一般財団法人 バイオインダストリー協会

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機関誌「バイオサイエンスとインダストリー(B&I)」

「バイオサイエンスとインダストリー(B&I)」は(一財)バイオインダストリー協会(JBA)が隔月で発行している機関誌です。 機関誌B&Iでは、飛躍的に発展するバイオサイエンスの最新情報を、バイオに携わる最前線の研究者が丁寧に解説しています。

バイオテクノロジーは、医薬、ヘルスケア、医療機器、食品、化学、エネルギー、環境等、広範な分野で使われています。B&Iは、基礎研究、応用研究だけでなく、産業化への展開などのテーマも数多く取りあげ、バイオ関連産業を担う企業やアカデミアの研究者、政策立案を行う官公庁の担当者、その他さまざまな方に購読いただいています。
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最新号目次

2018 VOL.76 NO.5

巻頭言

◆農業の産業化に向けた科学技術イノベーションの推進(久間和生)

総説

◆環境微生物を対象としたシングルセルゲノム解析の最前線(細川正人・小川雅人・竹山春子)
The forefront of single-cell genomics in environmental microbiology

要旨
全微生物のうち培養可能なものは1%以下と試算され、培養を介した微生物の資源化は限界に達しつつある。新たな産業創出戦略として、微生物ゲノムを調べて遺伝情報を解読し、合成生物学手法を駆使して有用物質を人工生産する方法が注目されている。この産業変革の中で、微生物ゲノムは新産業の種となる情報資源として位置付けられ、この資源を採掘する道具が鍵になると考えられる。本稿では、環境微生物1つずつからゲノムを解読するシングルセルゲノム解析法に着目し、最新の研究動向を筆者らの研究を含めて概説する。

キーワード
シングルセル、ゲノム解析、マイクロ流体デバイス、バイオインフォマティクス

解説

◆微生物間コミュニケーションを遮断する酵素が抗生物質耐性にも関与する(草田裕之・玉木秀幸)
A novel quorum-quenching acylase mediates antibiotic resistance

要旨
昨今、多剤耐性菌の出現が世界中で問題となっている。筆者らは最近、この多剤耐性能に一見無関係と思われる「微生物間コミュニケーションの遮断」が寄与することを発見した。本稿ではその研究成果を中心に解説する。

キーワード
微生物間コミュニケーション、βラクタム系抗生物質、多剤耐性能、両機能性酵素

◆植物によるタンパク質高生産システムの開発(三浦謙治・星川 健・江面 浩)
Development of a high-yield production system for recombinant proteins in plants

要旨
昨今の抗体医薬の台頭などのトレンドもあり、有用タンパク質の高発現技術が、最近改めて注目を浴びている。植物を宿主としたタンパク質生産はコストが安いメリットもあるが、発現量がネックとなっており、汎用化に至っていない。本稿では、タンパク質生産の場として植物に関する概要を説明するとともに、筆者らが開発した「つくばシステム」について紹介する。特にこのシステムでは植物細胞を用いながら大腸菌並みの組換えタンパク質の発現量が達成された。

キーワード
アグロインフィルトレーション、ジェミニウイルス、ダブルターミネーター、ベンサミアナタバコ、一過的発現システム

◆"化学酵素重合法"による高機能タンパク質素材の合成(土屋康佑・沼田圭司)
Chemoenzymatic synthesis of artificial protein materials

要旨
構造タンパク質は繰り返し配列を多く含む特異的な一次構造から多様な力学的性質を示す。本稿では酵素反応を利用した合成法を駆使して、構造タンパク質を模倣した人工ポリペプチド材料を創製する取組みについて解説する。

キーワード
タンパク質、ポリペプチド、プロテアーゼ、クモ糸、エラスチン

◆フラボノイド代謝酵素複合体:フラボノイドメタボロン(和氣駿之・高橋征司・中山 亨)
Flavonoid metabolons

要旨
陸上植物の普遍的な特化代謝産物であるフラボノイドの生合成の細胞内動態がタンパク質レベルで明らかにされ、これまで説明困難だった現象が多酵素複合体(メタボロン)の形成に基づいて合理的に説明できるようになってきた。

キーワード
メタボロン、フラボノイド、アントシアニン、イソフラボン、花色発現

◆AIを用いた胃がん内視鏡診断システムの開発(平澤俊明・七條智聖・多田智裕)
Application of artificial intelligence for detecting gastric cancer in endoscopic images

要旨
近年、人工知能はディープラーニング、機械学習を用いることにより飛躍的に進歩した。筆者らが開発した人工知能を用いた内視鏡診断支援システムは、内視鏡専門医に劣らない診断能力を有し、今後実臨床への応用が期待される。

キーワード
Stomach neoplasms、Helicobacter pylori、Endoscopy、Artificial intelligence、Convolutional neural networks

