2017 VOL.75 NO.4

更新日:2017年4月 1日

巻頭言

◆新しい酒は新しい革袋に盛れ(黒川 清)

総説

◆明らかになりつつある天然ゴム生合成の分子機構(高橋征司・山下 哲)
New aspects of molecular mechanism of natural rubber biosynthesis

要旨
天然ゴムは長い利用の歴史を有し、多様な合成ゴムが開発されている現代においても、産業的に不可欠な機能性天然材料である。しかし、その詳細な生合成機構は長らく謎のままであった。本稿では、近年、その実態が明らかになりつつある天然ゴム生合成酵素の反応機構について概説する。

キーワード
天然ゴム、パラゴムノキ、プレニル鎖延長酵素、ゴム粒子、無細胞タンパク質合成

解説

◆Asian Microbiome Project :アジア人腸内細菌叢の実態調査(余田美沙子・中山二郎)
Gut microbiota survey of Asian people

要旨
国際共同研究Asian Microbiome Project ではアジア人の腸内細菌叢の実態調査を行っている。その結果、各国固有の腸内細菌叢が観察されるも、全体として大きく2つの細菌叢タイプに分かれ、現代食がその分布を変えつつあることがわかってきた。

キーワード
アジア、腸内細菌叢、エンテロタイプ、食習慣、西欧食

◆人工染色体を用いたセントロメア機能獲得のエピゲノム制御解析(大関淳一郎・舛本 寛)
Analyses for epigenetic controls of functional centromere acquisition using human artificial chromosomes

要旨
セントロメアは、染色体分配に必須な役割を担うクロマチン領域である。合成DNA から開発されたヒト人工染色体とクロマチン操作により明らかにされたセントロメアのエピジェネティックな維持機構を紹介し、最後に人工染色体技術の利用について述べる。

キーワード
セントロメア、CENP-A、KAT-7、クロマチン、アルフォイドDNA

◆古典的手法の再考がもたらす難培養・未知微生物の培養化(玉木秀幸・川崎公誠・鎌形洋一)
Small things lead to cultivation of uncultured microorganisms

要旨
1890 年代に確立され、近代微生物学の根幹を支えてきた寒天培養法。一方、この方法で培養可能な微生物は1% にも満たないと言われて久しい。なぜ培養できないのか。古典的な培養法を改めて見直すことで、その謎解きのヒントを探る。

キーワード
難培養性微生物、未知微生物資源、分離培養、寒天平板培養、gellan gum 平板培養

トピックス

◆ポリケチド化合物の生合成に関与する新規カルボキシル化酵素(宮澤 岳・高橋俊二・長田裕之)
A novel acyl-CoA carboxylase involved in polyketide biosynthesis

キーワード
アシルCoA カルボキシラーゼ、アルキルマロニルCoA、ポリケチド、クリックケミストリー、生合成

◆イオン性界面活性剤を用いた新しいタンパク質濃縮技術(野島達也)
New method of protain condensate using ionic surfactant

キーワード
タンパク質、液状材料界面活性剤、タンパク質濃縮、タンパク質凝縮体

◆バケツ一杯の水で魚種を検出:環境DNAメタバーコーディング(宮 正樹)
Environmental DNA metabarcoding of fishes

キーワード
次世代シーケンサー、魚類群集、生物モニタリング

◆Wet とDry のコミュニケーションによるアカデミア創薬(児玉耕太・斉尾智英・前仲勝実・金城政孝)
Academia Drug Discovery by communication between wet and dry methods

キーワード
Structure Based Drug Design(SBDD)、in silico screening、抗生物質、化合物ライブラリー

◆シラー種ブドウに含まれる胡椒様香気成分rotundone生合成機構(高瀬秀樹・鈴木俊二)
Biosynthetic mechanism of the spicy aroma compound rotundone in'Syrah'grapes

キーワード
rotundone、シラー、ワイン、CYP71BE5

◆リグニンから機能性芳香族モノマーを海洋性バクテリアの酵素で作る(大田ゆかり)
Production of functional aromatic monomers from lignin using marine bacterial enzymes

キーワード
リグニン、海洋性細菌、リグニン分解酵素、芳香族モノマー、フェニルプロパノン

学会見聞記

◆日本農芸化学会大会(大坪嘉行・此木敬一・榎本 賢・松沢智彦・永塚貴弘・都築 毅・戸部隆太・渡部 昭・小酒井貴晴・岡澤敦司)

バイオの窓

◆海外学会雑感 (渡邊正人)

30th Anniversary JBA【3】

◆バイオテクノロジーの可能性への挑戦 ~バイオエコノミーの発展に向けて~(永山 治)

JBA 30周年記念シリーズ

◆各国が推進するバイオエコノミー戦略とは何か?【第2回】 バイオエコノミーによるゲームチェンジを私たちはどう受けるか:欧州の動向に対する一考察(五十嵐圭日子)

産業と行政

◆遺伝子治療研究開発の国内外の状況と今後への課題(今西典昭・泉 和生・石井 健)

◆我が国の名古屋議定書の下での国内措置について~ JBA のパブコメ対応及び措置への対応に際しての留意点~(井上 歩)

◆化石燃料に代わるバイオ燃料創出に向けて(1)

◆特集を組むにあたって(荒 勝俊)

◆微細藻燃料生産システムの確立に向けて バイオ燃料源としての微細藻ポテンシャル評価基準(山﨑秀司・福田裕章)

◆NBRC における油脂産生藻類への取り組み(関口弘志・岡田和也・山﨑秀司)

JBAニュース

◆3研究会合同講演会 微生物の高度利用に向けた高次機能開拓:代謝・膜・オルガネラの視点から(栗原達夫・阿部哲也)

◆バイオ関連産業マッチング面談&発表会

◆アルコール・バイオマス研究会主催講演会 「生活を豊かにするアルコール飲料開発の最前線」

◆発酵と代謝研究会・第2回勉強会

会員の動き


JBA人事異動(着任)


次号予告


編集後記

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