NEDOスマートセルプロジェクト技術セミナー 要旨集
11/24

1. 文献等からの知識抽出・学習技術 2. 代謝経路設計技術 3. 発現制御ネットワーク構築技術 4. 導入遺伝子配列設計技術 5. 酵素改変設計技術 上記の情報解析技術において、理論的基盤は既にプロジェクト参画者によって論文発表されており、理論体系としては確立されてきたものである1~4)。本プロジェクトでは、このように理論的に裏打ちされた各種技術の実用化利用を目的とし、生産現場において様々な課題を有する実証課題群と連携している。開発してきた理論基盤を各実証課題におけるスマートセル設計用に改良・改変を行うとともに、得られた結果を物質生産現場へフィードバックすることで、より実践的に利活用できる情報解析技術の開発を行ってきた。本講演では、開発してきた情報解析技術を紹介するとともに、いくつかの実証課題への適用例と具体的成果について紹介する。 最後に、本プロジェクトで開発しているスマートセル設計システム全体構成を図2に示す。本システムは、上述した各種情報解析技術の基盤として本プロジェクトで構築したデータベースを中心に、各種情報解析技術が格納データに対して適用可能な構成となっている。芯円に位置するデータベース内にはプロジェクトで測定された各種データの他、既存データベースからスマートセル設計に必要な各種データが学習用に格納されている。これらの公知データとオリジナルデータを複合的に利用し、中円に記載されている各種情報解析技術を適用する。情報解析技術の適用によって、外円に記載された各種「モデル」が構築される。ここで導出される「モデル」とは、生体細胞の持つ機能をグラフもしくはパスウェイ、シミュレーションで表現した生命活動を簡易的に示したシステム概略図を意味する。こうして構築された各種モデルを解釈することで、従来型育種では想定できなかった改変候補遺伝子の提案、宿主細胞への導入遺伝子配列の設計、従来生体細胞がもっていなかった新奇生合成経路の提案などを実現している。 参考文献 1) Araki, M. et al., Bioinformatics, 31(6), 905-911 (2015) 2) Shirai, T. et al., Microb. Cell Fact., 15(13), 1-6 (2016) 3) Aburatani, S., Gene Regul. Syst. Bio., 5, 75-88 (2011) 4) Kameda, T. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 103 (47), 17765-17770 (2006) 10

元のページ  ../index.html#11

このブックを見る