「バイオサイエンスとインダストリー」バックナンバー 目次と抄録

2013年 VOL.71 NO.2

 

巻頭言 バイオ産業を発展させたい 荒蒔康一郎
総  説 ≪バイオインダストリー協会賞受賞論文≫
微生物代謝の分子機構と物質生産への機能開発
小林達彦
  Molecular mechanisms underlying microbial metabolism and the development of their functions for the industrial production
 農芸化学の応用微生物学は、あたかも縄文と弥生の藝に通ずる分野であるとつくづく思う。新規な微生物・酵素をハンティングする狩猟民族的なところと、取得した微生物をいかにカルチャーして「モノ」にまでもっていくか、いわば農耕民族的なところがある。培地組成や通気量なり培養条件をいろいろ変え、時には工夫を凝らしながら微生物を育てていかないと、本来それが持っている能力を十分に引き出せない。資源に乏しいと言われる我が国において、自然界から新規な資源、微生物や酵素、遺伝子を探索するとともに、微生物そのものが持つ新しい生命現象や多様な潜在能力を発見し、物質生産や環境浄化等に活かしていくことは重要である。
  キーワード:発現系、スクリーニング、微生物代謝、StreptomycesRhodococcus
種子貯蔵タンパク質を利用したバイオ医薬品の生産  丸山伸之・石本政男・長谷川久和
  Production of biomedicine in crops by utilization of seed storage protein
 植物を利用したバイオ医薬品の生産方法がコストや安全性の面から注目されている。特に、植物の可食部を利用した生産方法は経口投与が可能であるという利点も持つ。本稿では、筆者らが取り組んできた、種子に豊富に蓄積する貯蔵タンパク質の立体構造や細胞内局在性の知見を利用した、作物の種子によるバイオ医薬品の生産方法について概説したい。
  キーワード:種子貯蔵タンパク質、立体構造、細胞内局在、バイオ医薬品、植物工場
有毒物質ミクロシスチンの微生物分解と浄水処理法への応用  清水和哉・杉浦則夫
  Microbial degradation pathway of toxic microcystin and its application for drinking water production
 ミクロシスチンは藍藻類が産生する有毒物質であり、人畜の死亡例も報告されている。産業経済の発達と温暖化の影響により、世界各国の水環境中で有毒物質を産生する藍藻類の異常発生が頻発し、発生水域が拡大し続けている。安全・安心な飲料水と用水の確保のために藍藻類とミクロシスチンの除去は焦眉の課題となっている。本稿では、ミクロシスチンの微生物分解と浄水処理法への応用に関して動向を紹介する。
  キーワード:藍藻類、藍藻類産生有毒物質、生物学的浄水処理法、ミクロシスチン分解菌、ミクロシスチン
解  説 藻類レクチンの機能性物質としての可能性  堀 貫治
  Potential of algal lectins as functional materials
 藻類レクチンは特定の糖鎖構造を高選択的に高親和性を持って認識する。分子構造の安定性も持ち合わせており、糖鎖を標的とする生化学素材、医薬素材、健康食品素材としての活用が期待される。
  キーワード:レクチン、藻類、糖鎖認識能、分子構造、生物活性
乳酸菌における不飽和脂肪酸の飽和化反応に関わる新規酵素群の機能解析  岸野重信・小川 順
  Functional analysis of novel enzymes involved in the saturation reaction of unsaturated fatty acids in lactic acid bacteria
 嫌気性細菌に特異な不飽和脂肪酸の飽和化反応は、不飽和脂肪酸の解毒代謝として知られていたが詳細は不明であった。本稿では、乳酸菌における不飽和脂肪酸の飽和化反応に関わる酵素群と、その代謝経路について紹介する。
  キーワード:共役脂肪酸、水酸化脂肪酸、オキソ脂肪酸、非メチレン型不飽和脂肪酸、機能性脂肪酸
細菌のクオラムセンシング機構:アシルホモセリンラクトンレセプター研究の新展開  老沼研一
