「バイオサイエンスとインダストリー」バックナンバー 目次と抄録

2013年 VOL.71 NO.4

     

巻頭言 「社会に役立つ」微生物 バイオリソースセンターとは 中川純一
総  説 “電子の流れ”で代謝を読み解く Hydrogenobacter thermophilusの新規peroxidaseの発見 佐藤由也・新井博之・石井正治
  Deciphering the metabolism through “electron flow” Discovery of a new peroxidase in Hydrogenobacter thermophilus
 生物がエネルギーの共通貨幣(ATP)を生成するためには、電子の方向性を持った流れ(電子伝達)を精確に生じさせることが重要である。酸素呼吸はATP生成効率のよい経路であるが、酸素を電子受容体として用いることは、活性酸素種を生成する危険性と隣り合わせとなっている。嫌気的代謝を細胞内で駆動する生物にとっては、細胞内の酸素濃度そのものもコントロールしなければならないため、酸素呼吸の恩恵を受けるためには、何重もの安全策を講じておく必要がある。本稿では、好熱性水素細菌で最近見つかった新規peroxidaseについて詳述することを通して同細菌と酸素との関係を明らかにし、さらには筆者らが世に問うているe-バイオとの関連性を述べていきたい。
  キーワードHydrogenobacter thermophilus 、Peroxidase、Ferriperoxin、e-バイオ
解  説 バイオナノカプセルを用いるイムノセンシング分子の整列化技術 飯嶋益巳・黒田俊一
  Bio-nanocapsules for oriented immobilization of immunosensing molecules
 バイオセンサーの機能(感度、特異性)を高めるためには、プローブ上のセンシング分子の整列化およびクラスター化が重要である。筆者らは、バイオナノカプセルによるセンシング分子整列化技術の開発に成功したので紹介する。
  キーワード:バイオナノカプセル、バイオセンシング、整列化、クラスター化、高機能化
高分子電解質をトリガーに用いる酵素活性の制御  栗之丸隆章・白木賢太郎
  Regulation of enzymatic activity triggered by polyelectrolyte
 酵素機能を添加剤によって制御する新しい方法について紹介する。電荷を複数持つ高分子電解質は、酵素の表面に結合できる。この性質を用いて、酵素の活性のオン・オフに制御したり、もともと持つ活性を増加させたりできる。
  キーワード:酵素、高分子電解質、酵素/高分子複合体、基質、静電的相互作用
QTL-seq & MutMap:次世代シーケンサーを用いた新規遺伝子同定法  高木宏樹・阿部陽・寺内良平
  QTL-seq & MutMap: new method for gene mapping with next generation sequencer
 近年、様々な生物種の全ゲノム配列が決定されている。本稿では、次世代シーケンサーの解析技術により、解読された全ゲノム配列を利用して迅速かつ簡便に有用遺伝子を同定する技術を紹介する。
  キーワード:次世代シーケンサー、バルクシーケンス、量的形質遺伝子座、育種
次世代シーケンサーと微生物ゲノムアノテーション  大山 彰
  Next generation sequencer data analysis for microbial genome annotation
 次世代シーケンサーの急速な普及につれてゲノムやRNAの塩基配列が容易に入手可能となった。本稿では、これらの塩基配列を利用して、微生物研究者自身がアセンブリ、マッピング、アノテーションなどを直接操作し、総合的なゲノム解析を行う方法を解説する。
  キーワード:次世代シーケンサー、微生物ゲノム、アセンブリ、マッピング、自動アノテーション
「アミノインデックス技術」:医療分野でのアミノ酸分析とバイオインフォマティクスの活用  村松孝彦
  “AminoIndex Technology”: the application of amino acid analysis and bioinformatics to medical fields
 生体内の主要な代謝物であるアミノ酸に関して、高信頼性で高速アミノ酸分析とデータ解析を用いた健康状態や病気の可能性を明らかにする技術として筆者が所属する研究所で開発した「アミノインデックス技術」について解説する。
  キーワード:アミノ酸、「アミノインデックス技術」、代謝物、バイオインフォマティクス、質量分析
トピックス 肝線維化マーカーの開発と実用化  成松 久
  Development and practical use of serum biomarker for liver fibrosis
  キーワード:糖鎖疾患バイオマーカー、肝線維化、WFA、 Mac2BP、レクチンアレイ、IGOT-LC/MS
二結晶型分光器を用いた蛍光X線分光法で植物中の元素の振る舞いを調べる  杉山暁史・高梨功次郎・伊藤嘉昭・福島 整
  The elucidation of the chemical bonding in planta using the double crystal X-ray spectrometer
  キーワード:蛍光X線分光法、二結晶型分光器、化学状態分析、イオウ、酸性雨
一酸化窒素を介した酵母の新しい抗酸化メカニズムとその応用  高木博史
  Novel antioxidative mechanism mediated by NO in yeast and its applications
  キーワード:酵母、一酸化窒素、プロリン・アルギニン代謝、酸化ストレス、抗酸化機構
第3のイオンで駆動するハイブリッド型細菌べん毛モーターの発見  寺原直矢・佐野元彦・伊藤政博
  Discovery of a novel hybrid-type bacterial flagellar motor driven by potassium ions
  キーワード:好アルカリ性細菌、べん毛モーター、ハイブリッド・エンジン、K、ナノマシン
学会見聞記 日本農芸化学会大会 黒田浩一・村上一馬・村井正俊・水重貴文・河井重幸・浦野信行・松尾道憲・伊福健太郎・小林 敬・川本 純
バイオの窓 天然物創薬で出会った菌類 山口裕一
産業と行政 シリーズ:新植物育種技術(NBT)
③ 非病原性植物RNAウイルスを用いた新育種技術(NBT)の開発 吉川信幸
④ 動物におけるゲノム編集技術の現状と可能性 山本 卓・佐久間哲史・鈴木賢一・坂本尚昭
国際動向 BIO-Europe Spring2013参加およびAlsace BioValley訪問 田中裕教・高倉 薫
2013 BIO International Convention参加報告 塚本芳昭・田中裕教・森下節夫
JBAニュース 発酵と代謝研究会 講演会 美味しい健康生活は微生物が作る~作物生産、食品素材開発、健康支援~ 小川 順
2012年度日本生物工学会技術セミナー「食品加工技術と食のメタボロミクスの最前線」 新谷尚弘
大学発・選り抜きバイオセミナー&ブレーンストーミング 金沢大学:製薬、化学、食品、香粧品等に展開する安全性創薬研究
バイオ・ライフサイエンス領域の特許実務と米国特許法改正に関するセミナー
産学交流部会 主催 オープンイノベーション戦略に関するセミナー開催
書 評 ひらく、ひらく「バイオの世界」14歳からの生物工学入門 塩野義人
バイオカレンダー  
次号予告   
編集後記   

 

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