基盤とした、組換えDNA技術、細胞融合技術、細胞培養技術、バイオプロセス技術などのモダンバイオテクノロジーを指し、「バイオテクノロジー産業」とは、このバイオテクノロジーを使った産業を指す。
|
| 【注2】 |
「テーラーメイド医療」とは、平成11年10月19日内閣総理大臣決定「ミレニアム・プロジェクト(新しい千年紀プロジェクト)の基本的な枠組みと構築方針について」の用語である「オーダーメイド医療」と同義である。 |
(参考資料)
| 項目 |
日本 |
米国 |
欧州 |
市場
(全体)
(成長率)
(分野別)
(特 徴)
大手企業
ベンチャー企業
雇用者
日本における出願人の国籍別特許取得の状況(99年)
弁理士(97年)
知的基盤
(DNA配列決定 量)
(代表的微生物保存機関保有株数)
(植物)
学位取得者
(生物学)(96年)
ライフサイエンス研究者数
生命科学への 投資(98年)
大学での政府負担研究費のライフサ
イエンス比率 |
周辺分野を含め11,795億円
バイオ商品9,444億円
(98年)
16%(97〜98年)
医薬品 :39.1%
化 学 :27.4%
農林水産:19.8%
診断薬 : 8.7%
食 品 : 4.6%
その他 : 0.4%
○遺伝子操作利用が全体の 8割以上で増加傾向
○農産物は全て輸入
260社
60社
3万人*1)
(全技術分野) 87
(バイオ分野) 36
4,030
世界の1割
約16,000株
約21万点
(学士)1,875
(修士) 794
(博士) 192
129,452*2)
(政府) 約5,000億円
(政府負担率)約35%
40%台(科研費)
|
バイオ商品120億ドル(97年)
134億ドル(98年)
19%(96〜97年)
医療(治療) :74.8%
医療(診断) :17.4%
化 学 : 2.8%
農 業 : 2.7%
医療以外の診断: 2.2%
*農業は最終生産物ではない
○医療の比率が極めて高い
800社
1,300社
15万人
(全技術分野) 6
(バイオ分野) 42
19,404
世界の6割
約105,000株
約55万点
(学士)62,081
(修士) 6,286
(博士) 5,723
305,300*2)
(政府)約2兆円(18,000M$)
(政府負担率)約50%
58%
|
バイオ商品50〜70億ECU(生産)
45〜55億ECU(販売)
255〜275億ECU(2次効果)
(95年)
17%(95〜96年)
ヘルスケア :64.7%
食品、飲料、香料:13.4%
農 業 : 7.3%
化 学 : 7.3%
環 境 : 7.3%
*以上は生産と販売のみ
○食品添加物、酵素の市場が日米よ り大きい
○間接効果は食品が最も大
540社
700社
2.8万人
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出典: (日経バイオ年鑑99、三菱総合研究所バイオテクノロジーの研究開発・産業化技術等に関する調査研究、21世紀のバイオ産業立国懇談会報告書1998、JBA調査、1997-98BIO‘s
Guide to Biotechnology、EUの産業競争力レポート、特許庁:特許からみたバイオテクノロジー産業の現状と課題 1999/8、経済構造の変革と創造のための行動計画:バイオテクノロジー関連分野、NSF;
Science and Engineering Degrees 1966-96, The Monbusho Survey of Education
1996、総務庁:平成10年度科学技術研究調査、NSF; Science and Engineering Indicators 1998、NSF/SRS,
Survey of Research and Expenditures at Universities and Colleges, Fiscal Year
1997,文部省資料、より)
*1) JBAのアンケート調査で、バイオテクノロジー産業の定義に係わる従業員数を合計したもの
*2) 日米で研究者の定義が異なり、日本の数字に含まれる「博士号を有しない民営研究所の研究者、博士課程の学生、及び医局員」が米国の数字には含まれない。
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