Q1. バイオテクノロジーってなに?
Q2. 酒、みそ、しょうゆ、納豆もバイオテクノロジーで作るの?
Q3. 「遺伝子組換え」は、突然生まれたわけではありません。
Q4. 日本は少子化ですが、地球全体ではすでに定員オーバー!
Q5. 遺伝子組換え食品の安全性は、厳しく審査されています。
Q6. あなたは、毎日遺伝子を食べています。
Q7. 食卓の作物は、ほとんど品種改良されています。
Q8. クローン牛のライバルは松坂牛?
Q9. バイオテクノロジーとワインのおいしい関係!?
Q10. 遺伝子組換え作物は、農薬を減らせます。
Q11. 『花の命は短くて』という言葉がなくなる?
Q12. トウモロコシも自然に還るプラスチックに変身!
Q13. 遺伝子ってなに?体の中でどんな働きをしているの?
Q14. 青カビが人命救助?
Q15. 体に合った服を作るようにあなたにぴったりの治療をする『個別化医療(テーラーメイド治療)』。
Q16. 今地球は、砂漠化の危機! 砂漠化防止にも、「遺伝子組換え」が期待されています。
Q17. きれいな海を守るため、微生物が大活躍!
Q18. 「遺伝子組換え」が、よい環境を保つ農業を可能にします。
Q19. 地球温暖化を防止するバイオエネルギー。
Q20. バイオテクノロジーは、ごみ処理名人!
Q21. 「クローン技術」ってなに?

この他に、「バイオテクノロジーQ&A」、バイオ専門家向けの「もっと知りたい人のためのバイオテクノロジーQ&A」があります。
 

青カビが人命救助?

多くの人命を救ってきた、
青カビ生まれの医薬品。


 抗生物質の第1号にペニシリンという薬があります。今から50年ほど前、イギリスのチャーチル首相の命を救った薬として一躍有名になり、その後、肺炎や食中毒、その他いろいろな化膿症の治療薬としてよく使われてきました。

 ペニシリンを発見したのは、イギリスの細菌学者フレミング(1881〜1955)です。1928年、彼がぶどう球菌の培養実験をしていた頃、シャーレの一部に青カビが生え、その周辺だけはぶどう球菌が成育してこないという現象に気がつきました。こうして翌1929年、青カビに細菌の増殖を抑える物質があることを確認、これをペニシリンと名づけたのです。 70年前の青カビの発見から、バイオテクノロジー医療が始まりました。

 ペニシリンのように、病原菌の発育を妨げることのできる、微生物によってつくられた化学物質を抗生物質と呼び、これもバイオテクノロジーの産物です。現在までに次々と新しい抗生物質が発見され、多くの人々の命を救ってきています。このように、バイオテクノロジーは医療の分野でも欠かせないものとなっているのです。

次々と登場するバイオ新薬。

 今や日本人の百人に一人あるいはそれ以上がかかっているといわれる糖尿病。すい臓から出るインスリンというホルモンが少なくなったり、この働きが低下すると、血中の糖分を十分利用できなくなり、糖尿病になります。この治療に使われるインスリンも、初めは牛、豚などのすい臓から採ったものが利用されてきました。しかし、副作用が問題となり、現在ではヒトのインスリン遺伝子を持つようにした遺伝子組換え大腸菌を使い、ヒトのインスリンを作ることができるようになりました。

 医薬品の分野では、制ガン剤や肝炎治療薬として使われているインターフェロン、貧血改善薬のエリスロポエチンなど、次々に「遺伝子組換え」を利用した薬が生産され、これまで治りにくかった病気の治療に役立っています。


更新日: 2006年10月25日


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