機関誌・ライブラリ

最新号の目次

2024 VOL.82 NO.4

巻頭言

・バイオものづくりによるGXの推進(近藤昭彦)

目で見るバイオ

・「死なない」クマムシのライブイメージング(田中 冴・荒川和晴)

・1アミノ酸残基が決定する2つのmRNA輸送体の構造と複合体形成の選択性(藤田賢一・増田誠司)

・油と水の界面に形成されるバイオフィルムのライブイメージング(尾花 望)

解説

・翻訳制御因子の凝集と再生を介した酵母のエタノール適応機構(安東稜子・井沢真吾)

要旨
ストレスなどによって容易に凝集するタンパク質はアグリゲーターとよばれ、酵母では約3%のタンパク質が該当すると報告されている。タンパク質凝集は機能失活という負のイメージが先行するが、自らの失活により他の機能を引き立てる場合もある。凝集と再生を介して酵母のストレスレジリエンス(強靭性・回復力)に寄与するスーパーアグリゲーターDed1の事例を紹介する。

・実用株の代謝解析に基づく出芽酵母代謝工学(松田史生)

要旨
出芽酵母代謝工学に必要な解糖経路の調節点を解明するために、高発酵能力を持つ出芽酵母実用株の代謝解析を行った。見いだした新たな調節点の活性化でエタノール発酵および2,3-ブタンジオール生産能を向上させた。

・2つのヒトmRNA輸送体の異なる分子構成と構造・機能相関(藤田賢一・増田誠司)

要旨
真核生物の遺伝子発現は精密に制御されており、UAP56とそのパラログURH49が形成するTREXおよびAREX複合体によって成熟mRNAの核外輸送は制御されている。本稿では両因子の構造差異が、複合体形成と機能の違いを生む分子機構について紹介する。

トピックス

・高塩濃度で機能するポリヒドロキシアルカン酸分解酵素の同定(蜂須賀真一)

・クマムシ用ベクターの開発と乾眠過程のライブイメージング(田中 冴・荒川和晴)

・アンモニア酸化細菌のバイオフィルム形成を利用した高密度培養(押木 守)

・葉酸生合成経路を利用した新規芳香族系ポリマー原料の生産(野中鏡士朗)

・植物の種子形成を塩害から守るナトリウム輸送体(内山剛志・石丸泰寛・魚住信之)

・龍涎香主成分アンブレインとその類縁体のビタミンD受容体結合能(上田大次郎・佐藤 努)

・新規配列検出法による高温環境からのRNAウイルスの発見(浦山俊一・布浦拓郎)

・ATPが脳内神経伝達物質として排卵を誘発する機構(井上直子・上野山賀久・束村博子)

・海洋細菌の「樹状」バイオフィルムが石油を効率的に分解する(尾花 望・野村暢彦・Andrew S.Utada)

・無機-バイオ光触媒を用いた空気と水からのアンモニアと水素合成(石原達己)

バイオの窓

・量子計算による予測シミュレーション時代へ(油谷幸代)

産業と行政

・患者視点を取り入れた政策に向けて-研究テーマの優先順位設定の方法論の開発(古結敦士・磯野萌子・山本ベバリー アン・加藤和人)

バイオコミュニティの現在(4)
・バイオコミュニティ関西(BiocK)~集積から連携へ~(高田清文)

ヒトゲノム解読20周年記念(5)
・がんゲノム医療の最前線(中釜 斉)

AMED「RNA 標的創薬技術開発事業」から創薬を目指して(7)
・臨床医の立場からRNA創薬による次世代医療への期待(永田哲也・原 倫太朗・横田隆徳)
・「特集のまとめ」(和田 猛)

バイオものづくりプロジェクト(2)
・バイオものづくりに資するテンプレート酵素の探索と応用(蓮沼誠久)

バイオものづくりプロジェクト(3)
・関西圏バイオファウンドリ ─大阪工大・大阪大学拠点─(長森英二・本田孝祐・大政健史)

FoodBioPlus研究会 新規開発食品の社会受容性 WG
・新規食品の社会受容性を生み出すために(吉田和樹)

特集

この素材!この技術!が世の流れを変えた!
・地球温暖化に対応した品種育成米(にこまる)(坂井 真)
・機能性成分高含有もち麦品種「四国裸糯141号(サンサンファイバー)」(吉岡藤治・野方洋一・阿部大吾)

第7回バイオインダストリー奨励賞 受賞業績
・遺伝子制御技術を最適化する数理シミュレーションの構築(鈴木 洋斗)

・機能的で安定な誘導性制御性T細胞の研究開発(三上統久)

JBAニュース

バイオエンジニアリング研究会 講演会報告
・「日本のバイオ医薬品産業の飛躍に向けて~拠点整備、部素材供給、人材育成」

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