2017 VOL.75 NO.3

更新日:2017年3月 1日

巻頭言

◆ももくり3年目のAMED(末松 誠)

目で見るバイオ

◆微細藻類による物質生産のための高速・無標識・一細胞代謝物イメージング(小関泰之・合田圭介)

キーワード
微細藻類、ミドリムシ、代謝物、一細胞計測、誘導ラマンイメージング

総説

◆«バイオインダストリー協会賞 受賞論文»
麹菌の遺伝子工学研究の基盤形成と遺伝子発現制御解析に基づく応用技術開発
(五味勝也)
Development of genetic engineering technology in a koji-mold, Aspergillus oryzae, and its application for production of useful substances based on gene regulation analyses

要旨
麹菌は我が国の発酵・醸造産業において最も重要な微生物の1 つであり「国菌」とも称されている。麹菌の遺伝子工学研究は、麹菌と同じく発酵産業上重要である酵母に比べて立ち遅れていたが、筆者らにより世界に先駆けて麹菌の宿主・ベクター系が確立され、それを契機に我が国の糸状菌研究が大きく発展した。ここでは、筆者が携わってきた麹菌における遺伝子工学技術の開発と麹菌を特徴づける固体培養および液体培養におけるアミラーゼ生産に関わる遺伝子発現制御機構の解析結果について紹介する。

キーワード
麹菌、遺伝子組換え技術、アミラーゼ生産、遺伝子発現制御、固体培養

解説

◆酵母における一酸化窒素の分子機能と応用(高木博史)
Molecular function of nitric oxide in yeast and its application

要旨
一酸化窒素(NO)は生体内の重要なシグナル分子である。本稿では高等生物のモデルとして、また発酵産業において重要な酵母に見いだした新規なNO 合成制御機構と生理的役割について解説し、育種や創薬への取り組みも紹介する。

キーワード
酵母、一酸化窒素、プロリン・アルギニン代謝、酸化ストレス、抗酸化機構

◆石炭をメタンに変えるメタン生成古細菌の新機能(持丸華子・坂田 将・鎌形洋一)
Methanogenesis from coal by methanogenic archaea

要旨
深部地下から獲得したメタン生成古細菌が多様なメトキシ芳香属化合物や同化合物を含む石炭から単独でメタンを生成することを発見した。コールベッドメタン等の天然ガスの成因解明につながる最新の研究成果を解説する。

キーワード
深部地下圏、メタン生成古細菌、コールベッドメタン、メトキシ芳香族化合物、油田

◆植物の花による熱産生-ザゼンソウの体温調節性と研究の新展開-(稲葉靖子)
Possible mechanisms underlying temperature regulation by the inflorescence of skunk cabbage

要旨
花で発熱する植物の中には、一過的な発熱にとどまらず、体温を調節できる植物が存在する。本稿では、これらの植物の特徴と、その中でも特に発熱の安定性と持続性に優れたザゼンソウの研究から、最新の知見について概説する。

キーワード
原始種子植物、ザゼンソウ、シアン耐性呼吸酵素、ミトコンドリア、花成

トピックス

◆進化分子工学による実用的な遺伝子誘導系の開発(梅野太輔)
Development of practical gene induction systemsthrough directed evolution

キーワード
進化分子工学、コリン、生合成、転写因子

◆エピジェネティクスによる血漿レジスチン濃度調節機構の解明(中杤昌弘・市原佐保子・山本 健・横田充弘)
Epigenome-wide association study on the regulation of the plasma resistin concentration

キーワード
レジスチン、DNA メチル化、エピジェネティクス、エピゲノムワイド関連研究(EWAS)、一塩基多型(SNP)

◆iPS細胞を用いたがん抗原特異的キラーT細胞作製法の開発(前田卓也・河本 宏)
Regeneration of tumor antigen-specific cytotoxic T lymphocytes utilizing iPSC technology

キーワード
CTL、T-iPSC、WTI

◆肥満の慢性炎症を体外から観察する(真田洋平・矢中規之)
Non-invasive visualization of inflammation in mouse fatty tissue

キーワード
肥満、in vivo imaging、慢性炎症、Saa3

◆接ぎ木によるエピゲノム編集作物の作出(葛西厚史・原田竹雄)
Epigenome editing in crops by grafting

キーワード
エピゲノム編集、接ぎ木、siRNA、ジャガイモ、新育種技術

◆植物でのタンパク質の高効率翻訳を可能にする数理モデル(加藤 晃・山﨑将太朗)
Mathematical model that enables high-efficiency translation of proteins in plant

キーワード
タンパク質生産、翻訳、ゲノムワイド解析、数理モデル、予測

◆実用珪藻ツノケイソウによるリシノール酸の生産(福澤秀哉・梶川昌孝)
Production of ricinoleic acid by an oleaginous diatom

キーワード
油脂工学、微細藻、リシノール酸、水酸化脂肪酸、エストライド

◆硫酸酸性温泉に生息する紅藻による希土類・貴金属の選択的回収(蓑田 歩)
Effective and selective recovery of rare earth elements and precious metals by sulfo-thermophilic red alga

キーワード
希土類、貴金属、藻類、選択的回収、Galdieria sulphuraria

30th Anniversary JBA【2】

◆バイオインダストリー発展のための課題(大石道夫)

◆バイオテクノロジーの現状と今後の期待(西村秀隆)

◆農芸化学とバイオインダストリー(西山 真)

◆JBA30 周年に寄せて(松岡克典)

◆JBA 設立30 周年のお祝い(戸田雄三)

JBA 30周年記念シリーズ

◆各国が推進するバイオエコノミー戦略とは何か?【第1回】
バイオエコノミーが推進するグリーンエコノミーとサーキュラーエコノミー
(坂元雄二・原 泰史)

バイオの窓

◆見えているものはなんでしょう?(横井崇秀)

産業と行政

◆研究経営」という出口戦略(内海 潤・益山光一)

◆ヒトマイクロバイオーム研究を活用したバイオ産業への新たな期待(坂田恒昭・松本弥生)

◆我が国の名古屋議定書の下での国内措置について(井上 歩)

国際動向

◆英国のバイオエコシステム(塚本芳昭・森下節夫)

JBAニュース

◆JBA 新資源生物変換研究会シンポジウム「有用微生物の農作物への新しい展開とその将来像」(髙木 忍・安枝 寿・松山彰収・石井正治)

◆発酵と代謝研究会・第1回勉強会(小川 順)

◆国際連携関連セミナー フィンランドにおけるヘルスケアサイエンスの強み、デジタルヘルスの最新事情等

◆平成28年度 全国バイオ関係者会議幹事会報告

会員の動き


JBA人事異動(着任)


次号予告


編集後記

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