「バイオサイエンスとインダストリー」バックナンバー 目次と抄録

2013年 VOL.71 NO.3

     

巻頭言 地球上からのポリオ根絶計画 野本明男
総  説 カルシウム感知受容体(CaSR)アゴニストとして発見された「コク味」物質による風味の修飾 幸田 徹
  Modification of flavor by the Kokumi substances discovered as calcium-sensing recepto(CaSR)agonists
 味細胞に発現するカルシウム感知受容体(CaSR)のアゴニストを探索し、共通の化学構造を持つ複数のペプチドが見いだされた。これらは食品中に添加されたときに「コク味」と呼ばれる風味修飾機能を持ち、基本味の増強だけでなく味の広がりなど特有の口腔感覚を与え、食品のおいしさに寄与することが示された。味に関わる新しい物質・機能の発見は、食品業界でも活用され、食資源や環境、健康、食文化など食の未来に貢献することが期待される。
  キーワード:コク味、CaSR、受容体、Flavor modifier、風味修飾
解  説 登熟種子の金属蓄積に果たすリン貯蔵物質フィチン酸の役割  吉田 薫
  The role of the storage compound of phosphorus, phytic acid, in metal accumulation during plant seed development
 リン貯蔵物質であるフィチン酸は、金属イオンと結合することで金属の貯蔵物質としての役割も担う。本稿では、植物種子におけるフィチン酸と金属の関係について解説し、生体分子としてのフィチン酸の役割について考察する。
  キーワード:フィチン酸、金属、種子貯蔵物質、蛍光X線解析、イネ
植物N型糖鎖の分解とその生理的意義  石水 毅
  Degradation of plant N -glycans and its biological roles
 タンパク質に結合するN 型糖鎖の分解は、液胞やリソソームで行われ、複数の酵素が関わる。筆者は植物N 型糖鎖に特異的に作用する液胞酵素を発見し、植物特有のN 型糖鎖分解経路があることを見いだした。本稿では、その解説を行うと共に、その生理的意義など未解明課題を議論する。
  キーワード:植物、糖鎖、N 型糖鎖、糖タンパク質、糖質分解酵素
有機物から無機肥料を作る:並行複式無機化法とその土壌創出技術への応用  篠原 信
  Nitrate fermentation; the foundation that has supported our lives
 土壌中で自然進行する硝酸発酵は、陸上植物の生育に不可欠であり、食料生産の基盤でもあるが、人工的に再現する技術はなかった。本稿では人工的硝酸発酵の技術を紹介し、それから派生する技術的可能性について論ずる。
  キーワード:硝酸発酵、硝酸化成、並行複式無機化法、土壌化、有機質肥料活用型養液栽培
細胞分裂の仕組みに迫る-染色体分離の鍵酵素separaseの活性の可視化と作用機序の解明-  進藤軌久・広田 亨
  Mechanism of cell division−visualizing the activity of separase and deciphering its regulation−
 染色体分離のキー酵素として知られているseparase のバイオセンサーを開発し、その酵素活性の可視化に成功した。本稿では、それによって得られた知見を中心に染色体分離機構について解説する。
  キーワード:染色体分離、separase、バイオセンサー、染色体不安定性
トピックス 植物の乾燥ストレス耐性に関わるK+チャネルの制御機構  浜本 晋・七谷 圭・魚住信之
  K+channel confers tolerance to drought stress in plants
  キーワード:K+チャネル、乾燥ストレス耐性、植物、リン酸化、生体膜輸送
微生物の電気共生:微生物と鉱物からなる送電網  加藤創一郎
  Electric syntrophy: Transmission network made of microbes and minerals
  キーワード:微生物、共生、電子伝達、導電性酸化鉄、メタン発酵
バイオの窓 日本のための科学 富永大介
シリーズ:バイオが貢献して拓く未来社会 ⑤ なぜ植物工場なのか ―その背景、現状および社会的役割― 古在豊樹
産業と行政 「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」における文部科学省の取り組み 彦惣俊吾
平成25年度 各省バイテク関連予算案
シリーズ:新植物育種技術(NBT)
まえがき 不藤亮介
① 新植物育種技術の研究・開発動向 鎌田 博
② 植物における新ゲノム改変技術の開発と応用 雑賀啓明・土岐精一
アミノ酸発酵技術の系統化調査 中森 茂
JBAニュース 首都圏バイオネットワーク 平成24年度第1回 産学連携セミナー「難治性疾患の治療法と新薬開発の最前線」
アルコール・バイオマス研究会見学会「産総研内JBAつくば研究室見学および加速的先導技術PJの糖化と発酵に関する講演会」 池 正和
アルコール・バイオマス研究会講演会「日本の糖化酵素は世界に負けていない」
"未来へのバイオ技術"勉強会「ヒトiPS臨床応用のカギを握る動物実験系~iPS細胞に関わる霊長類マーモセットからヒト疾患モデルマウスまで〜」 阪田洋子
AUTM Asia 2013 Kyoto 参加報告
書 評 生命システム工学 進化分子工学から進化生命工学へ 河原正浩
幹細胞技術の標準化 ―再生医療への期待― 大政健史
JBA人事異動  
2013年度トピックス委員 
会員の動き  
次号予告   
編集後記   

 

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