トピックス

◆コケ植物原子体の鉛吸着材としての応用展開(井藤賀操)
Moss protonemata function as a lead(Pb)adsorbent

キーワード
ヒョウタンゴケ、原糸体、細胞壁、鉛吸着材、SDGs

◆抗酸化物質エルゴチオネインの発酵生産(佐藤康治・河野祐介・大津厳生・大利 徹)
Fermentative production of the anti-oxidant ergothioneine

キーワード
エルゴチオネイン、異種宿主生産、大腸菌、代謝工学、システイン

◆葉緑体DNA の分配を司るホリデイジャンクション解離酵素の発見(西村芳樹)
Identification of Holliday junction resolvase that governs DNA segregation in chloroplasts

キーワード
葉緑体ゲノム、核様体、葉緑体工学、ホリデイジャンクション解離酵素、原子間力顕微鏡

◆配向した毛細血管様ネットワークを有する3 次元組織体の構築(松崎典弥)
Controlled capillary-like network structure in 3D tissues

キーワード
バイオファブリケーション、溶融電解紡糸法、配向制御、血管網

◆腸内フローラが薬の効果と副作用に与える影響(伊藤慎悟)
Influence of intestinal flora on drug response

キーワード
腸内細菌叢、薬物動態、薬物代謝酵素、トランスポーター、抗菌薬

◆スーパーコンピューター「京」によって解明された多剤排出トランスポーターの薬剤排出機構(松永康佑)
Drug transport mechanism of the multidrug transporter AcrB

キーワード
薬剤耐性化、多剤排出トランスポーターAcrB、分子動力学シミュレーション、スーパーコンピューター「京」、ストリング法

◆高タンパク質食がマウスの末梢体内時計を同調させる機構(柴田重信)
Entrainment of mouse peripheral clocks induced by protein rich diet

キーワード
時計遺伝子、末梢時計、IGF-1、食事性同調、糖尿病

◆ビフィズス菌によるアルツハイマー病における認知機能低下の抑制(小林洋大・久原徹哉・清水金忠)
Prevention of cognitive impairment in Alzheimer's disease by Bifidobacterium

キーワード
認知症、アルツハイマー病、脳腸相関、ビフィズス菌、プロバイオティクス

◆バリン高生産に向けた酵母の分子育種(世良田雅紀)
Molecular breeding of yeast for valine fermentation

キーワード
酵母、バリン、代謝制御、生理機能

バイオの窓

◆植物バイオ:土日にならないキュウリが欲しい(山川 隆)

国際動向

◆Bio×Industry 4.0 の潮流 各国のDigital Health 戦略(井出寛子)

産業と行政

◆生物多様性条約科学技術助言補助機関会合および実施補助機関会合参加報告(井上 歩・小山直人・野崎恵子)

機構紹介

◆東京大学微生物科学イノベーション連携研究機構(妹尾啓史・野尻秀昭・西山 真)

◆バイオ人材育成カリキュラム:東北大生命科学研究科の新しい人材育成(河田雅圭)

JBAニュース

◆GIF/JABEX 合同シンポジウム 「バイオエコノミーに関する技術開発・産業・政策」(荒 勝俊)

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「バイオサイエンスとインダストリー(B&I)」までの道のり

酒精協会誌(1942年~1943年、第1巻)

JBAの前身は、1942年に創設された任意団体「酒精協会」で、第1巻第1号「酒精協会誌」は同年4月に発刊されました。しかし、当時の印刷用紙は配給制であったため、第1号第7巻~第12巻は2号合本で作製されたようです。

醗酵協会誌(1943年~1974年、第2巻~第33巻)

酒精協会は、1943年(昭和18年)に財団法人に認可、改称し、新たに「財団法人発酵協会」として活動スタートしました。それに伴い、「酒精協会誌」は「醗酵協会誌」として改題され、第2巻を発刊しましたが、戦中・戦後という時代の中で1948年(昭和23年)までは、複数号の合本での発刊、休刊が続きました。苦難の5年間を乗り越え、1949年(昭和24年)からは、6年ぶりに毎月発刊できるまでになりました。

発酵と工業(1975年~1988年、第34巻~第46巻)

1975年、「財団法人発酵工業協会」へと改組され、協会の新発足を機に、機関誌も「発酵と工業」と改題されました。
 1983年には発酵工業協会内に、バイオインダストリーの振興とその健全な発展に寄与するため、「バイオインダストリー振興事業部(Bioindustry Development Center)」が開設されました。その後、1987年、発酵工業協会とその特別部会であるバイオインダストリー振興事業部とを発展的に改組、「財団法人バイオインダストリー協会(Bioindustry Development Center)」となりました。

バイオサイエンスとインダストリー(1988年~ 、第46巻~ )

「発酵と工業」、「BIDEC NEWS」の統合を行い、1988年4月より「バイオサイエンスとインダストリー」が生まれました。

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