【報告】「日本におけるバイオジェット燃料生産技術の最先端」(2019年度新資源生物変換研究会シンポジウム:第71回日本生物工学会大会シンポジウム)

講演会・セミナー 植物 環境

更新日:2020年1月14日

 世界CO2排出量の約2%を占める航空機からのCO2排出は、地球温暖化における喫緊な課題であるが、航空機は電動化などが困難なためバイオジェット燃料への期待が大きい。本シンポジウムでは、バイオジェット燃料普及に取り組んでいる日本航空から現状と展望を、これに続き、国内最先端の藻類(ユーグレナ、IHI)、ガス化FT法(三菱日立パワーシステムズ)、ATJ[Alcohol to Jet]と新規技術(RITE)などバイオジェット燃料の生産技術を紹介する。

開催日時 2019年9月18日(水) 13:15~15:15
会場 第71回日本生物工学会大会内
岡山大学 津島キャンパス (岡山市北区津島中)
主催 (公社)日本生物工学会、(一財)バイオインダストリー協会 新資源生物変換研究会
備考 大会詳細はこちらからご確認ください

開催報告

「はじめに」
 乾 将行 氏((公財)地球環境産業技術研究機構(RITE))
 航空機は電動化などが困難なためバイオジェット燃料への期待が大きい。本シンポジウムでは、日本でバイオジェット燃料の開発に取り組んでいる各社に、開発状況に関する講演を頂いた。本シンポジウムは新資源生物変換研究会の幹事であるRITE乾氏がユーグレナの鈴木氏とともに企画を担当した。

「バイオジェット燃料の普及への取り組み」
 中島 陸博 氏(日本航空(株))
 JAL グループは、「2020年度までに2005 年度対比でCO2排出量を輸送量当たり23%削減する」ことを宣言し、従来機よりもCO2排出量を削減できる省燃費機材を導入するなど、取り組みを行っている。講演では、米国におけるバイオジェット燃料の開発およびRITEと進めている国内における古着を原料としたジェット燃料の開発について解説された。

「微細藻類ユーグレナを活用したバイオ燃料事業化」
 鈴木 健吾 氏((株)ユーグレナ、(国研)理化学研究所 環境資源)
 同社は、ユーグレナの脂質からのバイオ燃料製造検討を進めている。演者はユーグレナの育種について概説した後、国内で他社と共同で進めているジェット燃料の実証研究の状況について報告を行った。

「微細藻類を用いたバイオジェット燃料生産プロセスの構築」
 武藤 潤 氏((株)IHI ソリューション・新事業統括本部 藻類バイオ燃料グループ)
 同社では微細藻類(Botoryococcus braunii (Bb)を用いたバイオジェット燃料生産プロセスの開発に取り組んでいる。講演では、開発の経緯、製造プロセスのポイントについて解説された。

「高性能噴流床ガス化とFT合成による純バイオジェット製造パイロットプラントの研究開発」
 山内 康弘 氏、篠田 克彦 氏、菱田 正志 氏(三菱日立パワーシステムズ(株))
 坂井 清彦 氏((株)JERA)
 小嶋 保彦 氏(東洋エンジニアリング(株))
 水野 拓哉 氏((国研)宇宙航空研究開発機構(JAXA))

 MHPS、JERA、TEC、JAXAの4社は共同して木くずを原料としたバイオ燃料製造プロセスの開発に取り組んでいる。講演では、開発状況と製造プロセスの開発のポイントについて報告された。

「100%グリーンジェット燃料の生産技術開発への挑戦」
 乾 将行 氏(RITE バイオ、奈良先端科学技術大学院大学 バイオ)
 RITEはバイオマス由来のブタノールを化学的に変換したアルコール系ジェット燃料を行っている。演者はプロセスに関する詳細な報告を行った。さらに石油系ジェット燃料と任意の割合で混合可能な100%グリーンジェット燃料の開発についても概略を紹介した。

「おわりに」
 鈴木 健吾 氏、荒川 賢治 氏

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(写真:左から、鈴木健吾 氏(座長)、山内康弘氏、石井正治研究会会長、乾 将行 氏(座長)、武藤 潤 氏、中島陸博 氏)

 今回の会合の詳細については、弊協会誌「バイオサイエンスとインダストリー」B&I誌に報告を掲載予定です。B&I誌はJBA会員の方はホームページからもご覧いただけますので、ご参照ください。
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お問い合わせ
(一財)バイオインダストリー協会
新資源生物変換研究会 事務局(担当:本山・村瀬・尾崎・青木)
TEL:03-5541-2731
E-mail:greenbio(at)jba.or.jp  ※(at)は@に置き換えて下さい

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