NEDOスマートセルプロジェクト技術セミナー 要旨集
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具体的なターゲットとしては、図2に示すような様々なものが設定されている。これは、本システムが多様な宿主微生物に対応可能であるだけでなく、ターゲット物質もまた幅広く適応が可能なことを検証するためである。各ターゲットの特徴については、大まかに下記の3種類に分類することが出来る。①育種開発期間の短縮スマートセル設計システムの改変指針を、ハイスループットに微生物に実装することを主たる目的としている。言わば「世界で競争の激しいターゲット」において世界最高レベルの性能を示すことが、スマートセル創出プラットフォームの有効性の実証であると言える。②目的物質(化合物/タンパク質)の生産性向上目的物質の生産性を限界まで高めた微生物を開発することを目的としている。今回は、特に産業化レベルまで到達しているターゲットについて課題設定を行っている。従来の育手法で限界と考えられるレベルまで向上させた微生物に対して、スマートセル創出プラットフォームを用いることで更に生産性を改変できるのかが検証のポイントである。③新規生合成経路の実現従来その微生物に存在していなかった代謝系を導入し、新規の物質を生産できる微生物を創出することを目的としている。今までに微生物発酵生産が実現していないターゲットについて、本手法において世界初の成功例を示すことが重要である。 このような、企業が本気で事業化を目指す魅力的なターゲットでのProof of conceptを行い、インパクトのある成果をあげることで、本プロジェクトで開発するスマートセル創出プラットフォームにおける世界の競合技術との優位性を示すことが、検証課題の重要なミッションである。図2.検証課題のターゲット6

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