2016 VOL.74 NO.3

更新日:2018年12月19日

巻頭言

◆国際基準に適合した次世代バイオ医薬品製造技術の完成に向けて(東原敏昭)

総説

◆微生物によるオピオイドの発酵生産(中川 明・南 博道)
Micrbial production of opiates

要旨
モルヒネをはじめとするオピオイド系鎮痛剤は、強い鎮痛作用があり、がんやリウマチ等に伴う強い痛みの処方に用いられている。しかし、これらの医薬品は、植物からの抽出物を原料に製造されるため、薬価が比較的高く、安価な生産方法の創出が望まれている。微生物によるオピオイド生産は、合成生物学分野において注目を集めており、本稿ではその現状、課題、今後の展望について概説する。

キーワード
モルヒネ、オピオイド、微生物生産、植物二次代謝産物、P450

解説

◆DNAオリガミとその応用(村田 智)
DNA origami and its applications

要旨
2006年にP. RothemundがDNAオリガミを発表してから、ちょうど10年になる。この間に、その論文は3,000回近く引用されており、広汎な分野へ波及していることがわかる。本稿では、DNAオリガミ技術とは何か、どんなことができるのか、そして、どんな応用があるか、また今後どのような方向に展開していくのかについて述べる。

キーワード
DNA ナノテクノロジー、DNAオリガミ、DNAナノ構造、DNAオリガミの応用

◆汚水を用いたウキクサバイオマス生産とバイオリファイナリーへの応用(遠山 忠・森 一博・池 道彦・森川正章)
Production of duckweed biomass from wastewater and its application to biorefinery

要旨
次世代バイオマス資源として名乗りを上げるウキクサのバイオマス生産性と資源価値、およびそれらを高める取り組みを紹介したい。

キーワード
ウキクサ、バイオマス資源、デンプン、植物成長促進細菌

◆植物常在微生物の酵素で生分解性の農業用マルチフィルムを素早く分解(北本宏子・小板橋基夫)
Accelerated degradation of agricultural mulch biofilms by enzymes of phylloplane microorganisms

要旨
生分解性プラスチック製の農業用マルチフィルムは、野菜の収穫後、畑の土に鋤込めば分解されるので、回収する手間を省ける。フィルムの鋤込みを容易にするために開発している、酵素処理で急速劣化させる方法について紹介する。

キーワード
生分解性プラスチック、酵素、農業用マルチフィルム、植物常在菌、酵母

◆シングルセル解析に基づく環境中におけるプラスミドの宿主域の解明(新谷政己)
Host range investigation of plasmids in various environments based on single cell analysis

要旨
プラスミドは、微生物の急速な進化・適応能を担う重要な遺伝因子であるとともに、分子生物学の必須ツールでもある。本稿では、プラスミドの環境中における宿主域の解明を目指した、最新の取り組みについて述べる。

キーワード
プラスミド、環境微生物、シングルセル解析、遺伝子の水平伝播、宿主域

トピックス

◆細胞の接着制御技術によるヒトiPS細胞の分化誘導(オケヨ・ケネディ・黒澤 修・鷲津正夫)
Induction of iPS cell differentiation by cell adhesion control

キーワード
メッシュ培養、細胞接着制御、iPS細胞、分化誘導、トロフォブラスト

◆がん細胞のシングルセル解析(鈴木絢子・鈴木 穣)
Single cell analysis of cancer cells

キーワード
single cell、transcriptome、epigenome、heterogeneity、fluidigm C1 system

◆骨格筋組織培養用マイクロ流体チップの開発(清水一憲)
Development of microfluidic chips for cultivation of skeletal muscle microtissues

キーワード
骨格筋疾患、培養骨格筋組織、マイクロ流体デバイス、筋収縮、医薬品開発

◆糸状菌に由来する新規ステロイド11β水酸化酵素の同定(日比 慎・木村隆利・小川 順)
Identification of novel steroid 11β-hydroxylase from a filamentous fungus

キーワード
コルチゾール、シトクロムP450モノオキシゲナーゼ、微生物酵素触媒

◆脊椎動物ゲノム・トランスクリプトームアセンブリ完全度を評価する(原 雄一郎)
Assessing completeness of vertebrate genome and transcriptome assemblies

キーワード
アセンブリ完全度、CVG、ゲノム進化、脊椎動物

◆中性子構造解析で明らかになった立体反転型セルラーゼのユニークな活性残基(中村彰彦・石田卓也・鮫島正浩・五十嵐圭日子)
Neutron crystallography revealed unusual active residues of an inverting cellulase

キーワード
セルラーゼ、中性子構造解析、プロトン伝達

◆飼料稲からエタノールと優良サイレージを農地で作る(堀田光生・北本宏子)
Simultaneous production of bioethanol and high-quality silage in forage rice field

キーワード
バイオエタノール、サイレージ、飼料稲、固体発酵、ロールベール

◆バクテリアの遺伝子導入による植物リグニンの構造改変(梶田真也・政井英司)
Modification of plant lignin structure by introduction of the bacterial gene

キーワード
細胞壁、植物バイオマス、代謝制御

◆微生物は錬金術師~レアメタルの回収・資源化~(堀池 巧・山下光雄)
Refining rare metals by microbes

キーワード
メタルバイオテクノロジー、金属固化微生物、レアメタル、希土類元素(REE)

バイオの窓

◆バイオハッカーの足音に耳を澄ませて(海老原 充)

シリーズ

バイオビジネスシリーズ③
◆タカラバイオの事業戦略(仲尾功一)

産業と行政

◆創薬における産学連携を活性化するために ~東大での経験から~(加藤益弘)

国際動向

シリーズ:グローバル連携⑥
◆オーストラリアのバイオテクノロジーの中心地:ビクトリア州、州都メルボルン(Adam Cunneen)

◆名古屋議定書の下でのEU 域内遵守措置「EU 規則No511/2014」の現状(井上 歩)

JBAニュース

◆新資源生物変換研究会シンポジウム「熟成の微生物科学」を企画して(石井正治)

JBA 新資源生物変換研究会シンポジウム
◆次世代のバイオ技術を切り開く日本の強み(高木 忍)

◆沖縄本島のサトウキビ栽培および製糖事業に関する調査報告

◆平成27年度全国バイオ関係者会議 幹事会報告

◆国際連携関連セミナー紹介

◆第13回BIO-Asia 2016報告

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