バイオインダストリーの発展を産官学で総合的に推進する機関

今年で3度目となるアカデミックシーズ発表会は、BioJapan2011展示会場内の4つのプレゼン会場にて開催した。
卓越した大学等研究機関の技術シーズを基礎に産学協同研究および技術移転の加速を図るべく、海外ビックファーマや製薬企業をはじめとする国内外優良・大企業を対象に、20の研究機関(京都大学、徳島大学、筑波大学、産業技術総合研究所、medU-net(医学系大学産学連携ネットワーク協議会/東京医科歯科大学、聖マリアンナ医科大学、東海大学、福井大学、山口大学、宮崎大学、札幌医科大学、奈良県立医科大学)、理化学研究所、東北テクノアーチ、東北大学産学連携推進本部、東京工業大学、九州大学知的財産本部、国立循環器病研究センター、かずさディー・エヌ・エー研究所)により、最新研究成果を紹介する全59のプレゼンが行われた。
発表機関の中には、4年前にスタートした大学・TLOポスターブースから継続的に参加いただいているところもあった。
発表内容は、医療・創薬、食品、メタボロミクス、放射能汚染土壌浄化、バイオエネルギー、バイオリファイナリー、バイオデバイス、疾患モデル生物等、多彩で時機を得たものとなった。
参加大学・機関は、ビジネスパートナリングのマッチングシステムをフル活用した個別ミーティングを積極的に行い、技術導入、共同開発、共同研究、投資等を生むバイオ事業のチャンスを掴む場として活用されていた。前日まで日程調整中であったものが、直前になってパタパタと(オセロのコマをひっくり返すように)面談成立したとの話もうかがった。ひとつでも多くの面談を行いたい、との粘りがチャンスを引き寄せたものと思われる。3日間で合わせて17件の個別ミーティングを行った機関もあった。ぎっしりと面談予定を入れ、TLO・産学連携ポスター展示コーナー(発表機関には一枠ずつセット)と商談コーナーとを文字通り縦横に走り回る様子も見られた。休憩もほとんど取れず、体力と気力を尽くした3日間であったようである。
会期中、マッチングシステムを利用して面談に至った件数は87件であった(継続集計中、10月18日判明分)。
発表会場受付前には発表スライド資料、各種パンフレット、特許リスト、名刺受けやメッセージ記入カード、工夫を凝らしたアンケート用紙等が設置され、来場者の思いを汲み取り次のアクションにつなげたい、との並々ならぬ意気込みが感じられた。
アカデミックシーズ発表会としては、震災を反映してか、環境、エネルギー、抗ストレスといったテーマが特に興味を引いていた。筑波大学では、食の話題「北アフリカ食薬シーズ産業化イノベーション拠点の形成 」、「組換えトマトを利用した次世代甘味料ミラクリンの製造技術」および、「藻類と石油代替原料の研究開発」を取り上げた。会場の椅子は全席埋まり、周囲から急遽かき集められた椅子も見る間に着席されていった。
また、産業技術総合研究所の「健康と安全を考える」では、「セシウム等放射能汚染土壌の対策技術」、「放射線による生体障害を軽減」、「健康リスク物質の削減技術について−セシウム除去を中心に−」、「認知機能にもとづく精神性ストレスの評価」などのテーマが並び、立ち見の観客で賑わっていた。
医療・創薬テーマも、「脳の仕組み」、「心血管疾患分子機構」、「神経変性疾患」、「iPS細胞」、「アルツハイマー病の新規治療薬」、「糖鎖医工学」、「救急車内で使用可能な血栓溶解療法」など興味深いテーマが並び、質疑応答も活発であった。
講師の方々は積極的に発表会場で、あるいは各TLO・産学連携ポスター展示コーナーに移動して、より突っ込んだ質問に応えておられた。
3日間合わせて873名の聴講者を得て盛況のうちに終了した。3日間の活動を契機として、新たな共同研究や具体的なビジネス展開につながるものも多いと確信している。
会場:パシフィコ横浜BioJapan2011 展示会場内
アカデミックシーズ発表会/出展者プレゼンテーション会場
日時:平成22年10月5日(水)〜7日(金 )

発表風景(左より筑波大学、産業技術総合研究所、理化学研究所)
展示ブース、TLO・産学連携ポスター展示コーナーでの説明風景