【ニュースリリース】第10回「バイオインダストリー奨励賞」受賞者決定!
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一般財団法人バイオインダストリー協会
第10回「バイオインダストリー奨励賞」受賞者決定!
(一財)バイオインダストリー協会(会長:吉田稔)は、第10回「バイオインダストリー奨励賞」の受賞者12名を、下記のとおり決定しました。
「バイオインダストリー奨励賞」は、2017年に、(一財)バイオインダストリー協会が30周年を迎えたことを機に、次の30年を見据えて"最先端の研究が世界を創る-バイオテクノロジーの新時代-"をスローガンに、バイオインダストリー大賞と共にスタートしました。「奨励賞」は、バイオサイエンス、バイオテクノロジーに関連する応用を指向した研究に携わる有望な若手研究者とその業績を表彰するものです。
受賞者の選考は、東京大学 大学院工学系研究科長・工学部長 教授 津本浩平氏を選考委員長とする24名の委員からなる選考委員会により厳正に行われました。受賞者にはそれぞれ副賞30万円が贈呈されます。
なお、表彰式・受賞記念講演会は来たる10月7日(水)、国際的なバイオイベント「BioJapan 2026」の会場(パシフィコ横浜)にて行われます。詳細につきましては、追ってご案内いたします。
バイオインダストリー奨励賞 受賞者(12名)
(五十音順、敬称略)
| 受賞者 | 所属・役職 | 受賞研究課題 |
| 井手口 拓郎 | 東京大学 新領域創成科学研究科 教授 | 赤外フォトサーマル顕微鏡によるラベルフリー生細胞化学イメージングの開拓 |
| 内田 紀之 | 東京農工大学 工学部 特任講師 | リン脂質膜変形を利用した高機能化粧品の開発 |
| 大上 雅史 | 東京科学大学 情報理工学院 准教授 | モダリティを横断する創薬支援のための計算分子設計技術に関する研究 |
| 押木 守 | 北海道大学 大学院工学研究院 准教授 | Anammox細菌の機能解明に基づくテーラーメイド型窒素除去プロセスの創出と実装 |
| 熊倉 直祐 | 理化学研究所 環境資源科学研究センター 上級研究員 | 植物病原糸状菌アプレッソリアの膨圧発生機構の解明と病害制御標的の創出 |
| 齋藤 雄太朗 | 東京科学大学 生命理工学院 准教授 | 多価不飽和脂肪酸の固相合成法の開発と新しい抗炎症脂肪酸の発見 |
| 坂本 雅行 | 京都大学 大学院生命科学研究科 准教授 | 生体細胞内シグナル計測のための高感度蛍光プローブの開発 |
| 佐藤 雄介 | 東北大学 理学研究科 准教授 | 脂質膜構造を標的とするナノベシクル横断的解析・診断技術の創出 |
| 高橋 洋平 | 名古屋大学 トランスフォーマティブ生命分子研究所 特任准教授 | 植物の気孔における二酸化炭素感知装置の同定とその活用 |
| 遠山 周吾 | 藤田医科大学東京 先端医療研究センター 教授 | 代謝制御を基盤とした心筋細胞の大量製造と再生医療の実現 |
| 中野 祥吾 | 静岡県立大学 食品栄養科学部 准教授 | 進化アルゴリズム×生成AIによる高機能化タンパク質再設計基盤の確立 |
| PRADIPTA AMBARA | 東京科学大学 物質理工学院 助教 | アクロレイン標的型プロドラッグ技術によるがん治療の創出と産業化への展開 |
奨励賞選考委員会(五十音順、敬称略)
(委員長)
津本 浩平 東京大学 大学院工学系研究科長・工学部長 教授
(副委員長)
五十嵐 圭日子 東京大学 大学院農学生命科学研究科 副研究科長 教授
菅原 達也 京都大学 大学院農学研究科 教授
吉野 知子 東京農工大学 大学院工学研究院・生命機能科学部門 教授
(委員)
間 和彦 (株)ニップン 中央研究所 執行役員 所長
井埜 章 塩野義製薬(株)ワクチン事業本部 ワクチン生産技術研究所 研究所長
大河内 美奈 東京科学大学 物質理工学院 教授
國澤 純 (国研)医薬基盤・健康・栄養研究所
ヘルス・メディカル微生物研究センター 副所長/センター長
栗原 宏征 東レ(株) リサーチフェロー
先端融合研究所 兼 新事業開発部門 リサーチダイレクター
桑原 明日香 (国研)科学技術振興機構 研究開発戦略センター フェロー
後藤 祐輔 住友ファーマ(株) R&D戦略企画部 創薬企画グループ グループマネージャー
