セミナーイベント報告

先端バイオ技術情報提供”未来へのバイオ技術”勉強会 更新日:2017年10月 4日

"未来へのバイオ技術" 勉強会「微生物探索の最新技術動向~先導探索技術開発とバイオ界面活性剤スクリーニング」

開催日時 2017年9月 5日(火)
14:00~15:55
終了後、交流会あり
会場 (一財)バイオインダストリー協会
参加人数 63名
主催 (一財)バイオインダストリー協会
協力・協賛 (公社)日本農芸化学会、(公社)日本生物工学会
備考

「微生物探索の重要性とプロジェクト検討」

本山 裕章((一財)バイオインダストリー協会 広報部、先端技術・開発部 部長)

自然界からの微生物探索は、新規化合物や新規生合成遺伝子を取得する上で重要であり、日本が大きな実績を上げてきた分野である。しかしながら探索効率が悪いことから、近年日本での研究開発は下火である。最近、効率よく微生物探索を行うデバイスが報告され、また複合微生物系を解析して物質生産に応用する研究も行われてきており、微生物探索研究を考え直す時期に来ている。こうした状況を背景に、JBAでは2年間から微生物探索に関するクローズドの勉強会活動を行って、日本が検討すべき技術開発やプロジェクトについて議論してきた。講演に先立って、これまで行ってきた勉強会活動、構築したプロジェクト案をJBAから紹介した。
 

「微生物探索における先導技術開発~微小反応場を利用したMassive Cultivation Platform (MCP)の開発」

野田 尚宏 氏((国研)産業技術総合研究所 バイオメディカル研究部門 バイオアナリティカル研究グループ 研究グループ長)

微生物スクリーニングの効率を上げるため、ハイスループットスクリーニング技術を確立することは、重要な課題のひとつである。演者らは、water in oil(w/o)エマルジョンを用いたスクリーニング系の検討を行っている。ドロップレット作成装置を用いて、30分以内に数十μmのドロップレットを100万個作成することができ、ドロップレットに大腸菌を90日間安定に保持することに成功した。演者らは、土壌スクリーニングへの適用も始めている。(w/o)エマルジョンを用いたスクリーニングの利点は、ハイスループット性が高く、代謝産物をドロップレットに蓄積できるということであるが、洗浄操作ができないこと、運動性の高い細菌や糸状菌はドロップレットをこわしてしまうこと、レプリカが困難であるということを欠点として指摘した。
 

「微生物のスクリーニングと産業利用への展開~バイオ界面活性剤の開発」

森田 友岳 氏((国研)産業技術総合研究所 機能化学研究部門 バイオケミカルグループ グループ長)

界面活性剤は化学技術のキーマテリアルであり、種々の用途で幅広く利用されている。現在、殆どの界面活性剤は石油から合成されているが、環境問題に対する意識の高まりから微生物が生産する天然のバイオ界面活性剤(BS)に注目が高まっている。これまでに約20種類のBSが報告されている。BSの1種であるマンノシルエリスリトールリピッド(MEL)は、優れた界面活性特性を有しており、また培養で高い生産性を得ることができるため、工業的に有望な化合物である。演者らは、自然界から微生物スクリーニングを行い、様々の構造のMELを取得した。得られたMEL生産株の多くはPseudozyma属酵母であった。演者らは、MELの用途検討を行って、化粧品素材、液晶材料、先端医療素材としての可能性を見出しており、化粧品素材用途ではすでに実用化されたことを紹介した。

担当:本山

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