2017 VOL.75 NO.6

更新日:2017年11月21日

巻頭言

◆超スマート社会実現に向けた生物工学の使命(木野邦器)

総説

◆microRNA 応答スイッチシステムによるヒト細胞状態の可視化と目的細胞の選別(中西秀之・齊藤博英)
Visualization and selection of target cells using microRNA-responsive switch systems

要旨
多能性幹細胞は様々な細胞種へ分化する能力を有する。しかしながら、それらの細胞を再生医療や薬効評価に用いる際は、細胞種を見分け、目的のものを選別する必要がある。本稿では、異なる細胞種間ではmicroRNA(miRNA)活性に違いがあることを利用して細胞種選択的に導入遺伝子を発現させるmiRNA 応答スイッチシステムについて解説する。このシステムにより、蛍光強度に基づく細胞種の判別や、不要な細胞種の除去が可能となる。

キーワード
多能性幹細胞、microRNA、メッセンジャーRNA、分化、遺伝子導入

解説

◆毛包再生が切り拓く器官再生医療(杉村泰宏・辻 孝)
Three-dimensional organ regenerative medicine through hair follicle regeneration

要旨
次世代再生医療として器官再生医療が期待されている。毛包は上皮・間葉相互作用によって誘導される器官であり、成体になっても器官再生能を有する唯一の器官である。私たちは、世界に先駆けた器官再生医療の実現に向けて、毛包再生医療の研究開発を進めている。本稿では、毛包再生医療の実現可能性や再生医療の産業化における重要性を述べたい。

キーワード
毛髪再生、再生医療の産業化、次世代再生医療、器官再生医療

◆β-1,2-グルカン分解酵素の発見とそれを用いたβ-1,2-グルカンの大量合成(中島将博・田口速男)
Exploration of β-1,2-glucan-hydrolizing enzymes and application to synthesis of β-1,2-glucan

要旨
β-1,2-グルカンは大量調製が困難なため、その機能や利用はほとんど検討されていない。本稿ではβ-1,2-グルカンに作用する酵素群の探索とそれを用いたβ-1,2-グルカンの大量合成について紹介する。

キーワード
β-1,2-グルカン、糖加水分解酵素、糖質加リン酸分解酵素

◆多変量データから新規の関係性を検出するツール「ConfeitoGUIplus」の開発(尾形善之・鈴木秀幸)
Development of ConfeitoGUI, a toolkit to detect novel relationships from multivariate big data

要旨
多変量データから新規の関係性を探り出すアプローチの1つとしてConfeitoGUIplus を開発した。これまで関連付けの困難であった異種のデータセットに対しても、効率的に関係性を抽出できる。

キーワード
多変量解析、相関ネットワーク、ビッグデータ、次世代シーケンサー

◆納豆のネバネバを誘導する修飾ペプチドフェロモンの構造(岡田正弘・阿部郁朗)
Structure of an isoprenylated peptide pheromone that induces poly-γ- glutamate production in natto

要旨
本稿では、納豆のネバネバの原因物質であるポリガンマグルタミン酸の生産を誘導する、トリプトファン残基が翻訳後修飾によりイソプレニル化された修飾ペプチド、ComXnatto フェロモンについて解説する。

キーワード
イソプレニル化、クオラムセンシング、トリプトファン、翻訳後修飾、ペプチド

トピックス

◆大気圧低温プラズマを用いた植物細胞へのタンパク質導入(柳川由紀・沖野晃俊・光原一朗)
Direct protein introduction into plant cells using non-thermal atmospheric-pressure plasmas

キーワード
大気圧低温プラズマ、植物細胞、タンパク質導入

◆ロタウイルスの人工合成とワクチン開発への展望(金井祐太・小林 剛)
Artificial synthesis of rotavirus and perspective for vaccine development

キーワード
ロタウイルス、ウイルス人工合成、ワクチン開発、ウイルスベクター

◆硫化水素に応答した遺伝子発現制御(清水隆之・増田真二)
Regulatory mechanism of reactive sulfur species-dependent gene expression

キーワード
硫化水素、活性イオウ分子種、転写因子、光合成細菌、システイン修飾

◆黒麴菌のゲノム解析(山田 修)
Genome analysis of the black koji mold, Aspergillus luchuensis

キーワード
黒麴菌、Aspergillus luchuensis、ゲノム解析、安全性、MAT 遺伝子

◆定量プロテオミクス法による酵母の糖代謝制御機構の解析(松田史生)
Proteome analysis of the central carbon metabolism in Saccharomyces cerevisiae

キーワード
中心代謝、出芽酵母、定量プロテオミクス

◆ダイコンの辛味成分合成遺伝子の同定と育種への利用(柿崎智博・石田正彦)
Identification of a gene involved in glucosinolate biosynthesis in radish and its application for breeding

キーワード
二次代謝産物、グルコシノレート、合成経路、野菜育種、新形質ダイコン

◆多様なリボゾーム翻訳後修飾ペプチド(RiPPs)の試験管内生合成(尾㟢太郎・後藤佑樹・尾仲宏康)
In vitro synthesis of diverse ribosomally synthesized and post-translatinally modified peptides (RiPPs)

キーワード
抗生物質生合成、放線菌、中分子創薬、無細胞翻訳系、翻訳後修飾

バイオの窓

◆名古屋議定書は植物など生物学研究を脅かす存在か?(矢崎一史)

JBA 30周年記念シリーズ

各国が推進するバイオエコノミー戦略とは何か?【第4回】

◆第2 回グローバルバイオエコノミーサミットの開催に向けて(上村昌博・藤島義之)

シリーズ

「バイオと知的財産」2016 年度知的財産委員会活動報告

◆特集を組むにあたって

食品用途発明に関するワーキンググループ
◆食品用途発明〜改訂審査基準運用開始後の現状について〜(鹿島隆則、齋藤明敏、白神清三郎、堤浩子、熊澤陽一、秋元健吾、秋元浩)

産業と行政

化石燃料に代わるバイオ燃料創出に向けて(3)

◆微細藻ユーグレナの屋外培養と増殖速度のモデル化(嵐田 亮・加藤宏明)

◆油糧微生物ラビリンチュラを利用したバイオジェット燃料生産の研究開発(松田高宜)

◆特集を振り返って藻類バイオ燃料実用化への新たな出発点の確立(小俣達男)

◆オープンイノベーションによる新しい医療クラスター(北大阪健康医療都市(愛称:健都))の形成(湯元昇)

◆21年目を迎えた遺伝子組換え(GM)の商業栽培と我が国における遺伝子組換え作物をめぐる状況(冨田房男)

国際動向

◆こんなに違う!ドイツの大学病院と医療(樋口隆弘)

◆海外主要クラスターとの協力方針とBIO International Convention San Diego 2017 参加報告(塚本芳昭)

特集

◆第1回バイオインダストリー大賞・奨励賞(江口あつみ)

 第1回バイオインダストリー大賞受賞 京都大学高等研究院本庶佑特別教授インタビュー

 第1回バイオインダストリー奨励賞受賞 ― 10人のメッセージ ―

JBAニュース

◆バイオエンジニアリング研究会 協和発酵キリン 高崎工場バイオ 医薬原薬製造施設、製剤施設見学会

◆JBA バイオリーダーズ研修2017

◆第7 回合成生物工学シンポジウム

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