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研究奨励バイオインダストリー大賞更新日:2017年7月21日

【ニュースリリース】第1回バイオインダストリー大賞受賞者決定!

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一般財団法人バイオインダストリー協会


第1回「バイオインダストリー大賞」受賞者決定!


(一財)バイオインダストリー協会(会長:清水 昌)は、本庶 佑 京都大学 高等研究院 特別教授を、第1回「バイオインダストリー大賞」受賞者に決定しました。

「バイオインダストリー大賞」は、2017年、(一財)バイオインダストリー協会が30周年を迎えるのを機に、次の30年を見据えて “最先端の研究が世界を創る―バイオテクノロジーの新時代―”をスローガンに、新たにスタートしたものです。バイオインダストリーの発展に大きく貢献した、または、今後の発展に大きく貢献すると期待される顕著な業績を表彰します。

(国研)科学技術振興機構顧問・相澤益男氏を選考委員長とする13名の選考委員からなる選考委員会は、28件の応募の中から厳正な審査を経て、受賞者1名を決定しました。受賞者には副賞300万円が授与されます。

なお、贈呈式・受賞記念講演会は来たる10月11日(水)、国際的なバイオイベント“BioJapan2017”の会場(パシフィコ横浜)にて行われます。詳細につきましては、追ってご案内いたします。


< 受 賞 者 >

本庶 佑(ほんじょ たすく) 氏  75 歳  京都大学 高等研究院 特別教授

受賞業績  「PD−1阻害によるがん免疫治療法の開発」

本庶 佑氏は、がん免疫機構に関わる分子“PD-1”を発見するとともに、その機能が免疫のブレーキ役であることを解明。さらに、PD-1阻害に基づくがん免疫治療薬の可能性を実証しつつ、小野薬品とBMSによる抗PD-1抗体「オプジーボ(ニボルマブ)」の開発を先導した。2014年には、悪性黒色腫治療薬として認可され、販売が開始された。「オプジーボ」の昨年度の売上高は1,000億円を超えており、メルク社もこの発明に基づいてケトルーダを製品化した。がん免疫療法全体の医薬品市場は、数兆円規模に拡大すると推測されている。
 
がん免疫治療法は、従来の手術療法、化学療法、放射線療法に次ぐ画期的な第4の治療法として確立されつつある。本庶 佑氏は、基礎研究のブレークスルーを、がん治療薬のイノベーション創出につなぎ、世界的ながん治療法に新たな道を拓いた。その業績は、国内外のバイオインダストリーの発展に大きく寄与するものであり、本庶 佑氏は、バイオインダストリー大賞にもっとも相応しいと高く評価した。


受賞業績とプロファイル

< バイオインダストリー大賞受賞者 略歴、受賞理由 >

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受賞者   本庶 佑(ほんじょ たすく) 氏 京都大学 高等研究院 特別教授

◆略歴

1966年 京都大学 医学部 卒業
1971年 カーネギー研究所 客員研究員  
1973年 米国国立衛生研究所 客員研究員 
1974年 東京大学 医学部 助手
1975年 京都大学 医学博士
1979年 大阪大学 医学部 教授
1984年 京都大学 医学部 教授
2012年 静岡県公立大学法人 理事長
2015年 公益財団法人先端医療振興財団 理事長
2017年 京都大学 高等研究院 特別教授


◆主な受賞・栄誉

1985年 エルウィン・フォン・ベルツ賞
1996年 恩賜賞・日本学士院賞
2012年 ロベルト・コッホ賞
2013年 文化勲章
2014年 ウィリアム・コーリー賞(米国がん研究所)、唐奨(Tang Prize)
2015年 リチャード・Vスモリー賞(米国がん免疫学会)
2016年 京都賞、慶應医学賞


◆受賞業績と受賞理由

本庶 佑氏は、1992年、T細胞の細胞死誘導時に発現増強される分子として、PD-1(Programmed cell death- l)を発見し、1999年、PD-1の機能が免疫のブレーキ役であることを解明。「免疫チェックポイント」という新概念を樹立した。

