2017 VOL.75 NO.1

更新日:2017年1月 1日

巻頭言

◆バイオインダストリー協会30 周年によせて(清水 昌)

目で見るバイオ

◆近赤外生物発光により生体深部を可視化する(口丸高弘・近藤科江)

キーワード
生物発光、近赤外光、生体イメージング

総説

◆物理化学的解析技術を利用したリガンドスクリーニング(長門石 曉・津本浩平)
Ligand screening using biophysical methods

要旨
創薬標的となるタンパク質群には、生化学的な取り扱いが困難なものも少なくない。そのため標的タンパク質に対して特異的に結合する化合物を選抜するには、結合挙動を定量的に解析できる高感度な検出技術が必要不可欠であり、化合物の結合に関するバリデーションやオプテマイゼーションにおいて"質"を評価することが重要となっている。そこで物理化学的な解析技術が注目を集めている。本稿ではまず既存薬における物理化学的な特徴について解説する。つづいて筆者らが積極的に取り組んでいる速度論的解析と熱力学的解析におけるスクリーニング技術開発について紹介する。

キーワード
低分子創薬、物理化学解析、SPR、ITC

解説

◆古くて新しい酢酸菌の酸化発酵(桜井健太・石井正治・新井博之)
New observations of oxidative fermentation in acetic acid bacteria

酢酸菌に特徴的な性質である不完全酸化は酸化発酵と呼ばれ、古くから産業利用されてきた。近年、網羅的な遺伝子発現解析から明らかになった、不完全酸化における中央炭素代謝とエネルギー代謝のダイナミックな制御を紹介する。

キーワード
酢酸菌、酸化発酵、不完全酸化、完全酸化、トランスクリプトーム解析

◆抗がん剤開発を目指したがん細胞三次元初代培養法の確立(井上正宏)
Developing cancer drugs using a primary three-dimensional culture method for cancer cells

要旨
筆者らの開発した新しいがん細胞三次元初代培養法であるCTOS 法は、純粋ながん細胞を高効率に安定して調製・培養できる。患者腫瘍の特性を保持した状態のがん細胞で感受性試験、あるいは薬剤スクリーニングを行うことができる。

キーワード
初代培養、三次元培養、がん細胞、感受性試験、スクリーニング

◆タンパク質間相互作用ネットワークの超高速マッピング(増山七海・山本-エヴァンス 楠・谷内江 望)
High-throughput mapping of protein-protein interaction networks

要旨
網羅的なタンパク質間相互作用情報(インタラクトーム)はゲノム変異情報からがんなどの様々な疾患メカニズムを説明するための鍵となることがわかってきた。これまでにない規模でインタラクトームを同定する新技術を解説する。

キーワード
タンパク質間相互作用、インタラクトーム、酵母ツーハイブリッド(Y2H)、DNA バーコード、超並列DNA シーケンシング

◆膜タンパク質の耐熱化につながるアミノ酸置換の理論的予測(木下正弘・村田武士)
Theoretical prediction of amino-acid mutations leading to thermostabilization of membrane proteins

要旨
筆者らは、膜タンパク質に対するあらゆるアミノ酸置換の中から立体構造を大きく安定化させる複数の置換を選定する理論を開発中である。その概要、これまでの実績、予想される産業界へのインパクト、解決すべき問題点について述べる。

キーワード
G タンパク質共役型受容体、立体構造安定性、並進配置エントロピー、分子内水素結合、統計熱力学

トピックス

◆微生物由来セサミン代謝酵素の発見 (熊野匠人・小林達彦)
The novel enzyme for sesamin metabolism in microorganism

キーワード
セサミン、テトラヒドロ葉酸、酵素、代謝、微生物

◆オオムギの種子休眠制御遺伝子の発見(佐藤和広)
Identification of the grain dormancy gene in barley

キーワード
ビール醸造、穂発芽、育種、DNA マーカー

◆酵母による褐藻糖質からのエタノール生産(河井重幸・村田幸作)
Production of ethanol from brown macroalgal sugars using Saccharomyces cerevisiae

キーワード
出芽酵母、褐藻、アルギン酸、マンニトール

◆根粒菌の新たな機能を発見:ジベレリン生合成と根粒数制御(立上陽平・植田充美)
New function in Rhizobia: gibberellin biosynthesis and regulation of the host nodule number

キーワード
symbiosis、nodule、Lotus japonicus、Mesorhizobium loti、gibberellin

◆放線菌においてジアゾ基の生合成を担う亜硝酸生合成経路(勝山陽平・菅井佳宣・大西康夫)
Nitrous acid biosynthetic pathway responsible for the biosynthesis of diazo-containing natural products in actinomycetes

キーワード
放線菌、生合成、ジアゾ基、亜硝酸、天然物

◆近赤外生物発光による高感度な生体深部イメージング(口丸高弘・近藤科江)
Highly sensitive imaging of deep tissues using near-infrared bioluminescence

キーワード
生物発光、近赤外光、生体イメージング

◆タンパク質の凝集を抑制する人工分子シャペロン(仲本正彦・三浦佳子・星野 友)
Protein disaggregation by artificial molecular chaperones

キーワード
ナノゲル粒子、リフォールディング、脱凝集、プラスチックシャペロン

学会見聞記

◆日本生物工学会大会(雄谷洸一・津田直人・山﨑 史・山本秀明)

バイオの窓

◆次世代の天然物からの創薬を目指して(佐藤文治)

産業と行政

◆ヒト生体試料の産業応用へ向けた取り組み~福島コレクション~(今井順一・渡辺慎哉)

◆20 周年を迎えた遺伝子組換え作物商業栽培を考える(冨田房男)

国際動向

◆リトアニアのエコシステム(塚本芳昭)

JBAニュース

◆グリーンバイオイノベーションフォーラム(GIF)設立記念シンポジウム

◆BioJapan2016 /再生医療JAPAN2016

◆JBA 三賞 合同授与式、発表会

JBA人事異動(退任・自己紹介) 

次号予告


編集後記

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