【報告】植物バイオ研究会 第19回会合「植物ゲノム編集の最先端研究の事例紹介 -複雑なゲノム構成への対応、F1育種の迅速化による植物バイオの急展開-」

講演会・セミナー 植物

更新日:2020年1月28日

趣旨

 植物バイオ研究会では植物バイオの産業化促進を目指して、主要な植物バイオテクノロジーに関するセミナーを開催し、最先端の情報共有と議論の場を提供して新たな産学官の取組みについて提案検討を進めたいと考えています。

 政府が6月にバイオ戦略を定めたことにより、産官学でのバイオ産業イノベーションに向けた動きが活発化しています。植物はバイオマス、エネルギー、食品、化石資源代替、新規機能性成分など、多面的な機能を持っており、イノベーションの源泉となります。また、植物の遺伝子組換えに比べて、ゲノム編集は社会実装しやすいとの考えから、企業の注目が集まっています。
 そこで今回の講演会では、最近のゲノム編集技術に焦点を当て植物バイオの位置付け、国内での研究動向の紹介も含めて、議論を深めました。

開催日時 2019年11月1日(金) 14:00~17:00
会場 (一財)バイオインダストリー協会
参加者 58名
主催 (一財)バイオインダストリー協会 植物バイオ研究会

報告

「ゲノム編集の植物バイオでの位置付け」20191101shibata.jpg
柴田 大輔 氏(植物バイオ研究会 会長、京都大学 エネルギー理工学研究所 特任教授)

 講演では、従来育種法、遺伝子組み換え手法と比較して、ゲノム編集技術の有用性が解説され、実用に用いる場合の課題についても指摘された。政府のバイオ戦略で植物バイオが貢献できる市場領域は広く、植物バイオに力をいれることでバイオ戦略が大きく推進する可能性についても示唆された。

「オオムギの遺伝子情報を活用したコムギのゲノム編集技術」20191101satoabe.jpg
①佐藤 和広 氏(岡山大学 資源植物科学研究所 教授)
②安倍 史高 氏((国研)農業・食品産業技術総合研究機構 次世代作物開発研究センター 、
基盤研究領域 育種法開発ユニット 主任研究員)

 単純なゲノムを持つオオムギで得た知見をコムギに適用し、ゲノム編集技術を活用することで、短期間にコムギの改良を行うことに成功した。講演では研究の詳細が解説された。

「TALENを用いた植物ミトコンドリアのゲノム改変」 20191101kazama.jpg
風間 智彦 氏(東北大学 大学院農学研究科 応用生命科学専攻 助教)

 TALENを用いて植物のミトコンドリアゲノム改変を行った研究の詳細について報告を行った。さらにミトコンドリアでゲノム編集を行う上の課題についても言及した。

「バイオ生産に貢献する植物合成生物学の潮流(JST/CRDS 2019年版 俯瞰報告)」 20191101kuwahara.jpg
桑原 明日香 氏((国研)科学技術振興機構 研究開発戦略センター ライフサイエンス・臨床医学ユニット フェロー)

 世界的に植物バイオに対する注目が集まっており、特に植物によるバイオ医薬品製造への期待が高いことが、実例を交えて紹介された。ゲノム解析技術、ゲノム編集、メタボロミクス等の進展により、植物の研究が進めやすくなっており、植物から未利用遺伝子資源を発掘して産業利用を行う好機であることが指摘された。

 今回の会合の詳細については、弊協会誌「バイオサイエンスとインダストリー」B&I誌に報告を掲載予定です。B&I誌はJBA会員の方はホームページからもご覧いただけますので、ご参照ください。
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TEL:03-5541-2731
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