【ニュースリリース】第5回「バイオインダストリー奨励賞」受賞者決定!

大賞・奨励賞

更新日:2021年7月15日

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一般財団法人バイオインダストリー協会

第5回「バイオインダストリー奨励賞」受賞者決定!

 (一財)バイオインダストリー協会(会長:阿部 啓子)は、第5回「バイオインダストリー奨励賞」受賞者12名を、下記のように決定しました。

 「バイオインダストリー奨励賞」は、2017年、(一財)バイオインダストリー協会が30周年を迎えるのを機に、次の30年を見据えて"最先端の研究が世界を創る-バイオテクノロジーの新時代-"をスローガンに、バイオインダストリー大賞と共にスタートしました。「奨励賞」は、バイオサイエンス、バイオテクノロジーに関連する応用を指向した研究に携わる有望な若手研究者とその業績を表彰するものです。

 受賞者の選考は、千葉大学 大学院工学研究院 教授、関 実 氏を選考委員長とする22名の委員からなる選考委員会により厳正に行われました。受賞者にはそれぞれ副賞30万円が授与されます。

 なお、表彰式・受賞記念講演会は来たる10月13日(水)、国際的なバイオイベント"BioJapan 2021"の会場(パシフィコ横浜)にて行われます。詳細につきましては、追ってご案内いたします。

バイオインダストリー奨励賞(12名)(五十音順、年齢は2021.4.1現在)

受賞者 所属・役職 年齢 受賞研究課題
有泉 亨 筑波大学 生命環境系 准教授 44 トマト生産省力化に寄与する単為結果性の分子機構解明と応用展開
太田 禎生 東京大学 先端科学技術研究センター 准教授 36 AIが駆動する画像情報識別セルソーター群の開発
大谷 美沙都 東京大学 大学院新領域創成科学研究科 准教授 44 植物器官再生の分子機構の解明とその応用によるクローン増殖技術の開発
佐藤 和秀 名古屋大学 高等研究院・医学系研究科 特任助教 40 近赤外光線免疫療法の応用開発研究
清水 一憲 名古屋大学 大学院工学研究科 准教授 41 疾患・創薬研究に資する生体を模倣した新たな神経筋共培養モデルの創製
武田 朱公 大阪大学 大学院医学系研究科 准教授 43 アイ・トラッキング技術を利用した次世代型認知症検査法の開発と社会実装
樽野 陽幸 京都府立医科大学 大学院医学研究科 教授 38 味覚受容を担う細胞分子メカニズムの解明
長瀬 健一 慶應義塾大学 薬学部 准教授 44 機能性界面を用いたバイオ医薬品・治療用細胞の革新的分離精製法の開発
沼田 圭司 京都大学 大学院工学研究科 教授 40 クモ糸タンパク質の環境循環型合成と生化学解析に基づいた人工紡糸に関する研究
野田口 理孝 名古屋大学 生物機能開発利用研究センター 准教授 40 植物資源の持続可能な利用を目指した接木技術の革新
藤田 敏次 弘前大学 大学院医学研究科 准教授/研究教授 44 遺伝子座特異的クロマチン免疫沈降法の開発およびその応用展開
細川 正人 早稲田大学 大学院先進理工学研究科 准教授 37 未培養微生物群集からの網羅的1細胞ゲノム解析法の開発

奨励賞選考委員会(五十音順、敬称略 )

(委員長)

 関   実  千葉大学 大学院工学研究院 教授

(副委員長)

 小川  順  京都大学 大学院農学研究科 教授
 柴田 大輔  京都大学 エネルギー理工学研究所 特任教授
 長棟 輝行  東京大学 名誉教授

(委員)

 飯島 陽子  工学院大学 先進工学部応用化学科 教授
 石原 健一  帝人(株) マテリアル事業CSR・品質保証部 部長
 近江谷克裕  産業技術総合研究所 特命上席研究員
 大西 康夫  東京大学 大学院農学生命科学研究科 教授
 神田 智正  アサヒグループホールディングス(株) 執行役員
 木野 邦器  早稲田大学 理工学術院 総合研究所 所長、先進理工学部 教授
 鮫島 正浩  信州大学 工学部 特任教授
 篠崎 和子  東京農業大学 農生命科学研究所 教授、東京大学 名誉教授
 柴田 浩志  サントリーウエルネス(株) 取締役専務執行役員
 白井 宏樹  アステラス製薬(株) モダリティ研究所 専任理事
 瀧村  靖  花王(株) 研究開発部門 生物科学研究所 所長
 竹山 春子  早稲田大学 先進理工学部 生命医科学科 教授
 藤井 智幸  東北大学 大学院農学研究科 教授
 松村 康生  京都大学 大学院生存圏研究所 特任教授
 峰野 純一  タカラバイオ(株) COO/取締役 専務執行役員
 三輪 哲也  味の素(株) バイオ・ファイン研究所 研究員
 安田 磨理  三菱ケミカルアグリドリーム(株) 農業資材営業部
 山内理夏子  田辺三菱製薬(株) 創薬本部 フロンティア創薬ユニット長

