NEDOスマートセルプロジェクト技術セミナー 要旨集
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図2.研究開発項目構成とプロジェクトスケジュール 研究開発項目①では、国産ゲノム編集技術、代謝系遺伝子発現制御技術、栽培生育環境による発現制御技術開発等の植物の有用物質生産機能を引き出す技術開発を推進中です。現在さまざまな産業で使われている化合物は、化学合成によるものや、植物由来であっても安定的な栽培方法がない、微量しか確保できないといった課題があります。そこで、100万種類ともいわれる植物が生合成している化合物を、効率よく安定的に多くの産業で活用するため、植物が元来持っている代謝経路を分析する等、有用物質生産に特化した技術を目指しています。 また、研究開発項目③では、植物に比べると構造がシンプルで細胞の増殖スピードが早い微生物の有用物質生産機能を引き出す技術として、微生物を目的に合うように設計(Design)、構築(Build)、評価(Test)、学習(Learn)をサイクルとする、情報解析を核とした独自の共通基盤システムを開発中です。実験等で得られたデータについて情報処理技術を用いて解析し、微生物の有用機能の最大化をスピーディーに実現するため、要素技術を連携させ高度に合理化したスマートセル創出を目指しています。 そして、研究開発項目②及び④では、医薬品中間体原料・農業用資材・健康機能性成分等をターゲットとして実用植物を用いた研究や、ポリマー原料・産業用酵素・食品・化粧品原料等をターゲットに産業用微生物を用いた研究を行い、事業化に向けての課題解決に取組んでいます。今年度でプロジェクトは5年計画のうちの4年目となりました。共通基盤技術はその実用性を示せる成果を出すべく、要素技術を組合せたシステム化と実用課題での検証に主軸を移し、残りの期間で広く活用される実用的な生産技術に仕上げることを目標としています。実用化及び事業化を加速させる成果を出すことで、スマートセル活用による産業として「スマートセルインダストリー」を創出することを目指します。参考資料Focus NEDO 第70号 バイオ×デジタルで切り拓く未来 スマートセルインダストリー/オープンイノベーションの挑戦! https://www.nedo.go.jp/library/ZZ_focus_70_index.html3

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