2000年には、京大と米国Genetics Institute等との共同研究で、PD-1に特異的に結合するリガンドとして、PD-L1とPD-L2を発見。さらに、抗PD-1抗体投与により、マウスの抗がん能力が著しく高まることを見出し、PD-1阻害によるがん治療薬の可能性を確信するに至った。

その後、さまざまな過程を経て、小野薬品工業と共同研究を開始。小野薬品工業は、米メダレックス社と2005年に提携し、2006年には抗PD-1抗体「オプジーボ」(一般名:ニボルマブ)を創製した。2009年にブリストル・マイヤーズスクイブ(BMS)がメダレックス社を買収したため、ニボルマブの米国の権利はBMSに移転した。小野薬品工業とBMSが連携することにより、医薬品開発が著しく進み、2006年、米国における治験が開始された。海外と日本で、非小細胞肺がん、大腸がん、腎細胞がんなどの固形がん、悪性黒色腫を対象に臨床試験が実施され、いずれも有効性が立証された。

2014年、抗PD-1抗体「オプジーボ」は、悪性黒色腫治療薬として認可され、販売が始まった。現在では非小細胞肺がん、腎細胞がん、ホジキンリンパ腫、および頭頸部がんでも適応承認を受け、別の免疫チェックポイント阻害薬である抗CTLA-4抗体(一般名イピリムマブ)との併用療法での臨床治験も進んでいる。PD-1抗体治療単独の奏功率は20-30%、がん腫によっては併用治療で奏功率は50-60%と劇的に向上した。「オプジーボ」の平成28年度の国内の売り上げは1,000億円を超えており、今後さらに大きく拡大するという推測もある。

このように、本庶 佑氏は、免疫学の基礎研究におけるブレークスルーを創出し、がん免疫機構を制御する画期的ながん免疫治療薬のイノベーション創出に、多大な貢献を遂げた。その業績は、国内外のバイオインダストリーの発展に大きく寄与するものであると高く評価され、第1回バイオインダストリー大賞を贈呈するに至った。



大賞選考委員会(五十音順 敬称略)

(委員長) 
相澤 益男   (国研)科学技術振興機構 顧問、東京工業大学 元学長 

(委員)
加賀 邦明   株式会社地球快適化インスティテュート 代表取締役社長
熊谷 英彦   石川県立大学 学長
五條堀 孝   アブドラ国王科学技術大学 教授
高橋 里美   京都大学大学院農学研究科 客員教授
永井 和夫   中部大学生物機能開発研究所 客員教授
西山 徹      認定NPO法人バイオ未来キッズ 理事長
松田 譲      (公財)加藤記念バイオサイエンス振興財団 理事長
松永 是      東京農工大学 特別招聘教授、前学長
宮田 満      株式会社日経BP 特命編集委員
室伏 きみ子    お茶の水女子大学 学長
山崎 達美   中外製薬株式会社 特別顧問
米原 徹      東レ株式会社 専任理事



【バイオインダストリー協会について】

1942年設立の酒精協会を前身とし、発酵工業協会を経て1987年、財団法人バイオインダストリー協会と改称、2011年に一般財団法人に移行した。バイオインダストリー分野の研究開発と産業発展を、産・学・官による連携によって、総合的に推進する日本唯一の組織である。バイオインダストリーに関する科学技術の進歩を通じて、バイオインダストリーおよび関連産業の発展を図り、人々の生活の質の向上に寄与するために、先端技術開発から産業化に至るまでのさまざまな場面で社会に貢献している。企業会員233社、公共会員116組織、個人会員620人から構成。(2017年4月現在)


【本発表資料についてのお問い合わせ先】
(一財)バイオインダストリー協会  広報部 
電話:03-5541-2731  FAX:03-5541-2737
E-mail: jbaaward@jba.or.jp (@を半角にしてください)



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