バイオインダストリー奨励賞・選評 (五十音順)

◆受賞者1

 有泉 亨(ありいずみ とおる)筑波大学 生命環境系 准教授

研究テーマ トマト生産省力化に寄与する単為結果性の分子機構解明と応用展開
選評 単為結果性果実は受粉せずに果実が肥大するので、安定生産、省力化に貢献できることから、トマト変異集団を整備し、マルチオミックス解析などを駆使して、単為結果性を制御する遺伝子ネットワークを解明し、実用的単為結果性トマト品種の開発を進めた。植物ゲノム編集技術による新品種開発にも着手するなど、実用的な作物の作出に積極的であり、今後も活躍が期待できる研究者である。

◆受賞者2

 太田 禎生(おおた さだお)東京大学 先端科学技術研究センター 准教授

研究テーマ AIが駆動する画像情報識別セルソーター群の開発
選評 細胞からの光学的計測信号を機械学習で直接判別する「画像を見ずに形を見る」ゴーストサイトメトリー法を考案し、AI駆動型高速画像情報識別セルソーターを世界に先駆けて開発した独創性は高く評価できる。医療診断・創薬など様々な分野への展開性が高く、波及効果も期待できる。独自性の高い研究と応用への創造力は秀でており、今後もこの分野を牽引する研究者として活躍が期待される。

◆受賞者3

 大谷 美沙都(おおたに みさと)東京大学 大学院新領域創成科学研究科 准教授

研究テーマ 植物器官再生の分子機構の解明とその応用によるクローン増殖技術の開発
選評 植物の器官/植物体再生を汎用化・普遍化する技術に向け、独創的な視点で精緻に研究を展開し、pre-mRNAスプライシング制御が鍵になっていることを世界に先駆けて解明した。植物細胞のカルス形成誘導剤の開発、植物バイオマスをコントロールする新規化合物および生体分子の同定、クローン増殖技術の効率化・海外技術移転などに貢献しており、今後も活躍が期待できる研究者である。

◆受賞者4

 佐藤 和秀(さとう かずひで)名古屋大学 高等研究院・医学系研究科 特任助教

研究テーマ 近赤外光線免疫療法の応用開発研究
選評 がん細胞を標的とする近赤外光線免疫療法における細胞死誘導メカニズムの解明、免疫応答を抑制する制御性T細胞を標的とした新規近赤外線免疫療法の開発への多大な貢献は評価できる。がん治療のみならず、自己免疫疾患・アレルギー疾患・感染症への本技術の応用展開、治療用・検査用の光デバイス開発など、本治療技術の社会実装に向けて着実に成果を挙げており、今後も活躍が期待される。

◆受賞者5

 清水 一憲(しみず かずのり)名古屋大学 大学院工学研究科 准教授

研究テーマ 疾患・創薬研究に資する生体を模倣した新たな神経筋共培養モデルの創製
選評 生体内での運動神経と骨格筋の空間的配置を模倣した微細加工デバイス上で運動神経細胞と骨格筋細胞を共培養し、運動神経細胞の活動電位をトリガーとする筋組織収縮力の定量評価を可能とする神経筋モデルの開発に成功したことは高く評価できる。この神経筋モデルを用いた神経筋疾患の分子病態メカニズム解明や創薬研究など、今後もこの分野を牽引する研究者として活躍が期待される。

◆受賞者6

 武田 朱公(たけだ しゅこう)大阪大学 大学院医学系研究科 准教授

研究テーマ アイ・トラッキング技術を利用した次世代型認知症検査法の開発と社会実装
選評 アイ・トラッキング技術や視線情報解析のためのAI技術を用いて、問診に頼らない自然な状態での認知機能のモニタリングが可能な次世代型の認知症検査法を世界に先駆けて開発した。大学発ベンチャーを起業し産業界と連携して社会実装を進めていることも高く評価できる。言語依存性が低い本認知症検査法の世界標準化を目指して、今後もこの分野を牽引する研究者として活躍が期待される。

