「バイオサイエンスとインダストリー」バックナンバー 目次と抄録

2015年 VOL.73 NO.1

     

巻頭言 日本のバイオ産業の発展に向けて 黒田篤郎
総  説 次世代バイオ医薬品製造技術開発~高生産用CHO 細胞株の開発を中心にして 大政健史
  Next-generation production technology of biologics―CHO cell line development
 iPS 近年の抗体医薬品の発展に象徴されるように、動物細胞を用いた物質生産は、バイオ医薬品の生産、特に複雑な糖タンパク質の生産において多用されている。本稿では、バイオ医薬品生産に関する近年の動向や技術開発に焦点を当て、細胞株、高生産株の構築の現状、バイオ医薬品製造技術としての動物細胞生産系全体、ならびに本邦にて開始されているバイオ医薬品製造に関わるプロジェクトについて概説する。
  キーワード:バイオ医薬品、Chinese hamster ovary(CHO)細胞、抗体医薬
バイオエタノール生産における新規酵素の開発 福山志朗・Paul V. Harris
  New enzyme development in bio-ethanol production
 地球環境への負荷が少ない石油代替エネルギーとして、バイオマスから作られる再生可能エネルギー、バイオエタノールが注目されて久しい。この間、バイオエタノール生産は1 つの産業として大きく成長した。今後も、第1 世代(穀物原料)と第2 世代(セルロース系バイオマス原料)のバイオエタノールは再生可能エネルギーの柱であり続けると考えられる。バイオエタノール生産には酵素が重要な役割を果たしており、ここ2 〜3 年でも様々な新規酵素が開発されて市場に投入されている。新規酵素の開発は今後さらに進み、生産工程の簡素化やコスト削減などに貢献していくと考えられる。
  キーワード:バイオエタノール、新規酵素開発、相乗効果
解  説 医療応用に適したフィーダー細胞フリーのヒト多能性幹細胞用培養基質の開発 山本卓司・藤田和将・服部俊治・関口清俊
  Development of the medical grade substrate for culturing of human pluripotent stem cells
 ヒト多能性幹細胞をフィーダーフリーかつゼノフリーの条件で培養する基質としてラミニン511-E8 を開発した。ラミニン511-E8 は、医療応用への適合を目標に開発しており、橋渡しの際には製造環境の整備を行った。
  キーワード:ラミニン511-E8、再生医療、ヒト多能性幹細胞、フィーダーフリー、ゼノフリー
糸状菌の細胞壁多糖α-1,3-glucan 欠損株の物質生産への応用  吉見 啓・阿部敬悦
  Application of alpha-1,3-glucan deficient mutants to protein production in filamentous fungi
 Aspergillus 属菌の細胞壁α-1,3-グルカン欠損株は菌糸が培地中に分散する。この特性の発見と、糸状菌を用いた物質生産で課題となっている高密度培養技術の開発への道のりについて解説する。
  キーワード:糸状菌、細胞壁多糖、α-1,3-glucan、高密度培養、物質生産
ロドコッカス属放線菌における抗生物質生産  北川 航・田村具博
  StructureAntibiotic production in genus Rhodococcus
 ロドコッカス属細菌は優れた抗生物質生産菌であることを発見し、本属由来の新規の抗生物質とその生合成遺伝子を初めて明らかにした。本稿ではその生合成系およびロドコッカスによる抗生物質の異宿主生産の試みについて解説する。
  キーワード:ロドコッカス、放線菌、抗生物質、異種発現、認定宿主ベクター
病原菌によるシロイヌナズナの気孔閉口機構  叶 文秀・村田芳行
  Stomatal closure in response to pathogens in Arabidopsis
 気孔は、一対の孔辺細胞からなる小孔で、主に葉の表皮に存在する。ガス交換のために開口し、過剰な蒸散や病原菌の侵入を防ぐために閉口する。ここでは、病原菌への応答について説明し、さらに、食品の安全との関連についても議論する。
  キーワード:孔辺細胞、エリシター、植物免疫、食品の安全、乾燥耐性
微生物の共存や空間局在を造り出すマイクロスケールの空間構造  八幡 穣
  Micro-scale spatial structure for coexistence and localization of microbial species
 微生物の生活する空間は化学勾配・微細構造物・流速の不均一な分布などによって豊かに構造化されている。マイクロ流体デバイスを活用した生態学研究から、マイクロ空間の構造を利用した微生物制御アプローチへのヒントを探る。
  キーワード:マイクロ流体デバイス、運動性、バイオフィルム、海洋細菌、共存
トピックス ユーイング肉腫の動物モデル開発難治性がんの治療法開発に向けた新評価系  田中美和・中村卓郎
  Development of the animal model for Ewing's sarcoma—A platform to evaluate novel therapies—
  キーワード: 骨軟部腫瘍、ユーイング肉腫、融合遺伝子、発生起源、エピゲノム環境
有機質肥料活用型養液栽培における根圏微生物群は植物病原菌を制御する  藤原和樹・篠原 信
  Root-borne disease suppression by the rhizosphere microbial community in Multiple Parallel Mineralization system
  キーワード:根部病害抑止効果、静菌作用、Fusarium oxysporum、有機質肥料活用型養液栽培
サツマイモを原料とした液体麹づくり  舛田 晋
  Production of liquid Koji using sweet potatoes
  キーワード:サツマイモ、麹、液体培養、Aspergillus kawachii、焼酎
海綿−共生細菌系の化学防御機構  脇本敏幸・阿部郁朗
  Activated chemical defense in a sponge-microbe association
  キーワード:海綿動物、共生微生物、calyculin A、ポリケタイド、化学防御
Togo Table : 表形式データにアノテーションを付加するウェブツール  河野 信
  Togo Table: a semi-automatic annotation tool to tabular data
  キーワード:統合データベース、セマンティック・ウェブ、アノテーション、オントロジー、Linked Data
学会見聞記 日本生物工学会大会 渡邊太郎・山下 誠・森脇 圭・今村志穂実・西原宏直・杉浦秀博
バイオの窓 三つ子の魂百まで? 山村茂樹
国際動向 名古屋議定書 第1回締約国会合報告 炭田精造・野崎恵子
JBAニュース BioJapan2014 World Business Forum 進化しつづけるバイオ産業
BioJapan2014 主催者セミナー
JBA 三賞合同授与式、発表会
BioJapan2014 におけるJBA短期インターンシップ
静岡がんセンター・ファルマバレープロジェクト現地視察会
書 評 微生物と金属資源のはなし 地球を救うメタルバイオテクノロジー 田中 剛
会員の動き  
次号予告   
編集後記   

 

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