第3回バイオインダストリー奨励賞受賞者の紹介

大賞・奨励賞

更新日:2021年4月15日

奨励賞受賞者10 人から受賞内容とメッセージをいただきました

1.飯間先生スナップ写真small2.jpg飯間麻美 氏 京都大学医学部附属病院 臨床研究総合センター
「拡散MRIによる新たながん診断法の確立」

この度はバイオインダストリー奨励賞を賜り、誠に光栄に存じます。選考委員の先生方やご指導いただきました先生方、共同研究者の皆様に心より御礼申し上げます。多岐にわたるがん治療法を適切に選択するためには画像診断の貢献は大きく、本研究では非侵襲的に組織内の水分子の運動を定量可能な拡散MRIを用いた新たながん診断法の開発を行っています。画像より導き出される各定量値と腫瘍の良悪性やサブタイプを始めとする情報を統合的に解釈し組み合わせることで、信頼性の高い個別化診断技術を構築します。さらに乳がんの再発や転移、予後や治療効果などの臨床情報と関連付けることにより、がん個別化治療に直結する新たな診断法の開発を目指します。

2.石丸喜朗_スナップ写真(個人)石丸喜朗 氏 明治大学 農学部
「消化管における化学受容機構の解明」
この度はバイオインダストリー奨励賞を賜り、大変光栄に存じます。選考委員の先生方、ご指導・ご支援いただきました全ての関係各位に心より御礼申し上げます。私は、味覚に関しては、様々な脊椎動物種における各種味覚受容体の機能と食性の関係や、酸味受容機構の解明に取り組んできました。小腸に関しては、刷子細胞の分化機構を解明し、腸管免疫とエネルギー代謝との関連などについて研究を行っています。今後は、さらに詳細な分子機構を明らかにし、最終的にはアレルギー性疾患や肥満・糖尿病の新たな予防・治療法の開発を目指します。多くの学生諸氏と共に、より一層精進する所存です。

3.香月先生スナップ写真small2.jpg香月康宏 氏 鳥取大学 大学院医学系研究科/染色体工学研究センター
「次世代人工染色体技術の開発とその産業応用」
この度はバイオインダストリー奨励賞を賜り、大変光栄に存じます。また、これまで指導して下さった先生方、共同研究者の皆様方、ともに頑張ってくれたスタッフ・大学院生に心より御礼申し上げます。本研究では独自の染色体操作技術を用いて、ヒト人工染色体ベクターおよびマウス人工染色体ベクターを構築し、従来技術では不可能であった、Mb単位の遺伝子群を導入したヒト化動物、疾患モデル動物、遺伝子治療用ベクター等の開発に成功しました。今後はこれらのプラットフォーム技術を活用し、創薬研究・医療応用に取り組むとともに、細胞・動物のゲノムを自在に操作するための、人工染色体技術のさらなる改良も進めていきたいと考えています。

4.高橋史憲_受賞者紹介記事用_small.jpg高橋史憲 氏 (国研)理化学研究所 環境資源科学研究センター
「ペプチドホルモンによるストレス情報伝達の応用利用と乾燥ストレス耐性作物の開発」
この度は、バイオインダストリー奨励賞を賜り、大変光栄に存じます。また、対象となった研究を支えて下さった、多くの共同研究者の皆様に深く感謝申し上げます。私の研究は、神経を持たない植物での乾燥ストレスの受容とそのシグナル伝達における時空間的ネットワークの解明です。ペプチドが根から葉に移動し、植物ホルモンのアブシジン酸を制御し、乾燥ストレス耐性を向上させることを明らかにしました。また、国際共同研究を通して、ガラクチノール合成を高めたイネは、コロンビアの乾燥圃場で複数年にわたり、コメ収量の増加を示すことを明らかにしました。今後も、基礎研究の成果を応用分野へスムーズに活かせるよう研究を進めていきます。

5.玉木_スナップ写真データsmall.jpg玉木秀幸 氏 (国研)産業技術総合研究所 生物プロセス研究部門
「未知の微生物を"培養"して新たな生物機能を探る」

私は幸運にも「分離・培養という作業は微生物の生きざまを知るという最も根源的な課題と対峙していることに他ならない」という教えを説いて下さった偉大な恩師に出会い、志を同じくする先輩、同僚、後輩、共同研究者の皆様と共に、15年以上にわたり環境中の未知微生物を「培養」し、新たな生物機能の発見・解明と利活用に関する研究に携わってきました。最近では、腸内環境、植物共生系、廃水処理プロセスや深部地下圏環境等に棲息するウィルスを含む未知微生物の実態解明研究に取り組んでいます。今回の受賞も、ひとえに関係者の皆様のお力添えの賜物だと、心の底から深く感謝しております。また、ご審査いただきました先生方に心から御礼申し上げます。