◆受賞者7

 樽野 陽幸(たるの あきゆき)京都府立医科大学 大学院医学研究科 教授

研究テーマ 味覚受容を担う細胞分子メカニズムの解明
選評 味蕾細胞での新たな味覚応答メカニズム「チャネルシナプス」の概念を確立し、基本五味の中で最も解明が困難であった塩味受容の分子機構を明らかにするなど、画期的な研究成果をあげている。これらの成果は、味覚のコントロールによる塩過剰摂取の抑制など、健康的食生活を実現するための方法につながると考えられ、企業との共同研究を開始しており、今後も活躍が期待できる研究者である。

◆受賞者8

 長瀬 健一(ながせ けんいち)慶應義塾大学 薬学部 准教授

研究テーマ 機能性界面を用いたバイオ医薬品・治療用細胞の革新的分離精製法の開発
選評 温度変化に応答する機能界面を開発し、分離精製における新たな方法論を開拓した。抗体等のバイオ医薬品・治療用細胞の分離精製に応用できることを実証するとともに、その実績をもとに、各種化学製品メーカーと分離装置を開発し、製薬会社とは分離技術を活用した抗体医薬精製の検討を行っている。タンパク質、細胞の分離精製技術を中心に今後のバイオプロセス開発を牽引する活躍が期待される。

◆受賞者9

 沼田 圭司(ぬまた けいじ)京都大学 大学院工学研究科 教授

研究テーマ クモ糸タンパク質の環境循環型合成と生化学解析に基づいた人工紡糸に関する研究
選評 クモ糸タンパク質を対象とした研究で、バイオマテリアル分野において傑出した成果をあげている。クモ糸タンパク質構造の解析に基づき、耐水性向上といった機能改変も実現した。また、光合成細菌を用いる低炭素型生産方法の開発など、幅広く研究開発を展開している。産業利用に向けた企業、特にベンチャー企業との協働も実施しており、バイオ素材開発を牽引する将来の活躍が大いに期待される。

◆受賞者10

 野田口 理孝(のたぐち みちたか)名古屋大学 生物機能開発利用研究センター 准教授

研究テーマ 植物資源の持続可能な利用を目指した接木技術の革新
選評 近縁作物間での接木は農業生産を支える重要な汎用技術であるが、常識を覆す発想で研究を進め、系統分類学上でかなり離れた作物間での接木を成功させ、全く新しい農業技術の開発につながる研究成果を上げている。接木の分子レベルでの解明を精緻に進めるだけでなく、接木補助具の販売、接木苗量産技術での企業連携など、社会実装にも積極的であり、今後も活躍が期待できる研究者である。

◆受賞者11

 藤田 敏次(ふじた としつぐ)弘前大学 大学院医学研究科 准教授/研究教授

研究テーマ 遺伝子座特異的クロマチン免疫沈降法の開発およびその応用展開
選評 標的ゲノム領域を特異的に単離する遺伝子座特異的クロマチン免疫沈降法を世界に先駆けて開発し、標的ゲノム領域に結合する種々の因子の網羅的解析を可能にした。研究試薬の市販化、受託解析ベンチャーの起業など、精力的に社会実装を進めていることも高く評価できる。ゲノム領域結合因子を標的とした医薬品開発や感染症対策など、今後もこの分野を牽引する研究者として活躍が期待される。

◆受賞者12

 細川 正人(ほそかわ まさひと) 早稲田大学 大学院先進理工学研究科 准教授

研究テーマ 未培養微生物群集からの網羅的1細胞ゲノム解析法の開発
選評 マイクロ流体技術による環境からの微生物の1細胞分離技術、ならびに1細胞ゲノム解析技術を開発した。本技術の活用により、環境中の未培養微生物の機能解明を可能とする新たな方法論を確立し、腸内細菌や土壌微生物の機能解析に広く展開している。本技術を様々な産業へ展開すべく、大学発ベンチャーを企画運営し実質的な活動を展開しているなど、微生物機能利用の新展開を牽引する活躍が期待される。

■ニュースリリースPDF版(476KB)→ award_release_shourei2021.pdf

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