杉山 洋 アサヒクオリティーアンドイノベーションズ(株)
社長付担当部長 兼 経営企画部
鈴木 道生 東京大学 大学院農学生命科学研究科 教授
鈴木 亮 富士フイルム(株)バイオサイエンス&エンジニアリング研究所 統括マネージャー
諏訪 旭 Meiji Seikaファルマ(株)研究開発本部 研究開発戦略部長
高澄 耕次 サッポロビール(株)マーケティング本部
価値創造フロンティア研究所 フェロー
高橋 裕介 第一三共(株) テクノロジー本部 バイオプロセス技術第二研究所長
高山 誠司 東京大学、奈良先端科学技術大学院大学 名誉教授
玉木 秀幸 (国研)産業技術総合研究所 生命工学領域
バイオものづくり研究センター 副研究センター長
堤 浩子 月桂冠(株) 醸造部 担当部長
馬場 健史 大阪大学 大学院医学系研究科 教授
福田 淳二 横浜国立大学 大学院工学研究院 教授
本田 孝祐 大阪大学 生物工学国際交流センター センター長・教授
室田 佳恵子 大阪公立大学 大学院農学研究科 教授
■ニュースリリースPDF版(398KB)→ award_release_shourei2026.pdf
■第10回バイオインダストリー大賞→ 受賞者はこちら
バイオインダストリー奨励賞・選評(五十音順、敬称略)
◆受賞者1
井手口 拓郎(いでぐち たくろう)東京大学 新領域創成科学研究科 教授
| 研究テーマ | 赤外フォトサーマル顕微鏡によるラベルフリー生細胞化学イメージングの開拓 |
| 選評 | 受賞者は、赤外分光の回折限界を独自開発の赤外フォトサーマル顕微鏡で突破し、ビデオレート3次元イメージングと超高分解能観察を両立する技術を確立した。生細胞内の化学情報をラベルフリーで高速可視化する基盤として、創薬・診断・環境評価への波及効果が極めて大きい。ライブセル解析の中核技術として、今後さらなる活躍が期待される研究者である。 |
◆受賞者2
内田 紀之(うちだ のりゆき)東京農工大学 工学部 特任講師
| 研究テーマ | リン脂質膜変形を利用した高機能化粧品の開発 |
| 選評 | 受賞者は、リン脂質膜変形という独自概念を確立し、動的な機能を付与する革新的なバイオマテリアル設計法を開発した。代表論文の多くで筆頭・責任著者として本人主導の研究展開を実証し、自ら設立したベンチャーを通じて化粧品として既に社会実装を達成している。基礎独創性と産業展開を両立する稀有な研究者であり、今後さらなる活躍が期待される。 |
◆受賞者3
大上 雅史(おおうえ まさひと)東京科学大学 情報理工学院 准教授
| 研究テーマ | モダリティを横断する創薬支援のための計算分子設計技術に関する研究 |
| 選評 | 受賞者は、低分子から中分子・ペプチド領域までを横断する計算分子設計技術を独自に開発し、AI創薬の最先端を実証した。大型研究費の代表として精力的に研究を進めるとともに、自らベンチャーを立ち上げ製薬企業との共同研究も多数推進しており、研究と社会実装の両輪で成果を挙げている。バイオ×AI分野を牽引する若手として、今後さらなる活躍が期待される研究者である。 |
◆受賞者4
押木 守(おしき まもる)北海道大学 大学院工学研究院 准教授
| 研究テーマ | Anammox細菌の機能解明に基づくテーラーメイド型窒素除去プロセスの創出と実装 |
| 選評 | 受賞者は、嫌気性アンモニウム酸化(Anammox)細菌4属5種の集積培養に世界に先駆けて成功し、菌種ごとの至適条件解析に基づくテーラーメイド型窒素除去プロセスを提案した。基礎研究から実規模下水処理場への導入実績まで一貫して進めており、国内外での社会実装につなげている。持続可能な水処理技術をリードする研究者として、今後さらなる活躍が期待される。 |
◆受賞者5
熊倉 直祐(くまくら なおよし)理化学研究所 環境資源科学研究センター 上級研究員
| 研究テーマ | 植物病原糸状菌アプレッソリアの膨圧発生機構の解明と病害制御標的の創出 |
| 選評 | 受賞者は、植物病原糸状菌の感染専用細胞アプレッソリアにおいて、細胞壁に半透膜性を付与して高膨圧を発生させる分子機構を初めて解明した。長年未解明であった感染成立の根幹過程を分子レベルで明らかにし、新たな病害制御標的を提示するとともに、新規農薬開発やバイオものづくりへの展開も期待される。極めて独創性の高い研究成果をあげており、今後も本分野を牽引する研究者である。 |