  Quorum sensing in bacteria: Recent advances in research on acyl-homoserine lactone receptors
 細菌のクオラムセンシング(QS)機構は、感染症治療薬のターゲットとして注目されている。本稿では、グラム陰性細菌のQS で中心的働きを担うアシルホモセリンラクトンレセプターの動作機構に関し、最新の研究成果を解説する。
  キーワード:クオラムセンシング、アシルホモセリンラクトン、レセプター、緑膿菌、感染症
清酒のおいしさと酔いに影響を与える成分  伊豆英恵
  Ingredients of Sake which affect the preference and drunkenness
 清酒醸造では米を原料として麹菌と酵母によって多種多様な物質が産生され、これらが清酒を特徴付ける香味を形成する。本稿では、前半で清酒成分とおいしさ、後半で清酒成分と酔いとの関係について紹介する。
  キーワード:清酒、おいしさ、酔い、成分
好熱性真正細菌におけるtRNA 硫黄修飾塩基とユビキチン類似翻訳後修飾 鴫 直樹
  Post-transcriptional modification of tRNA and post-translational modification of proteins in thermophilic bacteria
 tRNA は、転写後に多種の化学修飾を受け成熟し、機能を発揮する。本稿では、好熱性真正細菌における硫黄修飾塩基の機能および生合成機構の解析と、そこから発見した新規ユビキチン類似翻訳後修飾について解説する。
  キーワード:tRNA、ユビキチン、転写後修飾、翻訳後修飾、硫黄
トピックス L-グルコース代謝機構の発見  中村 顕
  Discovery of an L-glucose catabolic pathway
  キーワード:L-グルコース代謝、ホモキラリティー、Paracoccus
メタボローム解析に基づくチーズ品質評価技術の開発  越智 浩・福崎英一郎
  Development of cheese quality evaluation technology based on metabolome analysis
  キーワード:チーズ、メタボローム解析、GC/MS、GC/FID、PLS
加圧熱水分解セルロースに含まれるグリコールアルデヒドに耐性を持つ酵母の育種  北垣浩志・Lahiru N.Jayakody・林 信行
  Breeding of a yeast strain resistant to hot-compressed water-treated lignocellulose by detoxifi cation of a fermentation inhibitor, glycolaldehyde
  キーワード:グリコールアルデヒド、バイオエタノール、酵母、育種、リグノセルロース
バイオの窓 難しい進路選択、だけど正解はない? 加藤 晃
シリーズ:バイオが貢献して拓く未来社会 ④ 進化を続ける抗体医薬 角田浩行・服部有宏
産業と行政 「臨床研究・治験活性化5 か年計画2012」の策定と厚生労働省の取り組み 山田雅信
平成24年度 地域新成長産業創出促進事業 課題解決セミナー「バイオベンチャー投資の新展開」 山崎清一
幹細胞技術の標準化と産業化 ― part-3― 堀 友繁
国際動向 生物多様性条約第11 回締約国会議(COP11)~名古屋議定書を巡る最近の国内外の動向~ 井上 歩
BIO-Europe 2012 およびMEDICA に参加して 田中裕教
JBAニュース BioJapan2012 JBA 三賞合同授与・発表
平成25 年 バイオ関連団体合同賀詞交歓会
2011 年度 知的財産委員会活動報告 食品の用途発明保護について-中国での食品の用途発明について-
書 評 GMP準拠 細胞処理施設の基本 大政健史
会 告 2013 年度 バイオインダストリー協会賞 候補者募集
2013 年度 発酵と代謝研究奨励金(発酵と代謝研究奨励賞)候補者募集
2013 年度 化学素材研究開発振興財団記念基金「グラント」研究奨励金(化学・生物素材研究開発奨励賞)候補者募集
バイオカレンダー  
次号予告   
編集後記   

 

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