バイオインダストリーの発展を産官学で総合的に推進する機関

21世紀における食糧問題および環境問題の重要性を考えると、生命を育てる農業、バイオテクノロジー、地球環境等について学ぶ研修は非常に有用であると想定される。このことから、本部会では、人材育成や、一般市民のためのバイオテクノロジーに関するセミナーの開催、パンフレットの配布等の活動を行ってきた。この間、バイオ産業人会議(JABEX)により中立的組織による情報コミュニケーション推進母体の設立が発議され、平成14年2月に「くらしとバイオプラザ21」が発足、7月にはNPO法人として活動を開始することとなり、協力して国民理解活動を進めることとなった。
Adobe Reader(無償)が必要です。ダウンロードはこちら
◆セミナー「ライフサイエンス研究推進の政策と課題」開催報告
12月7日開催に開催した「グリーンイノベーション、ライフイノベーション推進に向けた科学技術政策」に引き続き、JBA−JABEX共同企画による標記政策セミナーを開催した。
ライフイノベーション推進に向けて、基礎的・先導的なライフサイエンスの研究の推進や橋渡し研究の推進、研究支援業務など、ライフサイエンスの総合的な推進政策が重要と言われている。これらの具体的な政策立案に携わっている文部科学省研究振興局ライフサイエンス課のご担当者から政策内容や課題のご説明をお伺い、参加者との意見交換を行った。
石井課長からは、再生医療の実現化、脳科学研究の推進、化合物ライブラリーを活用した創薬等研究基盤の整備、生命動態システム科学研究の推進および植物科学研究の推進に向けた政策の経緯とその課題について説明がなされた。また、渡辺研究振興戦略官からは、橋渡し研究に関する文部科学省のこれまでの取組・成果について紹介があり、がん、認知症、再生医療等に対するアカデミア発の有望な研究シーズを創薬・医療現場で活用するための支援体制構築、実用化につなげるための仕組みの整備が重要である、との説明がなされた。これを受けて、アカデミアとしての評価とそれをどう実用化につなげていくのか、成果の見える化等について、講師と参加者との間で活発な議論が交わされ、大変有意義な意見交換を行うことができた。
今回のセミナーでは、関係省庁の政策立案の実務責任者同士の協働が盛んに行なわれてきたことが大きな驚きとしてわかったことである。また、特に文部科学省の政策立案責任者はアカデミアとの交流・意見交換をしてきたが、研究成果の実用化を促進するために、今後は産業界からもより建設的な意見を是非頂きたいとのことであった。
セミナー終了後に開催された交流懇親会においても、打ち解けた雰囲気の中、引き続き、熱い議論が交わされた。
開催日時:平成23年2月28日(月) セミナー 15:30〜17:15
交流懇親会 17:20〜18:45
開催場所:(財)バイオインダストリー協会 会議室
参加者:31名(講師、関係者を除く)
内 容:
15:30〜16:45 「ライフサイエンスの先導的・基礎的研究推進に向けた政策と課題」
文部科学省研究振興局ライフサインエス課長 石井康彦氏
→発表スライド<資料添付PDF3.3MB>![]()
「橋渡し研究の推進を通じた大学の研究成果の実用化の取組み」
文部科学省研究振興局研究振興戦略官(先端医科学研究、放射線医学担当)
渡辺正実氏 →発表スライド<資料添付PDF1.5MB>![]()
16:45〜17:15 質疑応答&総合討論
17:20〜18:45 交流懇親会

