NEDOスマートセルプロジェクト技術セミナー 要旨集
15/16

用することは非常に困難であった。一方ALSD法は、任意に選択した特定の部位(例えば基質)の構造変化を格段に促進させることができるように改良されたMD手法である。現在演者らが行なっている研究では、ALSD法によって酵素ポケット内の基質の構造変化を促進させることにより、主産物、あるいは副産物を生成する際の様々な複合体構造を網羅的に探索し、酵素-基質間の相互作用パターンを詳細に解析することで、数日から1週間程度のシミュレーション時間で酵素改変部位予測を行うことが可能となった。本公演ではALSDの理論的枠組みなどについて紹介し、発表の最後には本手法を適用して酵素機能を向上させた実例(図2)についても簡単に紹介する。図2.酵素改変部位予測法によって提案された変異体の主産物収率、収量例参考文献1)Ikebe,J.et al.,J. Comput. Chem.,35(1), 39-50(2014)2)Ikebe,J. et al.,Biophys. Rev.,8, 1-8(2016)13

元のページ  ../index.html#15

このブックを見る