「バイオサイエンスとインダストリー」バックナンバー 目次と抄録

2014年 VOL.72 NO.6

     

巻頭言 健康医療分野でのICT 活用に向けて 秋草直之
目で見るバイオ 生きたままでの生物を高解像度電子顕微鏡観察する 針山孝彦
  キーワード:ナノスーツ、NanoSuit、走査型電子顕微鏡、電子線、プラズマ
総  説 iPS 細胞技術を用いた新規がん免疫療法の基盤技術開発 増田喬子・河本 宏
  Clinical application of the iPS cell technology to novel immune cell therapy against cancer
 iPS 細胞は組織を修復する材料として用いられることが期待されているが、本稿ではがん治療に用いるという戦略を紹介する。がん患者の体内には、がんを攻撃することができる特異的なキラーT 細胞が少数ながら存在する。現行のがん免疫療法は、それらのT 細胞を体内で活性化させて働かせる戦略が主流である。しかし活性化したキラーT 細胞は大量に生産できるものではない。そのため、効果は限定的であった。筆者らはiPS 細胞技術を用いることにより、そうした状況を打破することを目指している。この戦略は、現行の方法が直面している壁を突き破る革新的な治療法になると考えている。
  キーワード:細胞傷害性T 細胞、iPS 細胞技術、がん免疫細胞療法、クローニング、T 細胞受容体
二酸化炭素からのものづくり:ラン藻の代謝制御因子とバイオプラスチック生産 小山内 崇
  Production of bioplastics from carbon dioxide using genetically engineered cyanobacteria
 ラン藻は、光合成原核生物であり、光合成を行い、二酸化炭素を固定できる。このため、ラン藻による二酸化炭素を利用した物質生産が注目を浴びている。筆者らは、ラン藻が作るプラスチックであるポリヒドロキシ酪酸(PHB)の増産を目指している。最近、PHB 合成の制御因子として、RNA ポリメラーゼシグマ因子SigE やレスポンスレギュレーターRre37 を同定した。本総説では、これらの新規制御因子の発見を概説する。
  キーワード:光合成、代謝工学、転写、二酸化炭素、ラン藻
解  説 味覚受容体の働きから「おいしさ」を考える  三坂 巧
  Taste receptor: the relationship between its function and the palatability
 口腔内で呈味物質を受容する味覚受容体が同定されて以来、味覚研究は大きく進展した。味覚受容体を用いた評価系を用いることで、人間が感じる味の強度を客観的に評価できるようになってきたのである。
  キーワード:基本味、味覚受容体、人工甘味料、呈味調節物質、アミノ酸
立体構造に基づいた酵素デザイン―耐熱性DNA リガーゼを例として―  田邉麻衣子・西田洋一
  Structure-based design of enzymes – Thermostable DNA ligase as an illustration –
 X 線結晶構造解析により得られた酵素の立体構造に基づいて、in vitro での活性を向上させた酵素の開発を行っている。本稿では遺伝子解析に広く用いられている耐熱性DNA リガーゼの改良について解説する。
  キーワード:X 線結晶構造解析、DNA 複製酵素、遺伝子解析、DNA リガーゼ
細菌の代謝を活用した廃水からのセレンの除去・回収技術の開発  黒田真史
  Removal and recovery of selenium from wastewater through bacterial metabolism
 セレンは、有用なレアメタルであるとともに、浄化の困難な水環境の汚染物質としても知られている。ここでは、汚染浄化と資源循環を同時に達成し得る、細菌Pseudomonas stutzeri NT-I の代謝を活用したセレンの除去・回収技術の開発状況について解説する。
  キーワード:セレン、レアメタル回収、廃水処理、セレン酸還元酵素、Pseudomonas stutzeri
トピックス Brevibacillus 属細菌による活性型フラグメント抗体の高分泌生産  花方 寛
  Production of antibody fragments with Brevibacillus expression system
  キーワードBrevibacillus choshinensis、フラグメント抗体、分泌生産、BIC 法
複合微生物系を用いたメタ発酵による有価物生産プロセスの開発と制御  田代幸寛・酒井謙二
  Development and control of meta-fermentation processes using a mixed culture system
  キーワード:メタ発酵、複合微生物、制御因子、バイオマス、光学活性乳酸
有機性廃棄物のメタン発酵:電気化学的手法による高負荷運転時の反応安定化  平野伸一
  Bio-electrochemical activation of methane fermentation at high organic loading rate
  キーワード:Methane fermentation、Bio-electrochemical cultivation、Methanogens
クリプトコッカス症原因菌のグルコシルセラミドはグルコセレブロシダーゼEGCrP1 によって品質管理される  石橋洋平・渡辺 昂・伊東 信
  Quality control of glucosylceramide in Cryptococcus neoformans by glucocerebrosidase EGCrP1
  キーワード:クリプトコッカス、グルコシルセラミド、莢膜
微生物1細胞のゲノム解析に向けた全ゲノム増幅法の改良  高橋宏和・山嵜裕之・小堀俊郎
  Improvement of whole-genome amplification for microbial single-cell genomics
  キーワード:微生物ゲノム、全ゲノム増幅、RNA プライマー、Phi29 DNA ポリメラーゼ
生物にナノスーツ(NanoSuit)を着せて生きたまま電子顕微鏡観察  針山孝彦
  Dressing living organisms in the NanoSuit, for high-vacuum electron microscopic observation
  キーワード:NanoSuit、電子顕微鏡、FE-SEM、バイオミメティクス、生きたまま
バイオビジネスシリーズ 巻頭言 塚本芳昭
  ① カラー写真フィルムで培った技術の化粧品・医薬品・再生医療への展開 吉岡康弘
バイオの窓 進化は進歩? 和田 大
産業と行政 シリーズ:新植物育種技術(NBT)
  ⑦ 新植物育種技術をめぐる海外諸国の規制動向 立川雅司
ライフサイエンス研究を推進する礎としてのFANTOM5 データ 近藤直人・川路英哉
国際動向 遺伝子組換え作物の商業栽培の世界の動向と日本 冨田房男
海外生物資源へのアクセスと利益配分(ABS) 名古屋議定書が国際発効する。今後、何がどう変わるのか? いま、何をすべきか? 炭田精造
JBAニュース バイオエンジニアリング研究会 工場見学会とラウンド・テーブル・ディスカッション
JBA バイオリーダーズ研修2014
書 評 カラー図解EURO 版 バイオテクノロジーの教科書 上・下 赤塚浩之
元素の生物化学 細胞レベルでの元素の反応・結合・移動過程を追う 臼田佳弘
キーワード索引 Vol. 72 2014 No.1−6
総  目  次 Vol. 72 2014 No.1−6
会員の動き  
JBA人事異動  
次号予告   
編集後記   

 

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