石井康彦課長 渡辺正実戦略官 セミナー風景
◆「グリーンイノベーション、ライフイノベーション推進に向けた科学技術政策」セミナー開催報告
平成22年6月に「新成長戦略」が閣議決定され、また、現在検討中の「第4期科学技術基本政策」では、成長の柱として2大(グリーン、ライフ)イノベーションの推進が挙げられている。オープンイノベーションの推進は国の科学技術の根幹であり、新たな技術や成長産業創出に繋がる重要な政策と考えられる。
このような背景のもと、JBA-JABEXの共同企画により、科学技術政策立案に係わっている総合科学技術会議のご担当者をお招きし、科学技術政策とその課題についてお話をお伺いし、参加者との意見交換を行った。我が国の科学技術政策立案の新プロセスと第4期科学技術政策(案)が紹介され、また、グリーンでは再生可能なバイオマスの開発等、ライフでは健康大国を目指したそれぞれのアクションプランも説明された。グリーン、ライフともにバイオの強みを発揮できる分野であるだけに、参加者からは多くの質問や意見が出され、2時間のセミナーでは、時間が足りないほどであった。
セミナー終了後、引き続き開催された交流懇親会においても、講師と参加者、また参加者同士の熱い議論が交わされ、大変有意義な会となった
開催日時:平成22年12月7日(火)セミナー15:30〜17:30 交流懇親会17:35〜18:30
開催場所:(財)バイオインダストリー協会 第一会議室
参加者:約30名
内 容:
15:30〜16:30 「グリーンイノベーション推進に向けた科学技術政策と課題」
内閣府総合科学技術会議事務局 参事官(環境・エネルギー担当)
村上 正吾氏
発表スライド → <資料添付PDF846KB>![]()
16:30〜17:30 「ライフイノベーション推進に向けた科学技術政策と課題」
内閣府総合科学技術会議事務局 参事官(ライフサイエンス担当)
加藤 誠実氏
発表スライド → <資料添付PDF2.4MB>![]()
17:35〜18:30 交流懇親会

意見交換風景 村上正吾講師 加藤誠実講師
<参考情報>
6/10開催「グリーン・イノベーションに向けて〜新たな農林水産研究基本
計画〜」に関する説明会報告
◆出前授業サポート報告
産業と社会部会の活動の一環として、平成19〜21年度経済産業省受託事業「環境対応技術開発等(バイオ事業化に伴う生命倫理問題等に関する研究)」を実施してきた。
昨年度受託事業で作成したバイオキッズ紙芝居「めざせ!バイオ博士!<微生物編>」(http://www.jba.or.jp/top/bioschool/kids/index.html)を活用して、JBA元技術顧問、現宮崎大学産学・地域連携センター客員教授・平野惇先生が宮崎市立学園木花台小学校(大村利弘校長)の6年生2クラス(約70名)を対象として出前授業を実施、JBAが授業用の資料作成・運営の協力を行った。
※本出前授業は、産業と社会部会の目的である「バイオテクノロジーの啓発・普及」のための活動の一環として、実施したものである。
出前授業実施日:
平成22年11月16日(火)
8:25〜9:10/9:20〜10:05,10:15〜11:00/11:10〜11:55
授業の内容:
「小さな小さな生きもののお話し −くらしに役立つ微生物たち−」 → ppt資料リンク
※資料については、教育目的で利用する場合に限り、出典を明記の上、自由に利用していただいて結構です。
1.微生物ってなぁに?
2.見えないものが見えるとドッキリだよ
3.暮らしの中の微生物
4.健康と微生物
5.環境と微生物
6.微生物には、みんなの夢・未来がつまっている
7.@酵母とカビを見てみよう
A「パン酵母」が二酸化炭素を出す実験
1時間目は、上記1.〜6.に添って、バイオキッズ紙芝居「微生物編」等を活用し、微生物とはどんなものか、その種類は、また、日常生活のどのような場面で活躍しているのか等を学習した。
微生物活躍の事例として、食べ物では、納豆、漬け物、焼酎(宮崎の名産)、チーズ等、医薬では抗生物質、環境に関しては廃水浄化等を紹介した。授業の最後に、復習として、18種類の食品の中から発酵で作られている食品を当てる簡単なクイズを行い、子供達に発表してもらった。
2時間目は、7.の項目について、簡単な実験および観察を行った。実験は、透明のプラスチックカップを用意し、その中に、砂糖小さじ1杯、小麦粉小さじ1杯、ドライイースト小さじ1/2杯、40℃程度のぬるま湯50mlを入れ、かき混ぜ、発酵による二酸化炭素の泡が発生する様子を観察した。発酵が進むまでの間、宮崎大学農学部のご協力により培養していただいた黒麹カビ、黄麹カビおよび清酒酵母を目視および顕微鏡で観察した。
発酵の実験では、カップから溢れるほど泡が盛り上がり、その泡を触ったり、なめたりして、子供達は大喜び。理科が専門でない担任の先生からも、よく分かったとの感想をいただいた。
平野先生より子供達に対して、「見えないものが見えるとドッキリする。微生物は目に見えない小さな生き物だが、見えないものを見るひとつの方法として、顕微鏡等で拡大すれば見ることができる、また、逆の発想で、小さなものをいっぱい増やして集団として見る(寒天培養してコロニーとして見る)方法もある。物事の解決方法はひとつではない。視野を広げ、いろいろな発想で柔軟にチャレンジし、達成、解決できた時の喜び、驚きを大切にして欲しい」とのメッセージが送られた。

