「バイオサイエンスとインダストリー」バックナンバー 目次と抄録

2015年 VOL.73 NO.6

     

巻頭言 グリーン系バイオの発展に向けて:雑感 清水 昌
総  説 «バイオインダストリー協会賞 受賞論文»
生体内の分子・細胞挙動を可視化する化学プローブのデザイン・合成・生物応用
菊地和也
  Design, synthesis and biological application of chemical probes for imaging molecular and cellular function
 これまでに、2種類のタンパク質ラベル化法を確立した。まず、哺乳動物細胞が有していない細菌由来酵素(β-lactamase)を遺伝子工学的に改変し、BL-tag と名付けた。さらに、真正細菌由来PYP をタグタンパク質として、迅速なラベル化法を開発した。これらの集積化法は、市販されているタンパク質修飾化法とは異なり、集積時に蛍光等のシグナルを制御する機能を備え、哺乳動物が有していない酵素を用いるため特異性が非常に高い。
  キーワード:イメージング、タグタンパク質、エピゲノム、タンパク質分解
«バイオインダストリー協会賞 受賞論文»
環境バイオテクノロジーの発展と普及
渡邉一哉
  Advancing and outreaching environmental biotechnology
 環境バイオテクノロジーとは、我々の生活環境の改善に貢献するバイオテクノロジーと定義される。典型的な例としては、廃水・廃棄物の処理や汚染環境の修復が挙げられるが、これらに加えてグリーンエネルギー生産、産業や生活の省エネ化、自然生態系の保全など、幅広い分野に関連するバイオテクノロジーである。本稿では、筆者が関わってきた微生物を用いた環境バイオテクノロジーを紹介し、その課題や将来展望について述べたい。
  キーワード:バイオレメディエーション、廃水処理、嫌気消化、微生物燃料電池、微生物生態学
高機能な二重特異性抗体医薬の開発 浅野竜太郎・杉山在生人・熊谷 泉
  Development of highly functional and bispecific antibody drugs
 抗体医薬の市場規模は拡大し続けており、特に難治療性の疾患に対する分子標的薬としての効果は目覚ましい。がん治療薬としての期待も大きいが、多くの場合が容易には根治に至らず、薬効の向上が抗体医薬の直面している課題であるとも言える。抗がん剤の結合による薬効の向上などの天然構造を維持した高機能化に加えて、機能性断片に切り分けたのち、他の機能性タンパク質や異なる抗体断片を様々に組み合わせることで、多種多様な非天然型の高機能な抗体を創出することができる。中でも、異なる2つの特異性を付与させた二重特異性抗体は、2014年に初めて米国で医薬として認可されたことで、特にがん治療薬としての開発機運が高まっている。
  キーワード:抗体医薬、非天然型抗体、二重特異性抗体、低分子二重特異性抗体医薬
解  説 天然キレート剤、ムギネ酸類の実用的合成法が拓く新たな可能性 村田 純・荒木良一・村田佳子・難波康祐
  Emerging possibilities of the use of mugineic acids opened up by large-scale chemical synthesis
 イネ科植物が根から分泌する鉄キレート化合物、ムギネ酸類の実用的合成方法確立は、ムギネ酸類の新規生理活性の基礎科学的解析、および社会的利用価値の検証の両方を加速すると期待される。
  キーワード:ムギネ酸、イネ科植物、天然キレート剤、実用的合成、植物生長
麹菌異種発現系を利用した糸状菌由来天然物の生産 南 篤志・劉 成偉・及川英秋
  Production of fungal secondary metabolites utilizing the Aspergillus oryzae heterologous expression system
 遺伝子解析技術の進展により、個々の研究者が独自の手法で生物機能を利用した天然物生産にアプローチできる状況が整ってきた。本稿では、筆者らが取り組む麹菌異種発現系を使った糸状菌由来天然物の生産について紹介する。
  キーワード:生物活性天然物、インドールジテルペン、麹菌、異種発現系
第二世代OGAB法が可能にした50個以上のDNA断片集積 柘植謙爾・板谷光泰
  One-step DNA assembly of more than 50 fragments enabled by the second-generation OGAB method
 デザインしたDNA配列を創るためには、多数のDNA断片を自在に連結できる技術が不可欠である。筆者らは、枯草菌の遺伝子集積技術のOGAB法を改良して、一度に50個以上のDNA断片を遺伝子集積できる技術を開発した。
  キーワード:遺伝子集積、OGAB法、等モル混合、枯草菌、ゲノムデザイン
抗菌ペプチド、ε-ポリ-L-リジン生合成におけるポリマー鎖長決定機構 濱野吉十
  Mechanism on chain-length determination in ε-poly-L-lysine biosynthesis
 天然ポリマー化合物の生合成において、そのポリマー分子量を決定する機構のほとんどが未解明である。本稿では、ε-ポリ-L-リジン合成酵素を例に、興味深いポリマー分子量決定機構を解説する。
  キーワード:ポリマー、アミノ酸ポリマー、ペプチド、非リボソーム型ペプチド合成酵素、バイオプラスチック
トピックス In vitro代謝工学による1-ブタノール生産  岡野憲司・本田孝祐
  1-Butanol production by in vitro metabolic engineering
  キーワードin vitro代謝工学、好熱菌、耐熱性酵素、1-ブタノール
酒造工程中に微量存在する微生物の検出法の開発  髙橋正之
  Development of modified COLD-PCR for detection of minor microorganisms during fermentation
  キーワード:mCOLD-PCR、微生物叢解析、酒類、発酵食品、低存在比率微生物
樽酒と食品の相性 ~樽酒中の成分が食品の油脂とうま味に及ぼす影響~  高尾佳史
  Effect of components in taru-sake on umami and greasy tastes of foods
  キーワード:樽酒、相性、油脂、うま味
尿1 滴で短時間・安価・高精度に早期がんを診断!  広津崇亮
  A highly accurate, rapid and economical screening test of early cancer with urine
  キーワード:線虫、嗅覚、尿、がん診断、早期発見
バイオの窓 予防先制医療 佐藤孝明
産業と行政 遺伝子組換え実験に関わる大学遺伝子協の活動 永野幸生
藻類バイオ技術の実用化に向けて《前編》
 特集を組むにあたって 荒 勝俊
 微細藻類によるバイオ燃料・原料用グリーンオイル供給事業化に向けて 松本光史
バイオ・ポリエステル樹脂:過熱水蒸気法による“End-of-Life”の最適選択 大島一史
国際動向 GM 作物商業栽培の世界動向2014 冨田房男
JBAニュース バイオエンジニアリング研究会 見学会とラウンドテーブル・ディスカッション(RTD) 山田智也
植物バイオ研究会 農業生物資源研究所(つくば)見学会
2014 年度 知的財産委員会活動報告
JBA バイオリーダーズ研修2015
キーワード索引 Vol. 73 2015 No.1−6
総 目 次 Vol. 73 2015 No.1−6
会員の動き  
次号予告   
編集後記   

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