セミナーイベント報告

先端バイオ技術情報提供”未来へのバイオ技術”勉強会 更新日:2017年7月12日

"未来へのバイオ技術" 勉強会「バイオ素材百花繚乱11~強く、やさしく、美しく」

開催日時 2017年5月25日(木)
14:00~17:00
終了後、交流会あり
会場 (一財)バイオインダストリー協会
参加人数 48名
主催 (一財)バイオインダストリー協会
協力・協賛 (公社)日本生物工学会、(公社)日本農芸化学会

「伝統工芸の漆器が持つ美しい漆黒(漆ブラック)を実現したバイオプラスチック」

位地 正年 氏(日本電気(株) IoTデバイス研究所 主席研究員)

2つの高機能なセルロース系バイオプラスチックについて紹介があった。
「非食用植物原料のバイオプラスチック」として、農業副産物のカシューナッツ殻に由来する油状成分(ガルダノール)を含有するセルロース樹脂は、熱可塑性、耐熱性、耐水性に優れ、電子機器などの耐久製品へ利用が期待できる。また、従来の製造プロセスから、製造エネルギー(CO2排出量)を約1/10に低減する製造プロセスについても説明された。
“装飾性・デザイン性”という新たな価値が付加された「漆ブラック・バイオプラスチック」は、漆工芸作家が制作した最高レベルの漆器モデルを解析し、セルロース樹脂と着色用添加剤との複合化技術の開発することにより、漆ブラックと同等の光学特性(低明度や高光沢度)を実現した。加えて、通常のプラスチックのように金型射出成型が可能とのことであった。

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「世界最高強度の透明樹脂」

金子 達雄 氏(北陸先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 環境・エネルギー領域 教授)

世界最高強度のポリアミド系透明樹脂について紹介された。透明樹脂の代表であるポリカーボネートと同等の透明度を示しながら、同樹脂の6倍、ガラスをも超える力学強度を有することから、フレキシブルディスプレイや自動車部品などのガラス代替材料としての利用が期待できる。原料の4-アミノ桂皮酸は天然には微量にしか存在しないが、遺伝子組換え大腸菌を用いることにより糖から大量に生産する技術が開発されている(筑波大学/生命環境系 高谷直樹教授)。発酵生産コストもリーズナブルなものが見込まれているとのこと。4-アミノ桂皮酸の光二量化により、ジアミンとジカルボン酸の両ポリマー原料が誘導できる。

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「高分子多糖類の特徴を活かした新しいバイオプラスチック」

岩田 忠久 氏(東京大学大学院 農学生命科学研究科 生物材料科学専攻 教授)

高分子多糖類の特徴を活かした新規なバイオマスプラスチックを5つ紹介いただいた。キシラン、カードラン、グルコマンナン、プルラン、α-1,3-グルカンを原料として合成されたプラスチックは、透明性、耐熱性、耐衝撃性、熱可塑性、光学特性など、様々な優れた特徴を有する。非天然型多糖である α-1,3-グルカンは、虫歯菌に由来する酵素を用いて、砂糖から水系・ワンポットで合成される。生成されるポリマーは水に不溶なため回収に掛るコスト(環境負荷)は極めて小さい。
次世代の環境に優しいバイオプラスチックを創製するためには、自然界に存在する複雑であいまいな構造を持つ材料を上手く活用するといった農学的なものの考え方と、合理的にゼロから目的のモノを作り出していく工学的な研究の手法を組み合わせる、「農工学」的な考え方で物事を進めることが肝要である。

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担当:村瀬、矢田

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