6.Pic_Niitsu_LABsmall.png新津葵一 氏 名古屋大学 大学院工学研究科
「発電センシング一体型集積センサ技術を用いた単独動作可能・電力自立持続血糖モニタリングコンタクトレンズの研究開発」

このたびは、栄誉ある賞をいただきまして、誠にありがとうございます。関係者の皆様に心より御礼申し上げます。私の研究は、半導体集積回路の特長を活かした持続血糖モニタリングコンタクトレンズの研究開発になります。発電とセンシングを一体的に実施する発電センシング一体型集積センサ技術を新たに開発し、糖尿病医療ならびにその予防に資するメガネ端末不要の単独動作可能・電力自立コンタクトレンズ型持続血糖モニタリング装置の開発に成功しました。これから、社会実装に向けて研究を発展していきたいと考えております。何卒、御指導・御鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。

7.日比慎_受賞者紹介記事用スナップ写真small.jpg日比 慎 氏 富山県立大学 工学部生物工学科
「新規なアミノ酸変換酵素触媒の同定とその応用利用に関する技術開発」

この度はバイオインダストリー奨励賞を授与いただき、大変光栄に存じます。本研究の遂行にあたり、ご指導とご協力を賜りました先生方、ならびに共同研究者の皆様方に心から感謝を申し上げます。私は微生物が示すユニークな物質代謝に大きな興味を持ち、その代謝経路・酵素を解明する研究を行ってきました。研究成果を基に、新規性の高い代謝酵素を産業用酵素触媒として応用することで、様々な機能性食品素材や医薬品中間体などを実用的なレベルで生産する手法を開発しています。また、現在はプロテオーム解析などを活用して、微生物代謝の全体像を俯瞰する検討を進めています。

8.研究室でのスナップ写真1_光田small.jpg光田展隆 氏 (国研)産業技術総合研究所 生物プロセス研究部門
「植物細胞壁形成を制御する因子の同定と応用研究」

植物における総合的な転写因子研究を端緒とし、植物の主要バイオマスである二次細胞壁(木質)および、すべての植物細胞が有する一次細胞壁の形成を制御する鍵転写因子をそれぞれ同定しました。また、これらを活用した応用研究に積極的に挑戦し、民間企業とも複数の共同研究を行ってきました。このような研究活動を評価していただき今回の受賞に至ったものと思っております。しかし、これらの成果は、上司や同僚、部下の皆さんの多大なる指導、協働、サポートによって達成できたことです。あらためて深く感謝するとともに、引き続き皆さんとの協働によりバイオインダストリーの発展に貢献できるよう努めていきたいと思います。

9.安井先生_研究室一人スナップsmall.png安井隆雄 氏 名古屋大学 大学院工学研究科
「尿中microRNA網羅的解析による非侵襲がん診断法の開発」

この度はバイオインダストリー奨励賞を賜り大変光栄に存じます。選考委員の先生方、本研究を支えて下さいました研究室のスタッフ・学生諸氏に心より御礼申し上げます。私は尿中に存在するmicroRNA(miRNA)に焦点をあて、尿中miRNAを用いた非侵襲がん検査に関する研究を推進してきました。その中で、ナノワイヤを介する尿中miRNA抽出法を開発し、本手法がmiRNA抽出種類数という点において従来手法をはるかに凌駕することを見いだし、肺がんバイオマーカーとなる尿中miRNAの発見に成功してきました。今後は、各種分野の先生方や企業と協力し、世界を驚愕させる技術へと展開していきたいと思っています。

10.自分自身スナップ写真(名大・湯川)small.jpg湯川 博 氏 名古屋大学 未来社会創造機構 ナノライフシステム研究所
「幹細胞イメージングを実現する超低毒性量子ドット開発と再生医療への応用」

この度はバイオインダストリー奨励賞を賜り、大変光栄に存じます。また、選考委員の先生方、ご指導頂きました先生方、共同研究者の方々に深く感謝致します。私は、量子ドットなどの量子ナノ材料を開発し、再生医療における幹細胞や再生細胞のin vivo蛍光イメージング技術の構築に取り組んで参りました。本研究では、量子ドットの毒性の主な原因であったカドミウムを含まず、かつ低コストで合成可能な産業化も期待できる超低毒性量子ドット(ZZC)を開発し、その有効性を明らかにしました。また、産学連携を通して、ZZCの製品化にも成功することができました。今後は再生医療のみならず、様々な医学・薬学研究への応用を目指します。

奨励賞ロゴマーク横長small.jpg

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