授業を行う平野先生

クイズに答える子供達 顕微鏡で見える微生物の形を説明する平野先生
◆第22回愛知サマーセミナー参加報告
愛知サマーセミナーは、地域市民と学校が結びついた市民参加型セミナーであり、「誰でも先生になれる」「誰でも生徒になれる」のが特徴である。
JBAでは、産業と社会部会の活動の一環として、平成20年度より、「青いバラ」を題材として講義を実施してきた。
本年は特別講座・一般講座を含め、多彩な内容の1,408講座(うち生徒自身が教壇に立った講座350講座)が実施され、延べ約50,000名(うち生徒受講者15,026名、市民参加23,062名)が参加した。
55の特別講義の中で、「青いバラ」の講義は21位にランクされ、講義参加者からは、“花”の研究には、女性が向いているのか、「青いバラ」は不可能の代名詞といわれたが、その不可能に取り組んだ最も大きな理由はなんだったのか、等の質問が寄せられた。
「青いバラ」以外の特別講義で当協会に関係のあるところでは、明治製菓渇ル子商品企画部・山内義教氏による「チョコレートができるまで」、バイテク情報普及会事務局長・福冨文武氏による「甘いお話、砂糖を食べると太るんですか?」が行われた。
この他にも、脚本家・山田太一氏、足利事件の元被告・菅家利和氏、建築家・安藤忠雄氏らによる特別講義、生命のつながりを学ぶCOP10企画等が実施された。
特別講座タイトル:「青いバラ」の夢をかなえたバイオテクノロジー
講 師:サントリーホールディングス株式会社 知的財産部 山本和守氏
開催日時:平成22年7月17日(土) 11:10〜12:30
開催場所:椙山女学園高等学校北斗館201号室
参 加 者:小学生から大人まで 約80名

“「青いバラ」の夢をかなえたバイオテクノロジー”講義風景
◆産業と社会部会総会開催
以下のとおり部会を開催し、昨年度の活動報告を行った他、今後の活動方針等について協議した。
開催日時:平成22年8月25日(水) 13:30〜15:30
開催場所:(財)バイオインダストリー協会 第一会議室
議事次第:
1.平成21年度活動報告
(1)平成21年度経済産業省受託事業実施報告
「バイオ事業化に伴う生命倫理問題等に関する研究(バイオテクノロジーの産業化に伴う諸問題について国民理解を促進するための調査研究)」
(2)(財)日本科学技術振興財団との理科教育に関する協力・連携
2.今年度の活動について
(1)社会教育/情報発信WG活動の継続
「みんなのバイオ学園(http://www.jba.or.jp/top/bioschool/index.html)」の活用・普及等
(2)新規取り組み
@バイオテクノロジーに関して理解を深めるための広報資料取りまとめ(参考BIO作成資料)
A過去に産業と社会部会で取り組んだ調査等のデータ更新(バイオ技術創出WG「Bio Museum」、「西暦2000年のバイオ」等)
B企業によるCSR活動(産業界として何が出来るか、どういうサポートを望むか、等)
C3,000万円以上の研究助成を受けている研究者への国民との対話推進サポート
D健康・機能性食品に関する普及・啓発のための調査、企画(規制のあり方等)
Eその他(メンバーからの要望 等)
(3)産業と社会部会の今後
部会ミッション、企業メンバー、正・副委員 等
3.その他