「バイオサイエンスとインダストリー」バックナンバー 目次と抄録

2012年 VOL.70 NO.3 

巻頭言 魅力あふれる微生物 —放線菌—  高橋洋子
目で見るバイオ 遺伝子発現制御技術によるシクラメン花形の改良  寺川輝彦・杉山正夫
キーワード:シクラメン、AGAMOUS、TCP、キメラリプレッサー 
総  説 シクラメンのバイオテクノロジー開発と品種改良への展開  寺川輝彦
Development of biotechnologies for Cyclamen and their application for the breeding
シクラメンは花鉢生産の上位を占める園芸植物で、品種のバラエティー化や安定した種苗生産技術が求められている。組織培養や遺伝子組換えなどの植物バイオテクノロジーの開発は、形質の揃った種苗の量産や従来の育種法では不可能であった新たな花色や花形を持った植物の作出を可能にする。本稿では、シクラメンのバイオテクノロジーに関して、不定胚および不定芽による培養苗の商業生産と、今までにない青色系花色シクラメンや遺伝子組換えによる花弁数が増えた多弁咲きシクラメンなどの新品種開発への応用と有効活用について紹介する。
キーワード:不定胚、不定芽、細胞変異、遺伝子組換え、CRES-T法
解  説 栄養条件は皮膚機能を制御する  大石祐一
Dietary protein and fat as regulators of the syntheses of collagen, hyaluronan, and ceramide in skin
皮膚は、体内の水分蒸散抑制や外界からの体内防御を行う大きな組織である。皮膚にはコラーゲン、ヒアルロン酸、セラミドなどが存在する。筆者らは、栄養が皮膚にどのような影響を与えるのかについて検討した。摂食するタンパク質のアミノ酸バランスの悪化は、コラーゲン、ヒアルロン酸量を速やかに減少させた。また、高脂肪食摂食は、アディポネクチンなどの減少を介して、コラーゲン、ヒアルロン酸に加えて、セラミドを減少させた。
キーワード:コラーゲン、ヒアルロン酸、セラミド、タンパク質栄養、高脂肪摂食
組換え酵母を用いた植物由来有用トリテルペノイドの生産  關 光・村中俊哉
Towards the production of plant triterpenoids of economical value using engineered yeasts
近年、高等植物が生産する医薬成分の生合成経路を微生物内に再構築し、有用物質を生産させる試みが注目されている。本稿では、組換え酵母を用いた植物トリテルペノイドの生産に向けた筆者らの研究について紹介する。
キーワード:オレアノール酸、組換え酵母、グルチルレチン酸、シトクロムP450、トリテルペノイド
プラスチドにおけるタンパク質輸送複合体の最近の知見と今後  井上仁志
The role of multiple protein import machineries in plastid biogenesis and function
プラスチドのタンパク質は機能と発現量の違いによりプラスチド外包膜透過の際のタンパク質輸送複合体を使い分けていることが明らかとなってきた。本項ではプラスチドへのタンパク質輸送の最新の知見と今後の展望について解説する。
キーワード:不定胚、不定芽、細胞変異、遺伝子組換え、CRES-T法
タンパク質の翻訳後修飾としてのチロシン硫酸化  水光正仁・榊原陽一
Post-translational modification by tyrosine sulfation, its functions and applications
ゲノムプロジェクトの結果より、ヒトの遺伝子の数は2万前後と、当初予想されていた10万個以上から比べると極めて少ないものであった。そこで、ヒトをはじめとした生物は、翻訳後修飾などにより少ない遺伝子からより多くの多様な機能を持ったタンパク質を生合成していると考えられている。このような観点から、タンパク質チロシン硫酸化も、タンパク質の生理機能調節や多様化に関与していることが考えられる。ここでは、翻訳後修飾としてのチロシン硫酸化に関して、過去から最近の研究を紹介したい。
キーワード:無機硫酸、活性硫酸、硫酸転移酵素、翻訳後修飾、チロシン硫酸化
トピックス ゲノム科学に基づくコウジ酸生合成遺伝子の解明  小池英明・町田雅之
Identification of the genes involved in kojic acid biosynthesis based on genome science
キーワード:ゲノム科学、コウジ酸、麹菌、二次代謝、情報科学
トルラ酵母Candida utilisによるキシロースからのL-乳酸生産 玉川英幸
Efficient production of L-lactic acid from xylose by metabolically engineered Candida utilis
キーワード:Candida utilis、キシロース、乳酸、補酵素バランス
高温において翻訳活性化作用を持つ分岐鎖ポリアミン  秀瀬涼太・藤原伸介
A branched polyamine conferring the translational activation effect at high temperatures
キーワード:無細胞タンパク質合成系、分岐鎖ポリアミン、耐熱性タンパク質、Thermococcus kodakarensis
大腸菌を用いた植物アルカロイドの発酵生産  中川 明・南 博道
A bacterial platform for fermentative production of plant alkaloids
キーワード:植物アルカロイド、発酵生産、大腸菌、レチクリン、生合成工学
イネの新規カドミウム輸送体の発見と低カドミウム品種確立への展望 浦口晋平・藤原 徹
Identification of a novel cadmium transporter gene in rice and perspectives for establishing “low-cadmium” rice cultivars
キーワード:イネ、カドミウム、輸送体、発現制御、低カドミウム品種
バイオの窓 沖縄とバイオ、泡盛を飲みながら 外山博英
産業と行政 農業は変わることができるのか?6次産業化支援の現場から 下田佳男
国際動向 マレーシアにおけるバイオマス残渣利用動向 上村芳三
JBAニュース バイオエンジニアリング研究会講演会 ワクチン製造に関する最新のバイオエンジニアリング 佐久間英雄
2011年度 発酵と代謝研究会講演会「酵母で拓く復興への道」 大西康夫
JBAアルコール・バイオマス研究会「バイオマス研究が日本を元気にする ~キーワードは「糖化技術」とサステイナブルエネルギー~」
バイオカレンダー
会員の動き
人事異動
次号予告
編集後記

 

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