「バイオサイエンスとインダストリー」バックナンバー 目次と抄録

2013年 VOL.71 NO.6

     

巻頭言 iPS細胞がもたらす4つの革命 戸田雄三
総  説  ≪バイオインダストリー協会賞受賞論文≫ 
有用物質生産における次世代基盤技術の開発
池田治生
  Development of the next generation technology for secondary metabolite production
 有用物質生産に特化した汎用宿主の構築を目指し、すでにゲノム解析が完了し、かつ抗寄生虫および抗ダニ薬エバーメクチン(avermectin)の工業的な生産株であるStreptomyces avermitilisの染色体の大規模欠失および再構成を含む最適化を行った。構築した大規模欠失体は多くの異種の二次代謝産物生合成遺伝子群の効率よい発現が観察されるとともに、休眠状態の遺伝子群も発現させることも可能となった。物質生産はこれまでの方法論を超え、新たな次世代技術によって大きな展開が期待できる。
  キーワード:放線菌、二次代謝産物、ゲノム、異種発現、物質生産
解  説 「琉球」にちなむ黒麴菌の学名Aspergillus luchuensisの復活  山田 修
  Re-description of Aspergillus luchuensis , an industrially important black koji mold
 黒麴菌の学名として「琉球」にちなむAspergillus luchuensis が復活する運びとなった。黒麴菌の学名の変遷と菌株の表現形と分子生物学的データとに基づく黒麴菌の再分類およびその学名の復活までを簡単に紹介する。
  キーワード:黒麴菌、泡盛、焼酎、学名、Aspergillus luchuensis
担子菌酵母によるマンノシルエリスリトールリピッドの生産と化粧品への応用  森田友岳
  Production of mannosylerythritol lipids and their application in cosmetics
 マンノシルエリスリトールリピッド(MEL)は、酵母が生産する機能性脂質であり、優れた界面活性だけでなく多様な生理機能を示す。本稿では、MEL の生産と化粧品素材としての実用化について解説する。
  キーワード:酵母、機能性脂質、マンノシルエリスリトールリピッド、化粧品素材
微生物を利用したタンパク質―ナノ磁性粒子複合体の創製  吉野知子・
本多 亨
  Design and engineering of protein-magnetic nanoparticle complexes by bacteria
 磁性細菌は、その菌体内で常温、常圧の生理的条件下で均一なナノサイズの磁性粒子を合成することができる。筆者らは、この微生物を利用して、遺伝子工学的な手法により複数の機能を有するタンパク質-ナノ磁性粒子複合体の開発に取り組んだ。
  キーワード:ナノ磁性粒子、磁性細菌、ディスプレイ、アンカー
キャピラリー電気泳動による微生物細胞の迅速分離同定技術 鳥村政基
  Novel techniques for rapid separation, characterization, and identifi cation of microbes with capillary electrophoresis
 微生物細胞を迅速に分離同定する技術が望まれている。筆者らが開発した、キャピラリー電気泳動による高速分離技術と、それと組み合わせる質量分析による迅速同定技術の開発について解説する。
  キーワード:微生物分離、電気泳動、微生物同定、質量分析、キャピラリー
細菌の薬剤耐性機構 ~ゲノム変化を伴う耐性と伴わない耐性~  間世田英明
  Resistance to antibiotics in bacteria with/without mutations
 人類が抗生物質を発見して以来、抗生物質の開発と耐性菌とのイタチごっこが続いている。このイタチごっこを終わらせる方法はないのであろうか? 最近明らかになってきた細菌の耐性機構を解説し、その制御法について考える。
  キーワード:抗生物質、耐性、感染症、薬剤排出ポンプ、変異
植物の水環境の感知メカニズムとカリウムイオン輸送  刑部祐里子
  Plant potassium transport in the response to water stress
 植物は水環境の感知により生命維持を行っており、その応答には水不足のシグナル伝達経路と細胞内外のカリウムなどのイオン輸送が関わっている。イオン輸送のシグナル伝達による制御機構について解説する。
  キーワード:乾燥ストレス、カリウムイオン、輸送体、気孔、アブシジン酸
タマネギ催涙因子合成酵素の基礎研究と応用可能性  正村典也
  The basic and applied studies of onion lachrymatory factor synthase
 催涙因子合成酵素は、アミノ酸配列、触媒反応のいずれの点からも類似タンパク質が報告されていないユニークな酵素である。その基礎的な研究結果と実用応用について解説する。
  キーワード:タマネギ、催涙因子、活性中心アミノ酸、ホモロジーモデリング、分子内転移
トピックス スマート発酵工学によるブタノール生産  野口拓也・
田代幸寛・
園元謙二
  Construction of intelligent fermentation technology(i Fermentech)
  キーワード:スマート発酵工学、ブタノール、リグノセルロース系バイオマス(LB)、カーボンカタボライト抑制、植物育種
電極基板を用いた効率的な環境微生物回収法  小山純弘
  Electrical retrieval method for environmental microorganisms using a potential-controlled electrode
  キーワード:環境微生物、電気回収、ITO 電極
細胞分裂制御におけるGreatwallキナーゼの新規機能  岸本健雄
  Entry into M-phase is coordinated by both cyclin B-Cdk1 and Greatwall kinase
  キーワード:細胞周期、M期、cyclin B-Cdk1、Greatwall キナーゼ、PP2Aフォスファターゼ
ショウジョウバエは体内でアミノ酸が不足するとアミノ酸が好きになる  利嶋奈緒子・谷村禎一
  Fruit fl ies enhance preference for amino acids when they are defi cient for amino acids
  キーワード:キイロショウジョウバエ、味覚、アミノ酸、恒常性、特異的空腹
バイオの窓 環境細菌への感情移入 加藤純一
産業と行政 農林水産・食品分野と異分野との融合研究の推進について 島田和彦
「農林水産物と健康に関する研究開発について」の策定について 島田和彦
シリーズ:新植物育種技術(NBT)
⑥ ZFN技術を用いた新植物育種への応用 髙橋靖幸
国際動向 遺伝子組換え作物の世界動向2012年 冨田房男
合成生物学関連の国際学会、最新の周辺事情 板谷光泰
NITEのミャンマーにおける微生物探索 安藤勝彦
JBAニュース 2013年度 知的財産委員会活動報告「発明者の認定」および「マテリアル」における課題について」
"未来へのバイオ技術"勉強会「バイオ燃料・バイオリファイナリー研究開発」における菌株育種とプロセス開発の潮流と最先端オミクス解析の活用による新展開 森脇香織・
新城雅子・
高木博史
発酵と代謝研究会 シンポジウム 放線菌によるヒト・動物医薬と農薬への貢献 ―探索と選抜、機能解析から新規開拓へ― 手塚武揚
JBAバイオリーダーズ研修2013 開催報告
書 評 極限環境生物の産業展開 平山仙子
キーワード索引 Vol. 71 2013 No.1−6
総  目  次 Vol. 71 2013 No.1−6
会  告 バイオ関連団体合同賀詞交歓会
会員の動き(新規入会)/JBA新規入会(個人会員)のご案内/次号予告  
編集後記   

 

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