◆受賞者6
齋藤 雄太朗(さいとう ゆうたろう)東京科学大学 生命理工学院 准教授
| 研究テーマ | 多価不飽和脂肪酸の固相合成法の開発と新しい抗炎症脂肪酸の発見 |
| 選評 | 受賞者は、従来困難とされていた多価不飽和脂肪酸の固相合成法を確立し、大規模脂質ライブラリーの構築を実現した。さらに、これを活用して抗炎症作用を有する新規脂肪酸を見出しており、脂質研究に新たな展開をもたらす成果として高く評価される。今後、産業界との連携を通じ、創薬分野への応用を切り拓くことが望まれる研究者である。 |
◆受賞者7
坂本 雅行(さかもと まさゆき)京都大学 大学院生命科学研究科 准教授
| 研究テーマ | 生体細胞内シグナル計測のための高感度蛍光プローブの開発 |
| 選評 | 受賞者は、高感度cAMPプローブを開発し、生体脳内におけるcAMP動態の単一細胞レベルでの可視化を世界で初めて実現した。本プローブは国内外の多くの研究室で利用され、国際的な研究基盤技術として高い波及効果を有する。生命現象の解明に大きく貢献するとともに、製薬企業や光学機器メーカーとの共同研究も進展しており、基礎研究から産業応用まで幅広い展開を牽引する研究者である。 |
◆受賞者8
佐藤 雄介(さとう ゆうすけ)東北大学 理学研究科 准教授
| 研究テーマ | 脂質膜構造を標的とするナノベシクル横断的解析・診断技術の創出 |
| 選評 | 受賞者は、高曲率脂質膜のパッキング欠損を認識するユニークな分子プローブを開発し、エクソソームなどのナノベシクルをマーカーフリーで高感度に検出する技術を確立した。脂質膜の物理化学的特性に着目した新たな解析技術として、診断・創薬への応用が期待される。企業との共同研究や検出試薬キットの実用化も進展しており、今後のさらなる発展と幅広い産業展開が期待される研究者である。 |
◆受賞者9
高橋 洋平(たかはし ようへい)名古屋大学 トランスフォーマティブ生命分子研究所 特任准教授
| 研究テーマ | 植物の気孔における二酸化炭素感知装置の同定とその活用 |
| 選評 | 受賞者は、植物の気孔における二酸化炭素感知装置を同定し、気孔閉鎖の分子機構を解明した。さらに、この仕組みを制御する低分子化合物を見出すとともに、CO₂応答を改変したイネの開発にも取り組んでいる。温暖化に伴う大気CO₂濃度の上昇が進む中、農作物の生育増進や気候変動への適応技術への発展が期待される。今後も当該分野において重要な役割を果たす研究者である。 |
◆受賞者10
遠山 周吾(とおやま しゅうご)藤田医科大学東京 先端医療研究センター 教授
| 研究テーマ | 代謝制御を基盤とした心筋細胞の大量製造と再生医療の実現 |
| 選評 | 受賞者は、代謝制御のみを用いた世界初の高純度心筋細胞の純化培養技術を確立し、再生医療分野に大きな学術的ブレークスルーをもたらした。さらに、その成果を大学発ベンチャーの創業や治験の開始へと発展させるなど、学術的インパクトと社会実装の両面で極めて優れた成果を上げており、今後さらなる活躍が期待される研究者である。 |
◆受賞者11
中野 祥吾(なかの しょうご)静岡県立大学 食品栄養科学部 准教授
| 研究テーマ | 進化アルゴリズム×生成AIによる高機能化タンパク質再設計基盤の確立 |
| 選評 | 受賞者は、AI台頭以前からタンパク質配列デザインに国内で最も早く着手し、構造・機能相関に基づく独自のGAoptimizer法・GArNet法を開発した。活性・耐熱性・生産性の同時最適化を可能とし、特許出願20件・企業共同研究5件と応用面でも成果は際立っている。AI×酵素工学の基盤技術として学術・産業両面で貢献しており、今後さらなる活躍が期待される。 |
◆受賞者12
PRADIPTA AMBARA(ぷらでぃぷた あんばら)東京科学大学 物質理工学院 助教
| 研究テーマ | アクロレイン標的型プロドラッグ技術によるがん治療の創出と産業化への展開 |
| 選評 | 受賞者は、がん細胞特異的に産生されるアクロレインを利用してプロドラッグを活性化する独創的な創薬技術を開発した。マウスモデルで抗がん効果を実証するとともに、知財整備や企業連携も着実に進展している。抗体医薬の限界を補完し、併用療法にも展開可能な新たな治療戦略として高い可能性を有しており、早期の実用化とさらなる発展が期待される研究者である。 |








