「バイオサイエンスとインダストリー」バックナンバー 目次と抄録

2013年 VOL.71 NO.5

     

巻頭言 バイオ人材育成 竹中登一
目で見るバイオ 植物の技術がお手本となって養殖魚の品種改良が変わる  吉浦康寿
  キーワード:品種改良、TILLING、ダブルマッスル、ミオスタチン、てっさ
総  説 発がん抑制物質ゼルンボンのタンパク質変性ストレスに起因した生理作用 大西康太・入江一浩・村上 明
  Proteostress-associated mechanisms underlying physiological activities of zerumbone, a chemopreventive agent
 近年、植物由来活性成分の標的分子研究が盛んに行われている。抗発がん性テルペノイドであるゼルンボンは、動物細胞において非選択的にタンパク質と結合し、変性ストレスを与える。興味深いことに、このようなタンパク質ストレスに対するホルミシス効果として、タンパク質品質管理機構が活性化することが明らかとなった。本機構は、植物二次代謝産物が生理活性を発現する根本的な理由の一部を説明するものであると考えている。
  キーワード:植物二次代謝産物、ホルミシス、タンパク質品質管理機構、ゼルンボン、機能性食品
解  説 花粉の自家蛍光特性を利用した実用的な花粉種自動識別計測装置の開発 青柳秀紀・薮崎克己・光本浩太郎
  Development of a practical real-time pollen-sorting counter using species-specific pollen autofluorescence
 国民病である花粉症の対策を立てる上で、花粉の種類を識別し、real-timeで正しい花粉飛散情報を得ることは重要である。本稿では、花粉の自家蛍光特性を活用した実用的な花粉種自動識別計測装置について紹介する。
  キーワード:スギ花粉、ヒノキ花粉、蛍光色比、花粉種自動識別計測装置、バーチャルインパクター
ラビリンチュラ類の分子育種の基盤構築と高度不飽和脂肪酸生合成経路の解明  伊東 信
  Development of a versatile transformation system for molecular breeding of thraustochytrids, leading to disclose their PUFA synthesis pathways
 ラビリンチュラ類は、DHA等のn-3高度不飽和脂肪酸を高度に蓄積する海洋性真核単細胞生物である。近年、ドラフトゲノム情報や形質転換法などの分子育種の基盤が整備され、PUFAをはじめとする脂質生合成系路の解明が進んだことで、産業微生物としての活用が期待される。
  キーワード:ラビリンチュラ類、形質転換系、分子育種、高度不飽和脂肪酸(PUFA)、PUFA生合成経路
リグノセルロース系バイオマス由来発酵阻害剤による酵母の翻訳阻害とmRNP顆粒の形成  井沢真吾
  Lignocellulosic biomass conversion inhibitors induce mRNP-granule formation and translational attenuation in Saccharomyces cerevisiae
 リグノセルロース系バイオマスの前処理で生じるフラン化合物やバニリンは発酵阻害物質としてバイオエタノール製造上の障壁となっている。これらの物質が酵母におよぼす影響について翻訳抑制効果を中心に最近の知見を紹介する。
  キーワード:フラン化合物、バニリン、P-body、ストレス顆粒、CalMorph
数理モデリングによる植物の代謝反応ネットワークの解明 平井優美・シユタサ・カンスポーン・白石文秀
  Elucidation of plant metabolic network by mathematical modeling
 メタボロミクスにより代謝産物の大規模時系列データが得られるようになり、これを用いた代謝の数理モデル化が可能となった。本稿では、複雑な植物代謝を数理モデルの支援で理解し、有用物質生産を目指す筆者らの研究を紹介する。
  キーワード:植物、代謝反応ネットワーク、メタボローム、数理モデル、代謝工学
糖質加水分解酵素ファミリー31に属するα-グルコシダーゼの構造と基質・反応特異性 奥山正幸
  Relationship between structure and specificity in glycoside hydrolase family 31(GH31)α-glucosidases
 イソマルトオリゴ糖、ニゲロオリゴ糖の工業的製造に用いられる糖質加水分解酵素ファミリー31 α-グルコシダーゼの、基質特異性や糖転移反応の反応特異性とタンパク質構造の関係に関する最近の知見を紹介する。
  キーワード:α-グルコシダーゼ、糖転移反応、基質特異性、反応特異性
トピックス 優良品種ダブルマッスルトラフグの作出を目指して  吉浦康寿
  Attempts to breed high meat productive torafugu with a double-muscling phenotype
  キーワード:トラフグ、ミオスタチン、ダブルマッスル、TILLING法、品種改良
特異的レクチンを利用したヒト幹細胞の簡便な品質管理法の開発 伊藤弓弦・舘野浩章・小沼泰子・平林 淳
  Facilitation of quality control of human stem cells using using a specific lectin
  キーワード:ES細胞、iPS細胞、再生医療、プローブ、rBC2LCN
世界最深部のマリアナ海溝に生息する超深海性ヨコエビが生産する新規セルラーゼ 小林英城
  A novel cellulase produced by hadal sea amphipod in the deepest point of the Mariana Trench
  キーワード:セルラーゼ、エキソ型酵素、グルコース、深海生物、極限環境生物
セサミノール配糖体分解酵素の発見 下山武文・高橋征司・中山 亨
  The discovery of sesaminol triglucoside glucohydrolase
  キーワード:セサミノール、β-グルコシダーゼ、抗酸化活性、抗腫瘍活性、植物二次代謝産物
メタゲノム解析により見出された温泉環境に優占する未培養巨大鎌状細菌の硫黄代謝 玉澤 聡・玉木秀幸
  Metagenomic and biochemical evidence for sulfur-oxidation metabolism in uncultured large sausage-shaped bacterium dominating in sulfidic hot springs
  キーワード:温泉バイオマット、硫黄芝、未培養巨大鎌状細菌、メタゲノム、硫化水素酸化
油糧糸状菌Mortierella alpinaによるEPAの常温発酵生産 安藤晃規・櫻谷英治・小川 順
  EPA production under normal temperature by oleaginous filamentous fungus Mortierella alpina
  キーワード:エイコサペンタエン酸、EPA、オメガ3脂肪酸、常温生産、Mortierella alpina
シリーズ:バイオが貢献して拓く未来社会 ⑥ バイオインフォマティクスの現状と将来展望 長洲 毅志
バイオの窓 さすらい研究者生活 堀 知行
産業と行政 文部科学省における産学官連携施策および地域科学技術振興施策について 小林遼平
シリーズ:新植物育種技術(NBT)
⑤ 植物育種技術としてのエピ変異体作出法 葛西厚史・原田竹雄
国際動向 生薬および漢方製剤等の国際標準化議論について 日本漢方生薬製剤協会・国際対応ワーキンググループ
Myriad Geneticsの遺伝子特許に対する米国最高裁判決 河部秀男・奥山英二
JBAニュース 新資源生物変換研究会シンポジウム「モノづくりバイオの新展開―合成生物工学の行く道」 植田充美
バイオエンジニアリング研究会「ラウンドテーブル・ディスカッション(見学会)―バイオ医薬品エンジニアリングの新展開―」 山田智也
書 評 酵素資源余話―酵素のおもしろさを尋ねて― 三原久明
バイオカレンダー  
JBA人事異動(自己紹介)
会員の動き  
次号予告   
編集後記   

 

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